裏切りの魔女の真実
どっかで見たようなお話ですが、ひとまず伏線回収・・になるのか?
防御を撃ちぬいてでっかい魔力弾が飛んできたがなんとか防ぐことができた。イリスからもらったアミュレットがなかったら即死だったな。危ないところだった。再び弾幕のように飛んで来る魔力弾を魔法障壁で防ぐ。一応人並み以上の魔力を持っているが、グリモアから無尽蔵と思われる量の魔力を吸い上げ、景気良くぶっ放してくる。
どうする、自問自答に応えを返すものはなく、ジリ貧の戦況が俺の背中を冷たく濡らす。正直なところ、接近して斬りつけることはできなくはない。だが、この場所で俺が女王を害したとなれば、俺と手勢は生きて帰れまい。かと言って、俺が討たれても同じだ。
「さて、どうしたものかな?」
「ふ、そなたの末路はここで妾に討たれるのじゃ」
「まあ、これでも一国を背負ってるのでな。そうそう死んでやるわけにはいかんのだ」
「ふ、妾の半身を奪った罪。ここにて贖わせてくれる」
なんのことだ?ファフニルと交戦した時も、特に重要人物は戦死していない。女王の身内と呼べるような人物も参戦していない。思考を回しつつ、飛んで来る魔力弾を躱す。
実は放出系の魔法はあまり得意ではない。だから、魔力弾とかもあまり撃てない。魔力の通りを良くしているアゾット剣があるから、剣に結界魔法をまとわせ魔力弾を撃ち落とす。
業を煮やしたか、なんか巨大なファイアボールが女王の頭上に構築されている。って飛んできやがった。
しゃがんで姿勢を低くし、頭上から落ちてくる角度に合わせ結界の角度を変えて真後ろに受け流す。派手に爆発音が響き、結果に閉ざされた出入り口に両国の兵が集まっていた。
なんか声も聞こえていないようで、向こうからこっちが見えているかも疑問である。
「大丈夫か女王様。息切れし始めてるじゃないか」
「っく。減らず口を・・ぐううううううう、しまったああああ・・・」
「って本当に大丈夫なのか?」
油断せず、苦悶の声を上げる女王に近づく。
ってあれ?顔を上げた女王は、先ほどのような険のある目つきではなく、優しげな眼差しの少女だった。
何が起きたか流石に理解できず、リアクションに困っていると女王が口を開いた。
「エレス王、このグリモアに光の魔力で消滅させてください」
「どういうことだ?」
「建国王が封じた魔王のかけらの一つ、闇のグリモアの半分がこれ」
「そういうことか!」
「私はこのグリモアに操られている。なにも知らず、宝物庫の奥にあった本を手にとってしまった私の過ち。お願い、この本を消滅させて」
「分かった、なんとかやってみよう」
「おねがいしますわああああああああアアアアア!!!」
「っく、時間切れか」
「小娘め、わしを一時的にとはいえ抑えこむとは、建国王の血筋は伊達じゃない」
「まあ、とりあえず方針は決まったな。消えてもらう」
「やれるものならやってみるがいい!」
「言われずとも!」
飛んできた魔力弾の弾幕を4つのスローイングダガーをぶつけ、無理やり穴を作る。
久々の身体強化魔法で、人智を超えた速度で弾幕を突っ切り踏み込む。
グリモアは魔力を供給したり魔法術式を展開する。だが、実際に魔法を扱うのは女王自身の体を使う。要するに実戦経験の少なさからか、いろいろと狙いが甘かったり運用が力任せなのだ。だから女王の身体能力を超える動きをするとついてこれなくなる。
左手で掌打を放ち女王を吹き飛ばす。だがグリモアは空中にとどまったままになる。以前戦った時と同じだ。右手に魔力を集中しアゾット剣を突き立てイリスから教わっていた呪文を唱える。
【解放の呪 今ここに解き放たん・・・バルス!】
すさまじい光量で目を焼かれる。両目を抑えて転げまわる羽目になった。
【ガ、ガガガガ、なんということだ。我が人間風情に2度も敗れるとは】
あーもうそういうのいいですから、とっとと消えやがれ。
【魔王のかけらは後3つある。それが1箇所に集ったときに魔王の復活はなされルギャアアアアアアアア】
「よ・く・も・私の体使って好き勝手やってくれたわね!往生せいやあああああ!【フレイム・コフィン】!」
っておい、なんかいいかけてたのに焼き払うなよ!?」
「るっさいわ!体の自由奪われて3年よ3年!って・・・・あ、王子・・・様?」
「いや、俺は王様だが」
「・・・結婚して下さい」
「いや、もとよりそうなる話だったろ?」
「うれしい・・不束者ですが末永くよろしくお願いしますね?」
「あ、ああ、こちらこそ」
「嬉しい・・・」
ってなんかよくわからん会話を繰り広げていると、両方の部下たちが雪崩れ込んできた。
「陛下!ご無事ですか!」
「おう、大丈夫だハンゾー」
「お、おお、おおおおおおお」
「っておい、いつも言うんだが、泣くんじゃない」
「いや、陛下が無事で、これで打ち首はなくなったと思うと・・・・うおおおおおおおおおん」
「あーもう、こいつはこれさえなけりゃなあ」
親衛隊の腕利きなんだが、やたら涙もろいのが玉に瑕ってやつだ。ま、腕は立つんだよな、とても。
事情を説明する。グリモアに封じ込められていた古代の魔女が女王の意識を乗っ取っていたらしいこと、王女自身と魔女の意識が交互に現れていたこと。なので、反乱事態が誤解に基づく可能性があることなどだ。モートン卿は顔を白黒させていたが、なんとか理解してくれたようだ。
場合によっては戦わずに事態を収められるかと思ったが、伝令がその可能性を綺麗に消し飛ばした。カイル率いる軍がハミルトン公の別働隊をこてんぱんにしたという知らせだった。
タイミングがいいんだか悪いんだか・・・毎度のことだがどうしてこうなるんだろう。
ベルファストから東進してくるトゥールーズ・バルデン軍。王都ロンディニウムから出撃したエレス王の軍はハイランドの城塞に入りハミルトン公の軍を迎え撃つ。そして敵の援軍にはアースガード連邦から魔戦士団が加わっていた。
「クソ、なんて火力だ。連邦の魔戦士は化け物か!?」
次回 ハイランド決戦(仮
上記のセリフを入れたいがためにXX連邦にしたわけでは・・・無い気がします。




