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第63話 試合終了。そして…

 黄金台高校と銅島中学校の練習試合が終了。

スコアは 2-3――惜しくも敗れた黄金台高校と、辛くも逃げ切った銅島中学校。

互いの選手がピッチ中央で列をなし、自然と握手を交わしていた。


黄金台高校9人――レオ(葵玲央)、ミッツ(赤江光陽)、バル(田浦昴)、ムウ(有屋夢生)、ショウ(氷見翔弥)、ザック(早乙女咲哉)、カズ(柳沼主良)、テル(神田照真)、ズミ(魚住大輔)。


そして銅島中学校11人――辰野竜介、北島雪弥、安田和輝、星川天馬、角崎武、安田瞬二、大熊元基、那須智、獅戸半蔵、蛇塚市悟、安部貴樹。


「ナイスゲームだった」「お前ら強かったぞ」

互いに声を掛け合い、肩を叩き合う。

ベンチから見届けていたマネージャー兼戦術補佐・木庭香織には、その姿が眩しく映った。

いや、それは監督の有屋紫乃や、銅島中監督の徳丸巧の目にも同じように映っていた。

黄金台サッカー部結成から4ヶ月余り、まだまだ荒削りでも、“試合”が出来るまでに成長した9人。

銅島中サッカー部も、最後まで真剣勝負、真っ向勝負にこだわり、サッカー本来の魅力を表現していた。


 そして、それは、互いの健闘を称え、選手たちがベンチへ戻ろうとした時だった。

「ナイスゲームだったよ。黄金台のみんな。」

その声に振り返ると、そこに立っていたのは―― 奥山康蔵(おくやま・こうぞう)

ハーフタイムでも声を掛けてくれた日本サッカーのレジェンド。

だが、その奥山の背後から、もう一人の人物が姿を現した瞬間――。

黄金台のメンバーだけでなく、監督の有屋紫乃も、銅島中監督の徳丸巧も、銅島中の選手たちも――全員が息を呑む。


釜台邦芳(かまだい・くによし)

全日本サッカー協会会長。

日本代表として歴代最多の75得点を記録し、引退から40年以上経った今なお破られていない伝説的ゴールゲッター。

その名は、日本サッカーの歴史そのものだった。


「う、嘘だろ……」

「な、なんでこんなところに……」

誰もが目を疑い、身動きが取れない。

奥山以上の存在感とオーラ。

全身から放たれる圧倒的なFW然とした雰囲気。

釜台邦芳は、ゆっくりと黄金台高校の元へと歩み寄る。

そして――選手たちの前に立ち、口を開こうとしていた。



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