第51話 勝敗の行方②
楓のアイデアのショート動画がアクセスを跳ね上げ、そこから知名度が急上昇した。最終週は結果が表示されないので、固唾をのんで見守るしかない。
「結果がでたぞ」と悠が口を開いた。
「蒼汰!」
慌てて、蒼汰の部屋へと楓は飛び込んだ。
モニターを見つめたまま、固まっている。
どちらだろうかとハラハラしながら、楓は蒼汰へと近づいた。
その反応からはどちらが優勢だったのか、わからない。
楓が横に来たことで、蒼汰はようやくそこで口を開いた。
「結果は……35,206,986票の由良…‥が」
「が?」
「2位!」
そこで、楓はモニターを見つめた。
マウスが指し示す先には、「オルフェウス1位」と掲載されている。
「36,564,804票の俺らが……1位!」
明るい声で楓がいうと、蒼汰は「そうなんだよ!」と声をあげた。
「楓、ありがとう、あのバズりっぷりがなかったら、勝ってなかった!」
ぎゅうっと抱きしめられ、とたんに楓の鼓動が跳ねる。
霧崎にも以前同じことをやられたことはあったが、それとは格段に違う高鳴りを感じる。
「う、ううん……、協力できてよかった」
押しのけるようにぐいと離れ、蒼汰は「あ……、本当にごめん」と照れたように笑顔を浮かべた。
スマホが鳴ったので、通知を見る。
それは想像どおりの由良で、『おめでとう、約束通り辞退する』という連絡だった。
そして、そこにはもう一文。
『幸せにな』と書かれていた。




