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第57話 銅島中の反撃


先制点を奪われた銅島中学校。だが、その表情に焦りはなかった。


むしろ、かつて7人で対戦したあの黄金台高校が、ここまで成長していることに――心が震えていた。


「……来たな。」


そう呟いたのはキャプテン・辰野竜介。


自分たちが想像していた以上の進化を見せた黄金台高校に、敵ながら賞賛の気持ちすら湧いていた。


だが、ここで負けるわけにはいかない。


リスタートの前、銅島中の選手たちは自然と集まって円陣を組む。


「みんな、相手は数ヶ月前の相手じゃない。今や強敵だ。でも――人数はこっちが2人多い。必ずどこかにギャップが出るはずだ。もっとボールを動かしていこう‼」


辰野の力強い声に、皆の眼が再び鋭く光を宿す。


試合再開。


ボールはエースFW・安田和輝から、キャプテン・辰野竜介へ。そして辰野はあえてボールをディフェンスラインまで戻す。


センターバックの大熊元基が、さらにボールを自陣深くへと戻し、最終ラインの最後――GK・安田瞬二へと繋ぐ。


観客や黄金台の選手たちは一瞬戸惑いを見せる。深追いせず、様子を見る。


(……ん?)


黄金台のマネージャー兼戦術補佐・木庭香織が、戦況に違和感を覚えた。


「これは……まさか、ポゼッションで崩すつもり……?」


その予感は的中していた。


GK安田瞬二が右サイドへ。サイドバックの蛇塚市悟へと正確なフィードを送る。


黄金台の前線がプレスに出るも、蛇塚は落ち着いて大きなサイドチェンジを左サイドへ。


そこにいたのは、1年生にしてレギュラーを勝ち取った安部貴樹。


安部はドリブルの構えから、そのまま味方へ鋭いパス。黄金台の守備が間に合わず、ポジションがズレ始める。


パスを受けた那須智は、さらに左から右へと再び大きくサイドチェンジ。


ボールは北島雪弥へ。


「来た…!」


北島は黄金台のディフェンスが整う前に、迷わずアーリークロスを上げる!


浮き球は黄金台DFラインの裏へとスルリと入り込み、そこへ誰よりも早く反応したのは――センターフォワード、安田和輝!


DFの氷見と早乙女が懸命に戻るが、わずかに遅れた。


――しかし、和輝はヘディングにいかない。


「ポストだ!」


絶妙なタイミングで足元に落とす。ゴール前、混戦の中に飛び込んできたのは――


左サイドの角崎武!


全力のスプリントで中央へ飛び込み、ダイビングヘッド!!


「うおっ……!」


黄金台GK田浦昴が、ギリギリで反応。指先がわずかにボールに触れた。


ボールはポストを叩き、跳ね返る。


しかし――


そのルーズボールに、誰よりも早く反応したのは銅島中・右FW、星川天真!


俊敏なステップで飛び込むと、間髪入れずに――


ダイレクトボレー!!!


まるで黄金台FW・柳沼主良の得意技をなぞるかのような、鮮やかな一撃がゴールネットを揺らした。


ゴール!!!


1-1!


銅島中学校、見事な連携と連続したパスワークで、試合を振り出しに戻す!


ピッチ上に歓喜が広がる。


そして、再び静かな闘志を燃やす両校の選手たち。


残り時間は後半20分――。


熱い熱い練習試合は、いよいよ終盤戦へ突入する。


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