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閑話 エレス王とノブナガ公

飯テロにあらず。

 今日も今日とて書類を決済する。今日は午後からヒノモト領の視察とノブナガ公との面会が入っている。日ノ本の一族は今回半独立の公国とした。そのままヒノモト公である。書類を手に取る。コメの流通量は増大の一途をたどっている。フリード近辺のみならず各諸侯の領内にも入り込み、主食であった小麦とも共存し、主食の選択肢となっているのだ。また、日ノ本の民の調理技術も高く、各国に分散していたため、料理のバリエーションがすごい。海に面した領内から魚介の加工食品を買い付け、スープとコメを合わせた料理や、小麦の加工品を使った料理など、国内の食文化を塗り変えている。良い方にだが。


「殿、姉上・・・じゃなツヤの方がお見えです」

「ん、公式の場でなければ姉呼ばわりで良いぞ。お前らが姉弟であることは事実だし」

「はっ、ですが公私のわきまえをつけるよう父より厳しく言われております」

「そうか、まあわかった。通してくれ」

「はっ!」

「貴方様、今日は兄との面会があるとか」

「うん、お前も行くか?」

「おお、妾が言う前に察してくださるとは」

「身支度は・・・できているようだな。んじゃ行くか」

「はい!」

「ノブタダ、共をせよ」

「はっ!」


 ツヤ自身も嗜みと称してはいるが、馬術と弓については並の兵以上の腕だった。ノブタダはまだ体が成長しきっていないが剣筋は光るものを持っている。護衛の兵を引き連れヒノモト領に入った。ただまあ、俺に危険が及ぶ時点で、普通の兵は時間稼ぎにもならないんだよなと身もふたもないことを考えつつ。


「おお、義弟どの。壮健にて何より」

「ノブナガ公もかわらぬ様子。安心しました」

「何やら相談があるとか?」

「うむ、まずはこれを召し上がっていただきたい」

「ふむ??」

 球体を半分に断ち割ったような形状の器に琥珀色のスープが満たされ白い紐状のものが泳いでいる。

2本の棒を渡された。ノブナガ公はその棒を器用に操り白い紐状の・・・うどんというらしい・・・をつまみ上げズルズルっと吸い込んだ。

同じようにして食べてみる。スープが絡みうどん自体の食感と風味が口の中を満たす・・・うまい!

「これはうまい!」

気づいたらスープまで飲み干していた。すかさずノブタダがおかわりを差し出してくる。

これも完食。やべえ、はまるわこれ。


「お気に召していただいたご様子。要するにですな、王都にこれを出す店を開きたいのです」

「なるほど、良いのではないか…とそこまで単純な話ではないのか」

「左様。もともと食堂などを生業としていた者を路頭に迷わす気はないのです」

「うむ、だがこれ大繁盛するぞ。間違いなく」

「これに合わせて副食になるものを用意してござる」

握り飯は良い。いいものだ。からあげや天ぷらという物は非常に良いものだ。

ノブナガ公がにやりと笑っている。

「この内容でこれくらいの価格を想定しております」

提示されたのは一般的な役人が昼飯代として使用できる金額だった。この味がこの価格で?革命が起きるな。

「うむ、それゆえに上手い手はないものかと思いましてな」

「もぐもぐ、これは確かにすごいことになる」

ミリアム、どっから湧いて行きた。

「ずるるるる、希望する料理人を集めて料理を教えたらどうかな?」

イリス、おまえも・・・

「そうですねえ、それだとヒノモトの皆さんが一方的な持ち出しになるので、例えば売上の一部をバックするのはどうですか?あちあちちっち、やけどしました-・・うう」

エリカ、唐揚げは一口で頬張るものじゃない。

「このスープ、教わったからって簡単に作れるものじゃないでしょ?スープ自体の素をヒノモトの専売にしたらどうかな?」

リズ、いいこと言ってるんだがほっぺたのごはん粒がいろいろ台無しだ。思わずご飯を取り、パクっと食べてしまった。リズの首から上が真っ赤になってるが気にしない。ノブナガ公がやたらニヤニヤしてるが気にしないったらしない。


「王の叡智の源泉はここにもござったか、ツヤよ、お前もうかうかできぬな」

「兄上、寵を競ってもいいことはありませんわ。妾はみなさまと姉妹のように過ごさせていただいております」

「そうか、お前が幸せならば良い。父にも面目が立つというものだ」

「はい、良縁を有りがとうございます、兄上」

 ツヤのほほ笑みは心からのように見えた。まあ、先ほどの嫁達の発言がそのまま基本骨子となり、ヒノモト食堂が開店した。幾つかの食堂の店主をそのまま雇入れ、大規模な店舗を作り、多くの雇用を生み出した。またヒノモト料理を学んだ料理人が各地に散って行き、ヒノモト領でしか買い付けられない食材もあったので、仕入れの商人の荷馬車が引きも切らない状態だった。

大儲けしたノブナガの高笑いがヒノモト領内に響き渡っていた。

中世レベルの料理に、江戸くらいの頃の日本料理をイメージするとすっごいチートな状態になるんじゃ?

作者のイメージのみで適当に書いております。

ノブナガがアコギなおっさんになってきた・・・・

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