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現実逃避は何も生み出さないどころか罪悪だ

7割ほど書きあがってたのがPCフリーズしてパー

根性で書き直し・・・

 さて、アンスバッハ包囲陣に上空から降り立った。これはわざとだ。包囲軍の中には降伏した諸侯や調略で寝返ったものも含まれている。竜を従えているところを見せるのは示威効果としてはかなり大きいだろう。俺も頭脳労働はできるのである。とりあえず降伏してきた連中から選んで使者を送ることにした。まあ、当然だがその場では決まらず、交渉のための使者が送られてくる。


「お初にお目にかかります、エレス陛下。ご機嫌麗しゅ・」

「前置きはいい、用件を聞こう」

「(これだから成り上がり者は・・・)

 講和の条件についてお話を」

「成り上がりもので悪かったな。講和とな?一応話を聞いてやる」

敢えて高圧的に話すと焦りを隠そうともせずに使者がまくし立ててきた。

「いえあのその・・・我が国はフリード王国を正式に承認し、その衛星国家となります」

「ほう」

「そのほか、王家の姫を輿入れさせ、税も納めます」

「ふむ」

「それでですな、なるべく早く軍を退却させていただきたい。国境は今まで通りで。そして謀反人共の引き渡しを要求いたしますぞ」

「そうか」

「・・・まじめに聞く気がありますのか!?」

「ふむ、申し出についてだが」

「はっ、かなりの好条件だと思いますぞ」

「そうだな・・・だが断る」

「祝着に・・・ってえ??」

「聞こえなかったか?断ると言った」

「ななななんだと?この田舎の蛮族上がりがつけあがりおって!」

「現実を見ることができぬとは不幸だな。使者に行ったものがどのように申したかはまあ予想がつくが。おおかた時間を稼いで内部から反乱を起こす。その時に城内から打って出れば勝利間違いなし。そんなところか」

「なななななな」

「故に俺を挑発した。つまるところ力攻めで戦力を消耗させようとしたか」

「へ?」

「あれ?」

 あれおかしいな・・・なんか話が噛み合わん。


「貴様らごときが城を落とせるわけがなかろうが」

「そうか、ところでセヴァストポリが落ちた理由を聞きたくないか?」

「ふ、そうやって流言でわしを惑わそうなど100年速いわ。あの要塞を落とせるわけがないだろう」

うっわ・・・だめだこいつ。確信した、ただのアホでいっそ殺されて首で帰ってきても問題ないってやつだ。

「ふむ、なれば交渉は決裂だな。ああ、そうそう、降伏したいならば自ら出てくるように伝えよ。自らの命運を他人に任せ、自ら切り開けぬようなら国とともに滅ぼしてくれる」

 ちょっと殺気を込めて話したらなんかジジイの顔色が悪い。うん、空気よめないだけのアホか。

 なんか無言で礼すらなしで走りだした。まあ、無礼を咎める前に首が飛んでそうだな、物理的に。


 城門が開いて使者を回収する。まあ、そこを攻撃すると色いろと外聞良くないしとりあえず手を出さないようにした。つーかあれが基本的な思考回路だとすると、トップの王子含めて現実逃避の幸せ回路搭載ってことだな。めんどくせえ。


 それから3日ほど様子を見る。とりあえず内部から崩れる様子はなく、降伏した諸侯から聞き取りを行うと、伝統と歴史に裏付けられた貴族の軍は成り上がりの軍に負けるわけがないとまじめに信じ込んでいるらしい。市民も残っているので、下手な力攻めや兵糧攻めはできない。良くも悪くも意見が統一されてしまっているので内部分裂も望めない。あれ?これって意外と厄介じゃね?


「フェルナン卿、なんか良い知恵はないか?」

「ふむ、こうなってみると意外に厄介な状況でして」

「うむ、俺もそう思う。中途半端に兵力があるし、物資もきっちりあるらしい。兵糧攻めは非戦闘員がいるから却下だな」

「市民に被害が出るような攻撃はできないですな。いっそ体のいい人質になっております」

「これは参った」

「セヴァストポリで使った魔法は禁止ですぞ?」

「人をなんだと思ってる?あれ3人がかりで発動したんだ。俺一人では厳しい」

「逆に3人いたらできるのですか・・・」

「あー、威力絞って城門だけ突破するか?」

「そんな調整利くのですか??」

「さあ?」

「さあってまずいではないですか!?」

「うーん、最近部下に任せっきりだったからなあ」

「とりあえずひたすら力づくなのはなんとかしましょう」

「ええい、おぬしも俺を脳筋扱いするか」

「いやだってそういう策しか出てませんよね?」

「ぐぬぬ、否定出来ない」

「というか、ドラゴンのブレスで城壁を攻撃するのはいかがです?」

「・・・・・・・・それだ」

「あのー・・・」

「ちょっと城門ふっ飛ばしてくる」


 さて、結論から言うと、ブレス一発で事実上落城した。物見が竜に乗って王が現れたと報告してもsの物見を処刑するような連中である。自分の目で見た瞬間一気に腰砕けになった。伝統に裏付けされた実力とやらはついぞ見ることができなかった。

 首脳部のアースガード亡命を認め、希望する兵も連れていくことを許した。だがまあ、ほとんどの兵は亡命を拒否した。そうだよね、沈む船に乗り続けるのは自殺志願者くらいだろう。100ほどの人間が馬車を立てて北に逃れていった。

 結論、現実を見ましょう。問題から逃げると、より厄介になって再度現れる。それが人生ってもんだ。

シルフィードが急を告げてきた、魔力の柱から無数の魔物が生み出され、戦闘状態になっていると。俺はリリを駆って北へとんぼ返りした。


次回 なんか普通の攻城戦のはずがおかしいことになっている(仮


追記 幸せ回路 あらゆる現実を都合よく解釈して自分に都合良く見せる思考回路のこと

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