第43話 大館冥桜学園VS西目総合高校 前半戦
試合会場の空気は、先ほどの興奮冷めやらぬまま、第2試合のキックオフを待っていた。大館冥桜学園と西目総合。両校がフィールドに現れ、ウォーミングアップを始める。
大館冥桜学園先発主要メンバー、FW背番号9 相羽猛 ――“パーフェクトストライカー”の異名を持つ2年生。
MF 背番号10 苅田雄希 ――2年生ゲームメーカー。ドリブルテクニックとスピード、パス精度は相羽を凌ぐ。
GK 背番号1 栗尾貴史 ――2年生GK。実は本職ボランチ。状況判断と統率力は一級品。 ゲーム展開によっては、試合途中からボランチのポジションに就く。
DFリーダー 背番号3 深井薫 ――3年生キャプテン。アンカー的存在で試合を引き締める。
MF 背番号6 笠根英 ――3年生。目立たないがゲームを安定させる縁の下の力持ち的存在。存在感の薄さが武器になり、インターセプトや相手からのボール奪取能力が高い。
FW 背番号7 蝶野美優次 ――1年生テクニシャン。相手の動きが止まってしまうかのようなドリブルテクニック、切り返しを得意とする、若き新鋭。
ほか、層の厚さは例年随一といえる。
一方の西目総合高校先発メンバー。 DF 背番号4 沼田冬師 ――3年生。西目の堅守を象徴する精神的支柱。
MF 背番号8 深沢巧 ――3年生。攻守に顔を出すボランチ。
MF 背番号10 今泉真 ――3年生。サイドアタックを仕掛ける活きのいいキープレイヤー。
FW 背番号11 井岡竜斗 ――3年生エースストライカー。思い切りのいいミドルとヘディングが武器。
GK 背番号1 山崎涼 ――2年生。反応は鋭いが経験不足を若さでカバー。
DF 背番号2 越前誠 ――3年生SB。攻撃参加も得意。
悲願の秋田制覇を狙う冥桜学園と、復活著しい西目総合高校。 ここを突破してこそ、本当の県トップへの扉が開かれる。
キックオフ~前半30分。
主審が笛を吹くと同時に、冥桜の相羽猛(9番)が底知れぬスピードで前線へ飛び出す。 西目は沼田冬師(4番)を中心にブロックを作り、徹底的に相羽をマーク。だが、 相羽はボールを受ければ一度止め、2歩3歩で重心を移しながら勇気を持って相手を振り切る。 苅田雄希(10番)がサポートランでスペースを突き、相羽へのパスコースを確保。 栗尾貴史(1番)はGKながら安定の飛び出しとビルドアップで、ピンチを押し返す。という「冥桜3巨頭」の連携に、西目は終始後手を踏む。 一方、西目も反撃を試みる。今泉真(10番)がドリブルで中盤を切り裂き、深沢巧(8番)が前線アタックに絡む。 そして35分、井岡竜斗(11番)が相手DFを背負いながら粘って倒され、得たFKを今泉が直接フリーキックでゴールを狙うが惜しくも弾かれる。続くCKでは越前誠(2番)のヘディングシュートが枠をわずかに外れ、0-0のまま終盤へ突入する。
アディショナルタイム~前半終了
その後も双方攻め手を欠かず、一時は相羽が単騎ドリブル突破を仕掛け、西目のゴールを脅かすが、沼田と山崎が身体を張って防ぐ。 西目はロングボール一辺倒に走らず、今泉→深沢→井岡と3人で細かく回してゴール前に迫るも、冥桜のカウンターに晒される。 主審が前半終了の笛を吹った瞬間、スコアは0-0。
冥桜学園がまだ本調子ではないのか、それとも西目総合が調子を上げているのか、どちらとも言えないが、後半は間違いなく試合が動くだろう。観客の多くはそう感じ取っていた。




