15話 襲撃
「よし、ここら辺にゃね」
周囲の人通りが少ない裏道。そこでエイは何かを探るように地面を両手で触れていた。
その後ろには手に槍を持ったリノゥが心配そうな目をしつつも、周囲に気を配っている。
「エイちゃん、本当にこんな所で大丈夫なの?リュウさんとか、ハヤトたちがいる近くに居た方が…」
「大丈夫!私の役目は、セブンが出した場所が本当なのかと、出入り口の確保にゃ。奴らの居場所は地下、私の【変質】と【変形】でそこまでの道を作る」
「それなら尚更」
「戦いが始まったら怪我人の撤退に敵を逃がさないための道を塞ぐ。これは私が手を離さない事が絶対条件。敵が襲ってきても見つからない場所にいる必要があるにゃ」
エイが使うスキルは手を離せば、元の形に戻っていってしまう。それに集中力も必要不可欠。本陣でスキル使用をしていたら、それこそ集中がそがれてしまう。
ここにはリノゥ以外にもエイの護衛はいるが、それもかなり少ない。この様な大きな事が初めてのリノゥにとっては心配してもしきれない気持だ。
「…あった。さすがセブンにゃ。リノゥちゃん!」
「分かった。それじゃあ作戦通り」
リノゥは近くにいた人を呼び、作戦開始の旨を伝えるように頼む。遠間隔でのやり取りが難しいこの世界においては、最も確実な手段だ。
探るように、作り変える様にエイは思考を巡らせていく。【変形】によって変えられるものは限られている、それを【変質】を使って無理矢理に変えているのが普段のエイのスタイル。
「…?入り口はある…けど周りの物質は触ったこともない」
「どうしたの、エイちゃん?」
「何でもないにゃ。確か勝手に始めても良い、てあの王子様は言ってにゃよね?だったら」
地面が変質し、徐々に変形していく。しかしこのままでは人は通れないと、元の素材に戻すために変質をする。イメージするのはそこへたどり着くための階段。
「さあ、開始にゃ」




