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人型の災厄と王の覚醒

後付け設定多すぎとかそろそろ怒られそうな気が・・・・・・・

周辺の雑魚は魔力の塔がなくなったことで再生しなくなった。リリのブレスで消し飛ばされ、シルフィードの風で吹き飛ばされ、シリウスの爪牙で切り裂かれた。少なくとも邪魔が入ることはなさそうだ。真っ黒なヒトガタとしか表現しようがなくなったバカ王子だったモノを見据え油断なく剣を構える。

 しかしあれだ、魔力のベクトルを反転させると魔剣が聖剣に変わるとか何なんだ?と思ったが、便利なので気にしないようにしている。此方に向けた指先から魔力の矢が放たれる。魔力を壁のように押し出し弾き飛ばす。一気に間合いを詰め斬りつけるが、手の爪が伸びて受け止める。膨大な魔力でコーティングされたことで聖剣を受け止めるとかどんだけだ?いちいちめげている暇はないので身体強化を使って速度を引き上げ複数の斬撃を叩き込む。力も上がっているので多少硬くなっていても切れるはずなんだが、鉄の塊でも叩いたような手応えだった。ふと思いついて剣先に魔力を集中させる。ほぼ棒立ちのままだったが、何かの危機を感じたか身をよじって直撃を避けた。突き出した剣先は奴の防御を貫き、頬を切り裂いていた。

 相手の防御を貫く方法を確認できたことで一度距離を取る。少し距離をおいて魔法弾の撃ち合いになるが問題なく対処できた。なんだこれ、いろいろと自分のスペックが底上げされている。


【リリ、なんか変だ】

【我なにもしてないですよ?】

【なんかいろいろ能力が底上げされてるっぽいんだが】

【ああ、血の盟約で我達の力が増幅されて主殿の力になってますね】

【お前今なんもしてないって言ったよな?】

【そそそそれは言葉の綾ってやつでして?】

【ほう、それで?】

【まあ、今戦えてるんだし、いいじゃないですか・・・てへ?】

【後でお仕置きだ】

【なんでえええええええええええ】


次いでシリウスが念話を飛ばしてくる。

【主殿、光と闇の魔力を同時に使ってるようだが?】

【ん?そうらしいな】

【クローヴィス殿も同じことをしていたらしいが、どうもお互いが対消滅しなかった場合、純粋な色のない純魔力になるらしい】

【ほえ?シリウスよ、それってどういうこと?】

【要するに、魔力が融合して元の力の何十倍にもなるってこと・・・らしいぞ?】

【なんだそりゃ?!】

【わたしも先代から知識を受け継ぎつつあるだけなのでようわからん】

【どゆこった?】

【どうも3つの血の盟約がトリガーになっているようで、急激に知識と力が流れ込んできた】

【あー、ところで、今の俺の力って・・・】

【うむ、キマイラをまっぷたつにできるあたり、軽く人外だな】

【ちょっと待てえええええええええ!!?】

【念話で絶叫とか器用だな】

【つっこむのそこ?!】


 会話の最中にも魔力弾の打ち合いと防御は間断なく行われている。お互いの攻撃と防御が拮抗しており決定打を欠く状況だった。しかしながら、相手は無尽とも言える魔力を溜め込んでいる。このままジリ貧かと思われたとき、膨れ上がった魔力がヒトガタを包んだ。

 甲高い音が聞こえてくる。シルフィードが作ったすさまじい密度の竜巻が覆っていた。風の結界である。そして後ろからミリアムが聞き慣れない呪を唱える。

【告げる 八百萬の神達共に聞食せと恐み恐み申す 諸々の禍事 罪 穢有らむをば 祓へ給ひ 清め給へと白す事を!】

 手に持った白い塊を投げつける。ツヤの使ってた東方魔術か!浄化に特化した言霊に乗せ、黒い魔力を吹き散らしてゆく。もともとはシレジエンの戦いで死んでいった兵や亜人の無念や憎悪を取り込んで膨れ上がったのだから、その黒い感情ごと浄化すれば力を失う道理だ。

 後で聞いたが、ツヤから教わった祝詞を教わり。より浄化の力が強いとされる純度の高い塩はリズがファフニル中から集めさせたものという。元グリモアに支配されてたから、浄化の力を必要と考えたのだという。そしてイリスとエリカの浄化魔法重ね掛けで聖別されており、ちょっとした魔物なら近づくだけで消滅するものになっていたとか・・

 俺、愛されてるなあ。


「エレス、あの竜巻が収まったら一気に決める!」

「わかった。んで帰るぞ。フリードに!」

「ふふ、もう少しエレスを独り占めしたかったけど。抜け駆けはあとが怖い」

「らしくないな。前みたいにグイグイ来ないのか?」

「わたし一人だったら、あの術は使えなかったから」

「東方魔術まで覚えたのかと驚いたぞ?」

「もともと、ノブナガの兄上の家系は東方の神職。家系に伝わる門外不出の術だって」

「そんなのをよく教えてくれたな」

「同じ人に嫁いだ、いわば姉妹だからって。家族だって言ってくれた」

「そうか、そうだな。さっくり倒して帰ろう。俺達の家にな」

「うん、だから全力で行く」

「え?ちょ、おま!?」


【時を封ぜし器 凍土の棺 古の盟約によりその縛めを解き放たん

 我が招きに従い来たれ氷河の王 冬嵐の姫 新たなる契りによりて絶対なる刃を賜らん

 テスタメント・ストーム】


 黒きヒトガタは全身真っ白に凍りついた。ついでに氷の棺が全身を覆い尽くす。身動きが取れなくなっているが、魔力を集中して氷を砕こうとしている。


【シルフィード、力を貸せ!】

【存分に、我が主よ】


【わが呼び声に応えよ風の王 我かざすは無影の刃 打ち振るいしは風の聖剣 エクスカリバー!】

 呼びかける相手が変わった事で呪文をアレンジする。魔力を集中させた剣先を振るって風の刃を飛ばす。そして自らも飛び上がり、大上段からの唐竹割りを叩き込んだ。ヒトガタの胸の上あたりに真横の線が、そして頭から真下に縦の線が走る。線から光が漏れ出し、断末魔一つ残さず消し飛んだ。

 かなり浄化されたにも関わらず、それでも膨大な魔力が霧散してゆく。ミリアムが祝詞を唱え、少しでも最後のグリモアに流れ込む魔力を減らそうとするが、霧散する魔力には効果は薄いようだ。

 やれやれとばかりにこちらを向いて苦笑を漏らすミリアムを見て、なんとか虎口をしのいだ実感が湧いてきて、俺もため息を漏らすのだった。

シレジエンに取って返して戦後処理を行う。そこに教皇領からアルブレヒト枢機卿がやってきた。教皇の持つ予言書から戦いの帰趨のヒントになりそうな情報があるとのことだ。決戦に向け準備を整えてゆく。


次回 予言

そろそろ風呂敷を広げすぎて作者が冷や汗で溺れそうだ。

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