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自傷、メンヘラ。  作者: 七瀬紅葉
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これまでの『私』①

小学二年生になった春、両親が離婚した。







兄と私はどちらについて行くかと問われた。

元々父親っ子だった私は、幼きながらにして父と暮らしたい、と意見した。

しかし、小学生の私の意見など聞く者はおらず、母に引き取られた。

兄は母親っ子だったのでもちろん母についてきた。

小学二年生、7歳にして大好きだった父親と引き離されてしまった。







━━━なぜこんな書き方をしているか。


私は母が苦手だった。

別に嫌いではない。『苦手』なのだ。

母は兄を大層可愛がっていた。私のことを可愛がっていなかった訳では無い。ただ、母の優先順位は常に兄が上だっただけだ。



兄は私より2つ上だった。母は兄が求めた物は大抵は買い与えた。私が求めると我慢しなさいと言われた。

その為、私が持つおもちゃは兄のおさがりが多かった。祖父母が誕生日に買ってくれたおもちゃを除けば八割方兄のおさがりだったのではないかと思う。


例えば、男の子物の変身ベルト、車のおもちゃ、ベイブレetc.


私が欲しかった女の子物のおもちゃは母からは買い与えてもらった記憶が無い。



当時の私は、それが普通だと思っていた。

母からこれが普通だと教えられてきたからだ。


それでも、自衛隊に勤めていた父はそんな私を不憫に思ったのか一度、おもちゃを買ってきてくれたことがあった。




しかし、母はそんな父に


「(私)だけに買ってきて、(兄)には無いの!?

そんな贔屓みたいな事をして、(兄)が可哀想だとは思わないの?」


と言いました。




父は


「(兄)にはお前が普段から買い与えているだろう。(私)は兄のおさがりしか持っていない。だから買ったんだ。」



そんな父の言葉を母は聞かず、次の日おもちゃは捨てられていた。


父は申し訳ない顔をしながら私を抱き、


「ごめんなぁ。」


と言った。



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