第66話 黄金台高校VS湯ノ澤銀山高校
夏休みを終え、いよいよ黄金台高校サッカー部、初の公式戦――新人戦が幕を開ける。
初戦の相手は、インターハイ秋田県予選ベスト8、大会最少失点を誇る“堅守速攻”の湯ノ澤銀山高校。
試合前のグラウンド練習。
レオ(葵玲央)はふと込み上げる想いを抑えきれず、口を開いた。
「たった半年で、公式戦に出られるなんて思わなかった。みんな、ありがとな。」
一瞬の間の後――
「おいおい、なんだよ最終回みたいな言い方すんな!」
「まだ何も始まってないだろ!」
「“俺たちの闘いはこれからだ”…ってか?」
「だからそれが最終回っぽいんだよ!」
仲間たちのツッコミに、緊張していた空気が少し和らぐ。
その後、ミーティングで紫乃監督が作戦を指示し、マネージャー兼戦術補佐のバキ(木庭香織)がデータを提示する。
「湯ノ澤銀山は、ほとんどの試合で前半無失点、後半に1点か2点取って逃げ切ります。だから大事なのは先制点。どんな形でもいい、常に得点を狙い続けてください。」
それを受け、キャプテンのムウ(有屋夢生)が口を開く。
「俺たちにとって初の公式戦。練習してきたことを全部出すだけだ。大丈夫、きっと勝てる。」
内心は緊張していたが、バル(田浦昴)がムウの肩を叩いた。
「ムウが“大丈夫”って言うなら大丈夫だ。俺はゴールを守り抜く。」
普段は寡黙な守護神の一言に、全員の心が一つになる。
――そして、両校整列。
黄金台の不動の9人。
対する湯ノ澤銀山は、5バックを中心とした鉄壁の布陣。
試合前の独特の緊張感がスタジアムを包む。
そして…
試合開始を告げるホイッスルが響いた。
-ピィィッッッッ!!-
いよいよキックオフ!!
前後半35分のゲーム。
前半は黄金台のボールで始まる。
トップ下のミッツ(赤江光陽)へ。そこからパスを回しながら相手の陣形を探る。
やはり湯ノ澤は守備重視。前半は動かず、鉄壁を敷いてきた。
紫乃監督の作戦が脳裏に蘇る。
(前半は崩しにかからない。まずは個人技で揺さぶる。赤江くん、そして――神田くん。)
ミッツが選んだパスの先――それは、試合前に湯ノ澤の挑発に食ってかかろうとした男。
テル(神田照真)。
(ヘッ、初めてだな…試合に入る前からこんなワクワクすんのは。
いくぜ、湯ノ澤銀山。俺のフットサル仕込みのドリブル、見せてやる!)
ボールを足元に収めた瞬間、テルの目が鋭く光る。
次の瞬間、トリッキーなフットサルドリブルが炸裂する――!
湯ノ澤銀山高校の鉄壁ディフェンスを、テルのトリッキーなドリブルは切り裂けるのか!?




