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大暴れの卒業パーティーその4

頑張りました。


byエル

ちょっとため息をついてしまいました、本当にもうこの人は。


私より頭一つ分背が低いのです、でもそれを感じさせません。


金色の髪に、真っ白な肌、頭の上は船長帽子、改めて言いますカッコイイです。


彼女の手を取り、思いっきり抱きしめてしまいます、すっぽりと私の胸の中に収まる彼女


再び黄色い声が女の子の叫び声が聞こえてきます。


抱きしめた胸の間から、覗いてくる青い瞳に、やられてしまいます。


あ、王妃様がこっちを向いて苦笑しています。


「彼女がメルセラ嬢か、あ、いや、キャプテンメル、故郷の湖で

あの、獰猛な魚たちを相手に戦う少女」


「今、王都で話題になっている、素晴らしく美味い魚か」


「うむ、今のうちに懇意に、なっておかねば」


そんな声が聞こえてきます。


弾き飛ばされたブランディ君は、「貴様ァ」そう言いながらメルさんに

向かっていきますが肩をムンズとつかまれました、ユウナさんに・・・・


「アンタの相手はあたしだろうが!!」


そう言って胸ぐらをつかみ、お腹を膝で蹴飛ばし、さらに足をお腹に当てて

後に思いっきり引っ張りました、あ、あの技は、巴投げ! ! !


「姉ちゃん兄ちゃんに怒られてこおおおおおい」


ブランディ君が吹っ飛びます、その着地点には彼のお兄さんお姉さん。


ユウナさんはブランディ君の家族を知っているようですね、先ほども

軍のどうとかこうとかいってましたから。


抜群なコンビネーションで双子の男性二人は右左とボディフックを決めます。


そして顔はお姉さんの胸にボフンと着地しました。


国軍の隊長を任されているお三人です、双子の長男次男

そして長女のエセルティアさんです、大人の女の、お胸とはこういうものだと

語られています、ものすごくご立派なんです。


今日の服装は、肌もあらわな、煽情的なドレスです、お胸の半分が見えるほどの。


そして、その胸に着地したブランディ君、お姉さんから往復ビンタの刑を受けています。


バシバシとものすごい音です。


そして、最後は殿下です、真後ろにいる国王と王妃を完全に無視して

ユウナさんは殿下に怒鳴りつけます、いやかなり不敬なんですけど大丈夫でしょうか。


「そもそもな、誰がてめぇなんかに絆されるか!まともに働くことの出来ない奴が

女口説いてんじゃねー、そんなんだから、あの御令嬢に愛想つかされんじゃねーか

私の好みはな、あんたみたいなガキじゃないんだよ、そうブライアン先生みたいな

大人の渋い男が好きなんだ、そもそも私はあんた達に答えた覚えはねぇからな」


会場内から、おうぅぅと言う声が聞こえます、ですが下着姿はいただけません。


ブライアン先生、私たちの担任ですね、今回のパーティーは尽力していただきました。


二十六歳の、なかなかかっこいい先生です、当然独身ですね。


ブライアン先生は複雑な顔で、彼女を見ています。


彼女もブライアン先生を見ました、そして獰猛に笑います、肉食獣の笑みです


ブライアン先生は、はっとしてメルさんを見て、そしてほっとしました。


ユウナさんはそんなブライアン先生を見ていぶかしげな顔をしましたが。


そして、吹き飛ばしたブランディ君を見て大声で言いました。


「変なプレゼント送ってくるぐらいだったら、もっと自分自身を鍛えろ

使えねぇ剣や盾なんていらねーんだよ、武器を見る目を、もっと養えや」


さらに続けて殿下に言い募ります


「はっきり言うぞ、あたしはテメェらみたいなガキ共が大嫌いだ、そんで

おおぅ、そこにいる嬢ちゃん、テメェと、テメェと、テメェだ、その面

覚えたからな、全部調べあげて、戦争をふっかけてやろうか!」


ああ、彼女らは私にも、いろいろ入ってきた子達ですね。


怯えていますね、学園という小さな世界ならともかく、魔物渦巻く世界に

いきなり飛び込みさせられたようなものです。


「ちっとは頭を使えや、私をうまく庇い、自分が、コレに取りいるとかな!

まあいいさ、そこにいるオヤジども、テメェらの面も覚えたからな、覚悟しとけや!」


うわー、完全な宣戦布告ですね、どうしましょうか、などと思っていたら

メルさんが国王様に呼ばれました。


呼ばれたメルさんは「はい、国王様、今まいります」そう言って

国王のもとに歩いて行きます。


ああ、いつの間にやら、問題を起こした方たちの親御さんが勢揃いしています。


そして鉄拳制裁です、私の弟も泣いている母様に叩かれています、これは効くでしょう


メルさんの言葉を聞いて初めてユウナさんがびっくりした顔で国王の顔をまじまじと見つめます。


「あ、あ、あ、」言葉をなくしてしまったようです、私は慌てて彼女に駆け寄ります


ユウナさんは体をガクガクと震わせて、膝を抱えこんでしまいました。


そんな彼女に私は優しく頭を撫でていきます、情緒不安定なようです。


そして言葉をかけます「大丈夫ですよ、国王様はひどいお方ではありません」


そうして、自分の上着を脱いで彼女にかけます、勿論ボタンもきっちり締めて。


そんな周りの状況を見てメルさんは、目を何度か閉じて開けてを繰り返しています。


「エルノオーラ令嬢、ありがとうございます」騎士のお辞儀を取ってメルさんが

私に挨拶をします。


そして改めて国王の前で跪きます。


「ふむ、メル伯爵、いや、キャプテンメル、このたびの食品寄贈の件、礼を言うぞ」


ええ、伯爵、何ですかそれは?周りもそれを聞いてどよめきます。


「いや余計なことを言ってしまったな、まぁ、このパーティーは後でやり直す

王城でな、キャプテンメル、すまないがまた、食料を送ってもらいたい

今度はきちんと買おう」


「いえ、それには及びません、すでに、送ってあります、もちろん無料で

私たち自身のことですから、ましてや私は一年半で学校を卒業させて

いただいております、なのに皆様からお呼びがかかり感謝にたえません

そーゆーわけですのでお気になさらず」


「フフフ、ハハハハハハ、ありがたいな、では皆のもの今夜の卒業パーティーは

王城でやり直しさせてもらう、このパーティーのセッティングした者たち

ご苦労であった、本来ならば、ふぅ、息子が尽力すべきであったのに」


「お前達には、失望した、アレックス、なぜおまえにエルノオーラ令嬢を

婚約者にしたか分かるか?このような事態を招かないためだ、余が無理を言って

マークスに頼んだのだ、この令嬢なら、お前をまっとうにしてくれると

思ったのだが、お前の馬鹿さ加減は私をはるかに超えていたようだな

言い逃れをしても無駄だ、すべてを記録してある、令嬢だけではなく

幾人もの教師、同級生からも諫められていたはずだ、それを無視して

このようなことを」


国王様が話していたら、ユウナさんは目を見開いています


どうやら正気に戻ったようです。


「有難うございます、エルノオーラ様、もう大丈夫です、覚悟を決めました」


そう言って、国王のもとに歩んで跪きました。


「数々の無礼と不敬、まことに申し上げありません、言い逃れはしません

ですが、私の一族のものとは関係ありません、どうか咎は、私ひとりでお願いいたします」


そう言って深く頭を下げます。


思わず声を出そうとしましたが、王妃さまに止められました。


「無礼と不敬とは何のことだ、ああ、先ほど物を投げたことか、あれは単なる

私への訓練だろう、どうも最近、体がなまっていてな、どうだエセルティア隊長

私もなかなか動けるだろう」


いきなり話をふられたエセルティア様ですが、さすがと言うべきか、あっさり答えます


「はい、国王様の動きはなかなかのものでした、ぜひ私どもの

訓練にも参加して頂きたいくらいです」


それを聞いて国王様は笑いました、全く度量の深い方です、ただし王家に

歯向かう者は容赦しない人です。


「そう言う訳だ、娘、なかなか面白かったぞ、それと、その胸元に

あるものを渡してもらおうか、あとバルケッタは元気か?」


そう問われるユウナさんです、彼女は慌てて返事をします。


「はい元気です、今頃も魔物を、ぶん殴ってると思います、あ、国王様は

父をしっているのですか?」


「悪友だ、学生時代のな、そなたに何かすれば、怒り狂って押し寄せて来そうだな」


そんなふうに言って笑う国王様です。


そしてユウナさんは胸元に入れた書類を国王様に渡します。


渡された書類を国王様は、そのまま王妃に渡します、王妃様はそれを

黙って読みはじめました


何人かの貴族が顔を青くしています。


「以前言ったと思うが、私は国家に歯向かう者には容赦しない、ただ今回は

残念だが息子が関わっている、正直に来い、意味は分かるな」


そう言って周りにいる者たちを見ます、そして付け加えました


「三年だ、これが最大の譲歩だ、息子を含め、すべての者たちに

三年の猶予を与える」


「そしてエルノオーラ・ベルトレイセイ令嬢、すまなかった、もう良い

これからは自分のために生きよ、幸いにしてやるべきことがあるのだろう」


国王様は私に、おっしゃってくれました


そう言って国王様は王太子殿下だったアレックスを見て

深くため息をつきました。

お疲れ様です、ありがとうございます


byタケゾウ

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