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第四話-下水道探索①-



◇◇◇◇◇




「今日はネズミ駆除か…」




昨日のダンジョン付近の草刈りと違い、

今日は町の下水道が仕事場だ。

(ダンジョン付近なら

少しは臨場感もあるんだけどなぁ)

我儘など言える訳もないが。


…と、イルの心の声だ。


「仕事前に酒場で腹ごしらえでも…」


リーンがそう言い、先に進む。

身につけている術衣や、

変わった形の杖など見る限り、

リーンはさほど路銀に困っていた感じには

見えないが…(知り合いのドワーフ族から

どんな援助を受けているのだか?)


それでも

一応、冒険初心者のイルと共に

稼いだ依頼料で、

同じ生活をしている。

(依頼が成功する以前、

イルを数ヶ月間養う羽目になり…

旅の路銀が無くなった…

というのも、あるだろうが)


依頼料…とはいえ、

駄賃にちょっと色が付いた程度しか

貰えてはいない。

酒場で食べる食事も、

一番安価で定番の物だ。


もっと稼げるようになったら…

肉をたらふく食べてみたい。

酒も飲んでみたい。

甘いデザートもいいなぁ…

たくさんある珍しいメニューを

片っ端から注文してみたい…


イルは自分の目の前に配膳される

食事(現実)を見る度に思う。



「腹空きすぎて…欲望が暴走しそう」


「他人が食べてる料理を凝視するな。

我らはいつもの野菜スープとパンで精一杯だ」


リーンはやはり、常の如く 淡々と

食事を始める。 


つい、数日前までは芋と水しか

注文できなかった頃に比べれば…

少しは食事のグレードも上がったか?


とは、言っても…

野菜とて、たっぷり入っている

具沢山野菜スープではない。

野菜の皮や端が細かく刻まれ、

申し訳程度に薄いベーコンが紛れてる、

かなり質素な代物だ。

そもそも別の料理の出汁として

使われてた物だろう。

それでも金欠の初心者冒険者には

ありがたい一品ではある、

とにかく安いのだ。

同様にパンも数日前の売れ残りを焼いた物だ。

水分もなく、ボソボソで

風味も損なわれているが

スープに浸ければ問題はない。


…いや、そういう事にしておこう。


空腹の前では、

何だって美味そうに見える。

イルは今日もまた、

空腹調味料で質素な料理を

美味しく食べるのだった。



…さて、

腹を満たしたニ人は、

本日の依頼を遂行する為、

所定の下水道へ赴く。


下水道…

せっかく美味しく食べた料理の

匂いを帳消しにする

悪臭を想像して、少し鬱になる

イルだった。




◇◇◇◇◇



(第四話②へ続く)

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