表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/59

第11話 サッカーVSフットサル!!

ボールが床を打つ音と、体育館の空調の風が、静かな緊張感を煽る。小型ゴールを使った即席のフットサルコート。観客はいない。だが、空気は確かに熱を帯びていた。


キックオフ。夢生がボールを押し出し、神田に預けた瞬間、試合が始まった。


「行くぜ、1年坊主ども!」


神田は爆発的なスピードで玲央の前を抜き去る。だが、玲央もただ見ているだけではない。懸命に体をぶつけに行く。


「っとと……やるじゃねえか」


「こっちだって、遊びじゃないんで!」


玲央が体勢を崩させた一瞬、ボールがこぼれる。そのボールを昴が回収し、右サイドをドリブルで上がる!


「昴、中央!」


光陽が声を上げるが、昴は敢えてカットイン。魚住が素早く反応し、前に出る。


「冷静だな……でも!」


昴のシュートフェイントに魚住が一瞬バランスを崩す——その隙に鋭いパス!走り込んでいた光陽がダイレクトで合わせて——ゴール!


「っしゃああっ!」


開始早々、玲央たちが先制する。


「なかなかやるじゃねえか……こっからだ」


神田が不敵に笑いながら、すぐにボールをセンターに戻す。


ここから試合は一進一退。


夢生は、決して目立ったプレーはしない。だが、コート全体をよく見て、空いたスペースに素早くポジションを取り、冷静にパスを通す。まるで司令塔のようなその動きに、玲央は驚きを隠せなかった。


「夢生……こんな動き、どこで……」


「見てたんだ。ずっと、母さんの……昔の試合、雑誌、ネットの記事。頭の中でシミュレーションしてたんだよ」


夢生のパスが神田へ。そして、神田のシュート体勢——がら空きのゴール右隅に、迷いのない一撃!


1対1。試合は振り出しに戻った。


「へへ……そろそろ本気出してくるぞ?」


その神田の声に、玲央たち3人も自然と肩を並べてポジションに戻る。


「面白くなってきたな、玲央」


「負ける気はないけどな、光陽」


「あと一本、前半で決めよう」


再びボールが動き出す。玲央たちのパスワークが冴える。光陽が囮になり、昴が抜け出す。その先に玲央のスルーパスが通る!


「いけ、昴っ!」


昴が放ったミドルレンジのシュート——だが、わずかにポストをかすめてアウト。


そのまま前半終了の合図が鳴る。


スコアは1対1。同点のまま、勝負は後半へ——。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ