表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/92

第ニ話特殊依頼をこなして③



◇◇◇◇◇



「ああぁあ〜!

屈辱だぁ!

この数ヶ月で、たった十五回くらい?

依頼を失敗したからって…

こんな依頼を僕らに回すなんて…!!」



イルは半べそ顔になり、

全身を土塗れにしながら嘆いていた。


「15回も失敗したなら…

それはギルドとて、呆れるだろう?」


リーンの真っ当なツッコミにも

耳を傾けず、

イルは喚きまくっていた。



ギルド職員から最後通告として、

課せられた"特殊依頼"とは…


"畑仕事"


郊外の農家の収穫を手伝う

…のが、ミッションだった。


「文句を言うな!

この依頼、達成できねば…

町からの追放と、

ギルド出入り禁止なのだぞ?」


イルに釘を刺しながら、

リーンは黙々と作業をする。


通常、冒険者ギルドでは、

"このような"

依頼は受け付けることはない。


町中であり、

安全が確保されている仕事であれば、

一般の求人募集に出せばいい。


冒険者ギルドでは、危険が伴い、

一般人では解決できない案件を受け付け、

扱っているのだが…


今回は特例だった。


本来なら失敗続きだった冒険者に

ギルド職員は、

冒険者認定停止の処置を

するところだった。


それは単に出来損ないに対する

冷徹な切り捨て…という意味だけではない。

戦闘に向かない者が無理をして

凶暴な魔物と対峙すれば…

下手をすれば、怪我だけでは

済まないからだ。


夢を見るだけで…

己の実力に見合わない依頼を受け、

無茶をする…

そんな若者を牽制する為にも、

ギルドとして、時には非常な決断を

しなければ、ならない時もある。


だからこそ、ステータスタグには

冒険者ランクがあり

一向に向上しない者には、

裁定が下される。



しかし…

リーンの所持する

虹色のタグだけは特殊だった。


これを一目みた職員の上司は

(顔色を変え)認定停止だけは回避するよう、

部下である職員に命じた。


特例にする理由を…

部下である職員は聞いたが、

上司にすら説明ができない、という。


ただ…


世界中にあるギルドの、

その総本部から伝わる伝令では、

虹色のタグプレートを持つ者の

冒険者剥奪は不可能。


…そのタグは、特別である。

とだけ伝わっていた。


虹色のタグを所持していた

術者(自称)リーンと、

新人剣士イルの処遇に

悩んだギルド職員は…


かくして、

特例の"畑作業依頼"を

彼らに受けさせ、

成長を応援する判断を下すに至った。



畑仕事をする冒険者…と。

後日、同業者に大笑いされる

リーンとイルではあったが。


そこがまた、イルが嘆く理由でもあった。

冒険者の命ともいえる剣を

スコップに持ち替え、

頭部を魔物の攻撃から防ぐ兜は、

日差しから頭を守る麦わら帽子に代わり…

見た目からして、

畑に溶け込み、

農作人がめちゃくちゃ似合っている

そんな、イルであった…。



◇◇◇◇◇



(特殊依頼をこなして④へ続く)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ