第54話 黄金台高校(9人)VS銅島中学校(11人)再戦‼
陽光が射す午後のグラウンド。夏の気配が漂いはじめた風に、白いユニフォームの裾が揺れる。
黄金台高校 VS 銅島中学校 ― 再戦の練習試合が、いよいよキックオフを迎えた。
黄金台高校は、新たに編み出した3-4-1フォーメーションで臨む。
ゴールキーパーには守護神・バル(田浦昴)。
最終ラインは3バックで構成され、右にザック(早乙女咲哉)、中央にショウ(氷見翔弥)、左にムウ(有屋夢生)が並ぶ。
中盤はダイヤモンド型で、アンカーにレオ(葵玲央)、右にテル(神田照真)、左にズミ(魚住大輔)、トップ下には司令塔・**ミッツ(赤江光陽)が構える。
そして、最前線に一人、点取り屋カズ(柳沼主良)**が鋭い眼差しで立っていた。
対する銅島中学校は、11人のベストメンバーを揃えた4-3-3フォーメーション。
GKにはセービングとフィードに定評のある安田瞬二(2年)。
ディフェンスラインは右から蛇塚市悟(2年)、大熊元基(3年)、獅戸半蔵(3年)、安部貴樹(1年)と、屈強な布陣。
中盤には、機動力に富む那須智(2年)、中核を担うキャプテン辰野竜介(3年)、展開力のある北島雪弥(3年)が並び、
前線には突破力のある角崎武(2年)、決定力を誇るエース安田和輝(3年)、そしてドリブルの魔術師**星川天真(2年)**という攻撃陣が揃った。
〈前半キックオフ〉
主審の笛が鳴り響くと同時に、両チームが一斉に動き出す。
いきなり火花を散らすような激しい攻防。
開始2分。
黄金台のテル(神田照真)が右サイドを駆け上がり、低いクロスを中へ。だが、銅島中の獅戸半蔵が体を張ってブロック。こぼれ球をミッツ(赤江光陽)が狙うが、ミドルシュートはGK安田瞬二の正面。
直後の5分。
今度は銅島中の反撃。左サイドの星川天真がテクニカルなフェイントでザック(早乙女咲哉)をかわし、カットインからのシュート!
しかし、黄金台のGKバル(田浦昴)が横っ飛びで指先に弾き出す。会場からどよめきが上がる。
7分、黄金台のカズ(柳沼主良)が中央でパスを受け、反転シュート。これは惜しくも枠の右へ。
10分。銅島中のキャプテン・辰野竜介が中央突破を仕掛ける。黄金台のレオ(葵玲央)とぶつかり合いながらも粘るが、レオが見事にカットし、すぐさまカウンターを開始。左サイドをズミ(魚住大輔)が駆け上がり、クロスボール。しかし獅戸が再び読み切って跳ね返す。
お互い譲らぬ展開に、ベンチからも声が飛び交う。
だが、いずれのゴールもまだ破れない。
前回の対戦から数ヶ月。
銅島中の選手たちは、目の前の黄金台のプレーに驚きを隠せなかった。
「嘘だろ……別のチームみたいだ」
「前より明らかに速いし、連携が取れてる……!」
一方の黄金台の選手たちも、感じていた。
「連携、自然になってるな」
「前みたいなバラバラ感、もうないぞ」
「――あの“特訓”は、無駄じゃなかったってことか」
どちらのチームも、確実に“変わって”いた。
試合は、まだ動かない。
だが、その緊張感とぶつかり合いの密度は、すでに公式戦さながら。
再戦の火蓋は、いま確かに切って落とされた。




