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神すら見通せないこの世界で  作者: 春山
第3章 復讐の王子
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05話 格好付かない

「はぁ、手荒な真似は止してくださいと伝えた筈ですが…おや?違うお客様ですか?」

いきなり現れた男に斬られた女は何事もないように微笑む。

そんな状況など関係ないと言わんばかりに男は女の首をそのまま斬り飛ばす。

「ここに来たのは本体じゃないのだろ?何処にいる?」

「何処?とは…私はここにいるではないですか。ですが本体とは…深いですね」

「話す気はないという事だな」

首だけになっても話し続ける女とそれと会話する男。女にはある種の余裕すら感じるが、男から感じるのは怒りのみ。

「まあいいでしょう。素晴らしい素体を見つけましたし、ご主人様も納得するでしょう。…また会えるのを楽しみしておいてください。それではまたお会いし…」

「うるさい。黙れ!」

男が力任せに女の頭を踏むと、今まではなしていた頭は動かなくなり、徐々に形を崩していく。それと同時に目の前で相手取っていたノーフェイスたちも力を失ったようにその場に崩れ、液状化してしまった。

今起きた事が全て夢だったかのように周りにいた者が全ていなくなり、目の前にはあの男のみ。

敵ではないとは思う。思いたい。

「いつまで呆けている!」

「え!?は、はい!」

唐突に怒鳴られ、警戒を解いてしまう。驚いてしまって情けない感じにはなったものの。

「妹は何処に行った?」

「妹とは?」

カヤの事だろうか。だがロンロからは他に兄弟がいるとは聞いていない。

「何を言っているんだ妹の騎士。妹、フェリスは何処に居るのだと聞いている」

男は被っていたものを取り、素顔を見せる。少し暗い赤の髪に、見るものすべてをにらむような瞳の形。

どうしよう…まったく分からないし、見た事も無い。フェリスの事を妹と言っている事から考えると、兄。という事はこの国の王族、確かフェリスが兄に会いに行ったと言っていた気が、

「もしかして!カインさ…」

「ロックスだ!ロックス・サンドレア!」

そう言って耳元にあるピアスを見せてくるが、こちとら王族の証である装飾品なんてフェリスのしか見た事が無い。

こんな事になるのなら少しは見識を広めた方が良いなと思った瞬間だった。

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