閑話~騎士学校入学~
学校編スタート
3~4話で終わる・・・はず?
トゥールーズの村を出て10日。俺たちは王都に着いた。門番に村長からの紹介状を見せ、王都の門をくぐる。騎士学校は第二層の城壁内にあった。受付に紹介状を提出し、冒険者ギルドのタグを見せると、なんかやたら驚かれた。何なんだろう?
一応試験があるらしい。3日後にまとめて行われるとのことだ。それまでは宿を取れと言われたので、第一層の真ん中辺りのランクの宿をとることにした。幸いギルドで稼いでいたのでその程度の資金はある。
固定休と退役後の年金をゲットするため俺は全力をつくすつもりだ。そう決意表明すると何故か皆呆れたような表情と乾いた笑いを浮かべるのだった。
「騎士学校の入学試験をこれより始める。わしはバルデン伯オーギュストと申す。このたび陛下より騎士学校の校長の任を仰せつかった。お主らは我が国の盾となり剣となる。武勲次第では貴族位も授かることがあるだろう。己が栄達のために励め、さすればそれは国の為となり、その力に相応しき地位をもたらすだろう。諸君らの切磋琢磨と奮闘を期待する。以上!」
なんかやたらいかついおっさんが偉そうに挨拶を終えた。まあ、騎士らしくというか、簡潔な挨拶であったのは評価できる。周りを見るとなんかやたらキラキラした鎧を身にまとっているのとか、今の演説に涙を浮かべている危ないやつとかがいる。大丈夫だろうか??まあ、そもそも試験に合格しなかったら始まらないわけだし、まずはそちらに集中することにした。
武技試験
俺は模擬戦用の木剣を構え、他の受験生と向かい合っていた。なんかこのボンボンはいきなりミリアムに絡んできたのである。
「おい、そこの女。この俺様のメイドにしてやる、光栄に思え」
「なに?頼むから人間の言葉を喋ってくれない?」
「聞こえなかったのか、この俺様の使用人にしてやるといったのだ」
「断る」
「そうか、ならば早くこの服に着替えるのだ」
「聞こえなかったの?断るといったのだけど」
「なんだと?」
「やっと理解したの?オークでももう少し話が通じるわ」
「なんだとおおおお!!」
「さあ、エレス。こいつは俺のだからお前みたいなへっぽこ野郎に渡せるわけがないだろうって言うのよ!」
「いうか!」
「ほう、この俺様に逆らうのだな?最初の試験は模擬戦だ。逃げるんじゃないぞ?」
「知るかボケ、ブヒブヒ言ってる暇があったら準備体操でもしやがれこのスットコドッコイ!」
「エレス、本音が出てる」
「あれ?」
なんか目の前のボンボンが赤黒い顔色でプルプル震えていた。
「大丈夫か?なんか・・・顔、赤いよ?」
「殺す・・・この俺様を侮辱した罪、地獄に落ちて贖え!」
「はっ、やれるもんならやってみやがれ!」
「エレス、私のために戦ってくれるのね?必ず勝ってね!」
カイルよ、いきなり頭抱えるなよ。て言うかあの手の手合は引いたら負けだぞ?
というやり取りがあった。なんかそれなりに腕に覚えがあるらしいが、まあ、問題ない。
開始の合図とともにいきなり上段に振りかぶって切り込んできた。そこそこの速さだ。辺境の兵は務まらんレベルだが。
さくっと振り下ろしをかわした。アホなことにそのまま地面を叩いて手をしびれさせている。握力ねえなあと思いながら木剣を弾き飛ばしてやった。すごくわかりやすい形で勝負をつけたのに負けた自覚がなかったらしい。組み打ちを挑んできたので軽く柄本で頭を揺らして意識を刈り取った。
一応これで負けたとしてもいきなり失格にならないらしい。まあ、負けるのは性に合わんしミリアムに絡んだ恨みもあって一方的に叩き伏せたのは、大人気なかったかな・・・?
弓術の試験は俺とミリムが同率で主席だったらしい。
魔法は俺は放出系が苦手なため、訓練用の剣にエンチャントしてカカシをばらばらにしておいた。ミリアムは上位魔法を放って魔都のカカシを消し飛ばしていた。試験官が唖然としていた。
筆記と計算はまあ、事もなく終わり、結果は明日ここで発表されることになった。
宿に戻り、しばしの休息を取り、一応合格している前提で話をした。
トモノリとナガマサは一度故郷というか、自分の氏族の本拠に帰るらしい。ロビンには王都の情報収集と貴族の友好関係などを調べてもらった。
ところで、さきほど叩きのめしたのがバルデン伯の長子、フィリップであったことを聞いて、俺の合格は危ぶまれるのだった。
どうしてこうなった?!
本編の進行が煮詰まってるからではありません(ぉ
ちょっとジュブナイル風味?




