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閑話 学校編~矢に魔力を込めて放ってはいけません~

しばらく学園編です

 幸いにして、俺にお咎めはなかった。むしろ当人が親父にガチ説教を食らったようで、逆恨みの目を向けてくる。実にうっとおしい。

武術主席、魔法三席、学問平均点。これが俺の入学試験結果だった。ミリアムは武術次席、魔法で主席、学問は次席とこれも優秀な成績である。魔法の次席と学問の主席は同一人物らしいが、俺のその時点で興味がなく、スルーしていた。

将来の士官を育成するコース、兵としての個人戦闘力を鍛えるコース、魔法使いコース、学問で内政官や軍官僚を育成するコースと、いろいろと選択肢があったことは驚きだった。まあ、騎士爵の場合、小さいながらに領主となるのだ。計算とか書物ができなければどうしようもないし、平民でそういったことに秀でた者の登用コースにもなっている。なかなかにうまい仕組みだと思ったが、どうも貴族の利害が複雑に絡みついており、平民の優秀者はスポイルされているのが現実だと、イリスと名乗った少女が教えてくれた。

このイリスだが、裕福な商家の出身で学問ができたので官僚コースに進む予定だそうだ。ただ、武術などの実技も必要なため、得意な人間を探していたらしい。もちろん複数のコースを履修することもできるが、大抵はメインのコースと、それを補うコースを学ぶのが普通とのことである。指揮官と個人武術コースのような取り合わせが一般的だった。


カイル:武術メイン、サブで指揮官と学問を選択

ミリアム:武術、魔法コース

ナガマサ:指揮官メイン 武術サブ

トモノリ:武術メイン、魔法サブ

イリス:学問メイン、魔法サブ

学内では俺たちはこの6人でつるむことが多くなっていくのである。

ロビンについては王都と村を往復してくれていた。立場上はカイルの家の家臣になっているそうだ。

学校への入学は本人が必要ないと言ったので、こういう立場になっている。

あ、そうそう、俺は指揮官コースと学問コースを選択した。

自分より強い相手と戦わなければ武術は伸びるとは思えない。個人鍛錬のほうがマシだ。

ならば、自分がやったことのない分野を学んでみようと思ったのだ。村に戻ったときカイルのおやっさんの手伝いができたら、少しは恩を返せるだろう。


一般講義の魔法実習にて。

「エレスは放出系の魔法が本気で苦手だね」

「うーむ、弓矢を使えばそこまで問題はないのだが・・」

「あんたの矢の精度は異常よ」

「そうか?ミリィとか普通に飛んでる鳥とか撃ちぬくが?」

「ふつーやらないわよ?」

「・・・そうなのか」

「うん、そういえばだけどエレス、あなたエンチャント系は得意よね」

「そうだな。魔法の中ではうまくできる方だ」

「飛ばす矢にエンチャントしてみたら?」

「ほう、面白そうだ。試してみよう」


矢をつがえ弓を引き絞る。指先から火の魔力を矢に伝えてゆく。【エンチャント・ファイア】

狙いすまして放った矢は的を消し飛ばし、後ろの土のうを吹き飛ばした。すさまじい爆発音に教官がすっ飛んでくる。

「エレス候補生、状況を説明せよ!」

「はい、返答します。弓矢にエンチャントして飛ばす実験をしたら予想以上の威力が出てしまいました!」

「・・・・まて、普通エンチャントってのは体から離れたら切れるもんだぞ?」

「そうなのですか?」

「どのようにやったか説明せよ」

「はい、指先に魔力を集中し、ぐわっと矢尻に流し込み、命中する瞬間にズバッと魔力を開放しました!」

「わからん・・・なにをどうやったのだ?」

「いやだからぐわっと流しこむんですよ」

「今魔法士の教官を呼びにやっている。少し待て」

「はっ、エレス候補生はこの場に待機します!」

数分後、やってきた教官はエレスの話を聞いて口をあんぐりと開けていた。そんな話は聞いたことがない。ピンポイントで命中の瞬間に魔力を爆発させるとか人間業ではないという結論だった。そういえば、投げナイフとか石つぶてでも同じことができるようだ。とりあえず仲間内でその話をしたら全力で口止めされた。

そしてなんかやたらイリスさんの目つきがやばいです。将来キャラバンの護衛とかに引き抜こうとでもしてるのだろうか?

教官も試みたが、空中で矢が燃え尽きたあと、次の試行では手元で暴発させる結果となり、エレスの名はなんかいらん方向で有名になっていくのであった。常識はずれの代名詞として。


今季の候補生の中で1,2を争う美少女二人といつもつるんでいるのである。まあ、少女二人から見れば体のいい虫よけで、そもそも武術部門主席のエレスに挑みかかるような勇者は最初の3人くらいしかいなかったのである。その3人もこてんぱんにされたのは言うまでもない。


そして、1ヶ月後、全候補生による武術トーナメントが開催されると発表があった。優勝者は校長直々に稽古をつけてくれるとのことで、バルデン伯の武名を知るもの(脳筋)は狂喜して鍛錬に励んだ。なんかやたら模擬戦を挑まれることになったエレスのボヤキも最高潮だった。

なんでこうなった!?と。

武術トーナメントで、何故か成績優秀者を軒並みなぎ倒さなければ決勝まで行けない地獄のブロックに放り込まれた。なんか校長とその息子がニヤニヤしているのは気のせいだろうか?

とりあえず売られた喧嘩は買う方向で行こうとおもいます


次回 激動のトーナメント

1話で終わるかな-・・・?

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