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東方の動乱

最近会話文がなかったので、多めに

「イーストファリアから使者が来た。第二王子ステファンかららしい」

「やはり援軍の要請ですか」

「ふむ、内戦への介入を始まる前から当て込むとか・・・何を考えているのでしょうな?」

「勝った後で追いだそうとか考えてるに違いない」

「それってすごいお花畑よね-」

「信義なくして国は立ち行きませんわ」

フルボッコだなお前ら。

「先方の条件は、勝利後の最恵国待遇と戦費の負担。国境の都市の割譲らしい。具体的にどこと言ってないあたり怪しさ満載だな」

「とりあえず、ロビン殿が仕入れてきた情報によると、第三王子ヘンリーの方では、アースガードに使者を送ってるようです」

「ベルティエ、どう思う?」

「援軍同士を噛みあわせて漁夫の利を狙っているのでしょうな」

「底が浅いわね-」

「リズ、容赦ねえな」

「アホに合わせてたら国が滅びますわ」

「まあ、そのとおりだ」

「でしょ?ダーリンほめてほめて-」

「お前は・・・たまにやたら子供っぽくなるな・・」

「ツンケンするだけじゃなくて可愛いところも見せてギャップ萌え」

「よしわかった。後で話しあおうか」

「むー」

「イリスよ。お前も対抗せんでよろしい」

「はーい」

ほっぺ膨らますな、かわいいじゃないか。

「陛下、仲がよろしいのは結構ですが、そういうのは会議室でやらないでください」

「わかったシャイロック。とりあえず、先日視察に回っていた時に今まで見たことがない女性の秘書官がいたことは奥方に黙っておくから」

「なななななな!?」

「あー、別に監視してるわけじゃないが。たまたまだな」

「いやあ、主君の家庭が円満であることは喜ばしいですなあ!」

「・・・まあいい、話を戻そう」

「して、どの程度の軍を送りますか?」

「ベルティエ、具申を」

「はっ。現地では小競り合いが頻発しているようです。アルフェンス辺境伯を主将に、オルレアン伯の連合で派兵が望ましいかと。数は4000で」

「エヴルーのアストリアの手勢1000も加えよう。不正規戦になったときに彼の者の知識は役に立つ」

「確かに。マルク子爵の手勢1000をエヴルーに駐屯させましょう」

「現地に浸透させているロビンと連絡は取れているか」

「はっ、問題なく」

「情報一つが軍の安全に大きく関わる。決して油断の無いようにな」

「はっ!」

「さて、カイルのところに使者を送れ。ロンディニウムに駐屯、アースガード側からの侵攻に備えよと」

「カイル候なら安心できますわ」

「義兄上にも使者を。黒騎士団を率いてエヴルーに駐屯していただこうか」

「シャイロック。ベルティエ。お主ら二人の兵站に期待している。前線の兵が戦えるのは後方支援あってこそだ」

「「はっ!」」

「あー、シャイロック商会への発注をするなと言わんが、ある程度分散させるようにな」

「心得ております」


 会議が散会した後はいつもどおり書類の山に挑む。遠征が決まった時点で書類の山は増大の一途をたどっていた。まあ、書類増えるのやだから介入しないって選択肢は・・・やっぱないよなあ。言った瞬間クーデター起こされたりして・・・などと益体もないことを考えつつも手は正確にサインを記入していた。なんかもう条件反射レベルになってんな-。

「ただいま」

オルレアンに里帰りしていたミリアムが帰ってきた。リンとクロードが手を繋いでる。うむ、かわいい。

「親父さんは元気にしてたか?」

「うん、あれは殺しても死なない」

「あれ言ってやるなよ・・」

「じーじにこにこだったよー」

「おうまさんのったのー」

「そうかそうか。良かったなあ」

「パパ、デレデレになりすぎ」

「悪いか!?こんなに可愛いんだぞ!」

「・・・どっかのジジバカと同じ顔になってるよ?」

「・・・ぐぬぬ」

ニパッと笑う子供の顔を見てるとそりゃ顔面も崩壊するわ。悪いか!


 アルフェンス辺境伯が軍を率いて国境を超えた。国境の城塞都市シレジエンに入り、近隣の慰撫に努める。焼け出された難民を保護し、物資を供出して保護した。野戦築城の応用で、とりあえず柵と空堀のあるスペースを作り、そこにテントを立ててゆく。野盗化した住民も少なくない。安心して眠れる場所を得て食料も供給され、人心地ついた難民たちに、ウェストファリアへの移民受け入れを提示する。

王子もアホなのか何なのか、自分で養えない足手まといだと思っているのか、助かるとすら言ってきたようだ。やれやれ。

 以前焼き払われた入植村をある程度復興しておいたところに移し、功績を上げた戦士や騎士を騎士爵に登用して封じる。3年間は税を取らず、国からの支援も与える。文官も派遣する。

 これらの政策で国境地帯のイーストファリア側はほぼ無人の野になっていった。そういえば、内乱で殊勲を失った元騎士とかが士官してきたのはいい副産物だった。希望者から兵を募り後方支援と、街道の確保をする人手になってくれたのである。

 小規模な小競り合いはあったが会戦と呼べる規模の戦闘は発生しなかった。むしろ後方撹乱のために浸透してきた部隊の討伐が主な仕事になっていった。

 そして3ヶ月ほどが過ぎた頃、戦況が動いた。ただまあ、外国軍に戦功をとられることを危惧したのか、本陣の守りを依頼され、ラーハルト式築城術で、本陣を要塞化した。そしてまあ、これも予想通りだったが、アースガードの魔戦士隊を先鋒にして来た第三王子の軍に木っ端微塵に粉砕されてきやがった。要塞化した本陣になんとか回収できたので、旗頭が討ち死にという間抜けな事態は免れたが、手持ちの野戦兵力の7割を失うという大敗をしてくれた。

 俺は敗戦の報を聞くと、国境への出陣を命じた。フェルナン卿へシレジエンへの交代を命じ、本隊が来るまで持ちこたえるよう指示する。アストリアが殿軍を勤め、追撃を振りきってなんとか撤退に成功したようだ。そしてそのまま籠城した。バルデン黒騎士団を先鋒にして軍を進める。

出陣から10日後、シレジエンを包囲する敵軍と対峙していた。

どうやら会戦を挑んでくるつもりらしい。やれやれ、包囲を解いてくれたら楽だったんだけどなあ・・・


敵軍先鋒の魔戦士隊が突撃してきた。凹字に前列を展開し、集中砲火を浴びせるが、対軍結界魔法で防がれる。ジリジリと戦列を下げてゆくと敵軍は釣り出されるように前進してきた。そこに側面から東方武士団の集中砲火が炸裂する。

会戦の勝敗はどうなるのか?


次回 反撃の狼煙(仮

タイトルは気分で変わる可能性があります。

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