プロローグ
目が覚めたらそこは森の中でした。
なに言ってんだ?と思うかもしれないが、そうとしか言いようがないんだからしょうがない。
俺の名前は、三沢祐司 18歳 高校生 なのだがなぜか今はうっそうと生い茂る森の中にいます。
どうゆうことだ、自分自身に問いかけるがまったくわからない。確か俺は、小腹が減ったので近くのコンビニで弁当を買って、家へ
と帰る途中だったはずなのだが、そこから先の記憶が一切ない。仕方ないので憶測を立ててみよう。
憶測1 実はこれは夢で自分はベットの中で睡眠中。
憶測2 実は俺は、夢遊病で眠っている間に森まで来てしまった。
憶測3 某国の陰謀で拉致された。
憶測4 身代金を目的とした誘拐。
まず1番だが夢かどうかを調べる古典的な方法、ほっぺた叩くを実行、パシーン、かなり痛かったうえに頬に立派な赤いもみじが出
来た。
憶測2だがこれについても可能性は低いだろう、もし夢遊病だったら今までに何かしらの被害にあってただろうし、第一夢遊病は、
寝ているときに起きるものだ。俺はコンビニ帰りに道路で寝るような趣味はないし、寝た覚えもない。
憶測3と4だが、この2つは同じ理由で却下だな、拉致ないし誘拐だったら逃げられないように紐で縛ったりしておくものだし、見
張りなどをする人間もいない。よってこの憶測も却下。
色々な憶測が頭をよぎるが、どれもこの状況を変えられそうにないのでいったん考えるのを中止して現状把握に乗り出すことにす
る。
まずあたりを見渡すことからはじめる、だが俺の視界に入ってくるのは、樹と草と地面だけな上にこれ本当に植物かと思えるような
紫色をした草や、触れれば刺さること間違いなしのとげをこれでもかとゆうくらい生やした樹とか、まだら模様の動く植物など、ど
う考えても日本にはないだろうと思われる植物がかなりの数あり、それが俺の不安をさらにかきたてる。ここは本当に日本いや地球
なのだろうか?不安は増すばかりで、安心できることが何一つない。
しかも、俺は目線を下げ自身の着ている服装を見る、そこにあるのはコンビニに行くときに来ていた服装ではなく、貧相やぼろいと
言った表現がぴったりの服を着ていた。手で触れてみるとザラザラとした感触が手のひらを伝わる100円ショップでも売れること
はなさそうな服だな、ぶっちゃけ。
そして極めつけなのは気温だ、俺の記憶が確かなら今は8月の夏真っ盛りのはずだ。エアコンや扇風機なしでは眠れず、熱中症患者
を大量生産するほどの猛暑だったはず。なのにここはまったく汗をかかずどっちかというとかなりの快適空間だと言える。
森の中だからじゃないのか?と思うかもしれないが森の中だと気温や体感温度が下がるとしても、ここまで快適空間とゆうのはおか
しすぎる。
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜」
口から大きな溜息が出る、溜息をつくと幸せが逃げるというがそんなことを気にしている余裕はかけらもなかった。
現在地もわからず、方角もわからず、ここが国内か国外か、はたまたそれ以外かその全てがわからないこの状況では溜息も出ようと
ゆうものだ、ただこの状況でわかることが二つだけある、ひとつは俺は今遭難者だとゆうこと、そしてもうひとつは水も食料もない
危機的状況だとゆうことだろう。こんな状況では俺でなくとも溜息が出るだろう、むしろパニック陥っていないだけましだと思う
が、そんなの何の慰めにもならず状況は刻一刻と過ぎていく。
「このまま、ここにいてもしょうがないか。」
不安になる心を押し込め、行動することにする、今ここで突っ立っているだけでは状況が変わることもなく、食料や水が手に入るこ
ともない、ましてや救助が来るとゆうことはないだろう。ならば少しでも生き残る可能性が高いほうを選ぶしかない、俺もこの若さ
で死にたくはない。勇気を奮い立たせ俺はこの森の探索へと乗り出すのだった。
9割の不安と1割の希望を胸に抱き。
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜」
でもやっぱり溜息が出てしまう、仕方ないじゃん人間なんだから。
そして三沢祐司の姿は深い森の仲へと消えていった。




