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次の手掛かりを求めて

「シャル、四天王の居所は本当に迷いの森だと思うか? 俺はあまりピンと来ないんだが」


「可能性はゼロではないと思います。しかし四天王の存在はエルフも知りませんし、それほど近場ならもっと周知されているかと」


「だよな。クラレットとは聖者の森で出会ったし、その近辺ならあいつも気付くはずだ」


 

 ギルドへの報告を終え、エクル達と解散した後、アンリノットで美味い飯を堪能した。


 部屋に戻るとミィはすぐに眠り、シャルと二人で次の捜索場所を考えている。


 もっと俺にこの世界の地理が把握出来ていれば――…

 


「そうか! 世界地図を見ればいいんだ!」


「地図……ですか? 確かに未開拓地(ダンジョン)の中で、人が踏み込めていない地域だけでも分かれば、ある程度予想を絞り込むことも可能ですね」


奴ら(魔人族)も人類の一種だ。思考も生活の中枢も、人間と大きくは変わらないはず。それなりの場所を考えるだろう」

 


 思い立ったらすぐに動きたい性分の俺は、翌朝早くにギルドへと向かった。


 シャルは昨日までの疲れが残ってるのか、後から来ると言っていたけど、別に無理して付き合わなくてもいいのに。



 キサラディに入ると、何故かうさ耳元気娘と犬剣士が先にいて、地図探しを手伝ってくれた。


 スマルトによると、クリミナ(亜人国)領内の地図なら多いが、他国を含めた世界地図はほぼ無いらしい。


 そもそもリブラッド王国が情報を隠している為、あってもモートリア帝国までだとか。

 


「ショーマ、なぜ他国まで知りたいんだ?」


「クラレットは東の四天王という言い方をしていた。つまり人の国の外周を覆う未開拓地の内、東側全域を収めてるんだ。北や西の四天王となれば、当然他国の未開拓地を含めるだろう」


「なるほど、確かにクリミナは大陸の東側に位置している。しかしそれならクリミナの近郊だけでも、東の四天王を探せるのでは?」


「甘いなスマルト。仮に大陸を四分割した際、反対側の西はいいとして、北や南との境界線がクリミナ内にあるとは限らないだろ?」


「つまり隣国のモートリア(魔術国家)や、南の大山脈まで視野に入れるべきなのか。壮大過ぎて思考が追い付かない」


「ショーマちん! これならどうかな!?」

 


 スマルトとの会話中、エクルが持ってきた割と新しい書物には、モートリアとリブラッド(魔法国家)までのおおよその地形が載っていた。


 しかしそれを見た俺は唖然としてしまう。

 


「……人類種の国って、この三カ国だけなのか?」


「え、ショーマちん知らなかったの? エクル、モートリアにいた時にもそう教わったよ?」


 

 弧を描くような横長の底辺に、まるで絵に描いた山を連想させる、北が先細りした辺鄙(へんぴ)な地形。


 ざっくりとした印象はそんな感じで、西と東が少し盛り上がり、それ以上に北側に長く伸びていた。



 クリミナは東から中心付近へと続く形をしており、更に面積の広いモートリアが、北から中央部の大半を占めている。


 西側には縦長気味の地形のリブラッドがあった。



 当然この周囲に海など載ってなく、ほんの一部分、北から東へと()()()に近い窪みがあって、大陸の端までモートリアとクリミナの領地に面している。


 恐らくそこが海岸沿いなのだろう。



 その広さに感心するエクルに対し、俺は真逆の印象を抱いていた。

 


「世界ってすごく横に長いんだねぇ。ネビュラから西の未開拓地までが、今わかってるだけで八千キロくらいだってー。めっちゃ遠いよね」


「縦方向は約五千キロか……。これが世界の大部分だとすれば、正直狭過ぎるぞ……」

 


 水平距離の八千キロだと、地球一周の約五分の一。

 ユーラシア大陸を横断する方がたぶん遠いだろう。


 この異世界が過去の地球にあった、超大陸パンゲア状態でなければ、海の向こうにはまだまだ大陸が存在する。


 そもそも人里の周辺でさえ、この地図では測りきれない。

 


「ヒントはこの南東か。べレンズから砂漠地帯の手前までは描かれてるが、先日行った茨の森まではこの三倍は距離がある。人類種が到達できてない大陸の外側は相当広いぞ」


「それは間違い無いな。それでショーマ、東の四天王はどの辺りと見る?」


「北の山脈がこれだろうから、隣の小さい山がブラウニーの住処だ。この西が気になる」


「なに? そのラフィル川を挟んだ向こうは、リノス地方の実力者達が開拓を進めているぞ? そんな所に敵のリーダー格がいるか?」


「逆だよスマルト。川からブラウニーの山までの間は、地形的には平坦だ。そんな場所を攻略出来ていないのなら、そこには強い()()がいるんだろう」


「一理あるな。深部に行くほど魔獣が増えて、ラフィルの墓場なんて呼び方もされていた」

 


 囲むように川が流れ、外敵から身を守りやすい平地。

 城を建てるのに打って付けなその場所は、俺の知識ではすぐに親玉の隠れ家だと感じた。


 北の山脈までの距離を目安にすると、そこから約二百キロといったところか。

 


「よし、次の探索地はラフィルの墓場に決まりだ。ここでハズレならネビュラくらいしか思いつかんからな」


「まぁネビュラに入るよりは、まだ生きて帰れそうだが……」


「ショーマちんが行くなら、エクルも頑張るよ!」

 

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