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妖精の果実  作者: 流民
Prologue
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Prologue

 人類が地球規模の大災害を乗り越え、何かが起こっても人類の種が残せるよう、大規模な宇宙移民を計画していた。そして、その計画が実行され、二組の宇宙移民船団が組織され宇宙の彼方へ出発していく。その移民船団が、地球を飛び立った時から人類はADをSC、スペースセンチュリーと改め、さらにはその時を持って地球は地球連邦となり、すべての国は一つにまとまることになる。そこからは太陽系内の宇宙開発が加速していく。そして、最初の宇宙船団から一二年後、第二の移民船団が遥かなる宇宙を目指して旅を始める。その時には人類は太陽系内の開発も本格的に地球外の惑星のテラフォーミングを行い、徐々に地球以外にも地球化を終えた惑星へ人類は広がっていく。

 そしてSC一〇〇年が過ぎるころには太陽系内の惑星の開発がほぼ完了し、その少し後に人類に大きなニュースが届くことになる。約一〇〇年前に飛び立った第一次移民船団の二つの船団の内の一つ。第二移民船団が太陽系外星系に到着し、そこで人類の居住可能惑星を発見したとの情報が飛び込んでくる。それから三年後のSC一一八年、最初の移民船団のうちのもう一つも居住可能惑星を発見。両移民船団とも惑星開発を行い、SC一三〇年には第二移民船団が入植を開始し、その時点を持って、初めての地球外惑星国家となるテラを名乗る。そして地球連邦はそれを承認し、両国家は形だけの友好条約を締結。これは双方への移動手段が無い事と通信手段もまだ未熟であったための処置で、ただの友好条約とするだけにとどまった。

そして、SC一三二年には第一移民船団も惑星改造を終え入植を開始。地球外惑星国家マザーアースを名乗り、地球連邦はこれも承認する。そしてテラと同じようにマザーアースとも友好条約のみを締結するにとどまった。

 そして、それから数年後のSC一三五年第二次移民船団が、居住可能惑星を発見したとの報告が入る。その星系は居住可能惑星が五つもあり、その全てが豊富な水と資源に溢れているという情報がもたらされる。そして、第二次移民船団は入植するために惑星改造を始める。

 まず一つ目の惑星を開発しだし、それが軌道に乗りかけたSC一三七年、地球で画期的な発明が発表された。それは、今まで実現が出来なかった跳躍航法が発明された。これと関連する技術として、超高速通信も同時に発表され、これにより今までかなりの時間がかかっていた通信や移動もかなりの短時間で行うことが出来るようになり、テラやマザーアース、さらには地球から見ると反対側になる第二移民船団の開発中の惑星にも一週間程度で往復する事が出来るようになった。これにより人類は銀河系全域に進出していく事になる。

 跳躍航法が開発されてから五年が経過したSC一四二年、ようやく星系内の居住可能惑星すべての開発が終わった第二次移民船団は三番目の国家を名乗る、ドライテラを名乗るが、その頃には跳躍航法は飛躍的に進化し、誰しもが銀河系を簡単に移動できるようになっていた。そして、その為にドライテラを名乗った第二次移民団はその豊富な資源から地球連保の思惑もあり、国家としての承認をされることもなく、地球連邦直轄領として管理されることになる。

 ドライテラからすれば不満は残りつつも、それでもいつかは自治権を約束されており、その日を待つことになる。

 そして跳躍航法が発明されてから様々な人々、国家の機関や民間、さらには個人までもが銀河系内で一攫千金を夢見て宇宙に飛び立つことになる。そして、それに伴い宇宙での事故や、遭難が相次ぎ、さらには宇宙海賊の被害も各地で相次ぐようになり始める。それに対応するため、地球連邦は遭難者のサーチアンドレスキューと海賊討伐を目的とした機関、地球連邦宇宙軍を発足。今までは沿岸警備のみに留められていたコーストガードはあったが、その役割を銀河系全体に広げる為、宇宙軍が設立された。銀河系全域で遭難者の救出や、海賊討伐を行うため、その活動拠点を広げてきたが、その活動拠点が広すぎることにテラ、マザーアースは危機感を覚え、独自の宇宙海賊討伐組織を持ち、自国内でのサーチアンドレスキュー、海賊討伐は自国の組織で対応する事を宣言し、地球連邦を牽制する動きを見せる。このことから地球連邦も危機感を覚え、さらに宇宙軍の増強を図る。それに呼応するようにテラとマザーアースも軍事力を増強されていく。

 その為、新たな植民地では増税を強いられ、各惑星の不満はたまっていく一方だった。

 しかし、その間にも人類はフロンティアスピリットと冒険心を満足させるため、様々な方向へ冒険の旅に出る。そして、その中でいくつかは文明レベルは低い物の、地球外文明も発見されたが、それは文明レベルが低い為、干渉波せずに監視を行うという名目で近辺に基地を作り、その文明を見守ることになる。

 そして新たに見つかった居住可能惑星も必ずどこかの国家に属し、そこには国家の莫大な予算が投じられ、急ピッチで惑星改造が行われ、その後はその投資した金額を回収するためにかなりきつい税を要求される。それの繰り返しが何年も続き、ついにはSC一九二年には自治権を求めての暴動が発生する。

 最初は一惑星のみでの暴動であったが、厳しい報道管制の網目をすり抜け、各惑星にその暴動は爆発的な勢いで広がり、銀河系の居住可能惑星の五分の一がその暴動に参加したとき、今まで各惑星の警察組織にだけでは手に負えなくなり、各国家は暴動鎮圧の為に軍隊を派遣する事になる。

 しかし、その時には暴動は治まり、暴動に参加した惑星は一つの旗のもとに集まり始め、それが、ドライテラを中心とした惑星連合の発足となる。

 その事態を憂慮した地球連邦を始めとする国家は連合でのドライテラ討伐を試みる。

 それが人類間での初めての星間戦争となる、第一次ドライテラ攻略戦であるが、その戦いは数で勝る地球連邦連合軍の圧倒的な敗退に終わる。そして、圧勝で終わった惑星連合はその勢いで惑星開放を旗印に各惑星を併合し、銀河系の四分の一を手中に収めることになる。

 それに焦りを覚えた地球連邦とその同盟国であるテラ、マザーアースは正式に軍事同盟を締結し、SC一九六年には銀河同盟を発足。それまでは軍隊同士の連絡は軍事機密の多い事からあまりとることは出来なかったが、国家を超えての連携を取るため、各宇宙軍は完全に統合され、軍部の存在はかなり大きくなっていく。

 そして、連携がうまく取れるようになった銀河同盟軍は再び惑星連合の拠点であるドライテラ討伐軍を送るが、第二次ドライテラ討伐も失敗に終わり、その隙をつき、惑星連合軍はさらに支配地域を広げ今では銀河の三分の一を支配するまでになる。このままでは、各惑星の利権を手放すことになりかねない各国家は新たな兵器の開発を行う。

 そしてSC二〇〇年、汎用人型兵器メカニカルフレーム、通称MFを開発する。プロトタイプとして作られた三機のXMF-00スペリオルはその年に実戦配備され目覚ましい戦果を挙げる。スペリオルは一機の力で惑星連合の艦載機をほとんど壊滅状態に陥れ、惑星連合の制空権を完全に破壊せしめ、負け続きであった銀河同盟を戦争が始まって以来初めて勝利に導いた。

 しかし、その高スペックに比例して一機当たりのコストは莫大なコストが掛かり、その一機で銀河同盟の標準的な戦艦約一〇隻分のコストが掛かり、三機以上量産されることは無く、それからは派生型である量産型のMF-01が開発された。能力的にはかなり落ちるものの、生産コストはかなり安く、数で圧倒できるためMF-01は大量に生産されることになる。

 そして、大量に量産されたMFに苦戦し、惑星連合は今まで手に入れた支配地域のいくつかを手放さずにはいられなかった。しかし、惑星連合も鹵獲したMFからSC二〇九年には独自の汎用人型兵器ヘビーアームド、通称HAを開発。先行量産型のHAはMFの能力を凌駕し、現状を支えることにつながった。それでも支配地域を元の場所に戻すことは難しく、現状を維持するにとどまった。

 その膠着状態長く続き、人類は物資の確保を行うため今まで不干渉だった文明レベルが低かった為に見過ごされていた文明にも手を出すことになる。それは銀河同盟だけではなく、惑星連合の支配地域でも行われることになる。

 そして、SC二〇八年、今までは全く目も付けられていなかった惑星シェフィールドで反物質の大量埋蔵の兆候があることが解り、そこに銀河同盟は艦隊を派遣し、惑星の文明を無視した開発を行おうとし、そこで原住民との間に紛争が勃発する事になる。後に言うシェフィールド紛争と呼ばれるこの戦いが、銀河同盟と惑星連合の戦いの地になる事になる。



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