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Girl In Black  作者: meg-meg
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同居人は宇宙人?!!

今日の占いはそんなに悪くなかったのにどうしてこうなんのよぉおおお!!!自称「カッコいいヒロイン」な二ノ宮をよろしく。

恐怖でうまく声が出にくい。

 近くの窓ガラスを見る。背後には誰がいるのか知りたい――映った!!また黒サンに黒スーツに黒帽子。今回はネクタイが黒で身長はやや低め、あたしくらいだ。今回はあたしの記憶を消しに来たのだろう。拳銃だと思っていたのは指を拳銃っぽく見せかけただけ。脅しかよ。それならてっとり早い。

「なぁんだ」

 そう言ってあたしは振り返り、MIBの一味と思われるやつの手首をつかみ、背中へひねり上げた。こういうのは得意。その時に相手はペンライトでフラッシュをしたがあたしが目を瞑っていたのでヨユー。

「それじゃあ、お顔を拝見♪」

 帽子とサングラスをひったくった。

「あ!!ルカ!!」

 やっぱり。うすうす感づいてきていた。きっと後であのおにーさんからあの時の事を聞いたのだろう。『じゃあ、あとはよろしく』の言葉であたしのことはルカちゃんが引き受けたのだろう。

「ごめんね凛ちゃん」

「やれやれ、やっぱり無理だったか」

「そうみたいだね」

その時、2人の男の声がして現れた。

1人はこの前の赤ネクタイのイケメン。もう1人は……

「あ、あの時の!!」

 朝、駅で定期を拾ってくれた美少年。黒スーツ姿のカッコいい!!しかも2人ともサングラスを外している。きゃー!!

「ちょ、ちょ、ちょっとぉ!!説明してよ」

 3人は顔を合わせてさらさらヘアーの少年が「決定だね」と言って、ルカが説明してくれることとなった。

「ここで言うと危ないから基地アジトへ行こう」とルカ。

 アジトというものはどこにあるのかと思えば、行き先は学校。学校?そして茶屋へ。

「へぇ、ここがアジトね〜」

「じゃあ、説明するよ」

 ルカと2人の男達はMIBという秘密集団に所属しているらしい。以前から宇宙人(しかもほとんどが犯罪者)が地球へちょくちょくやってくるらしい。(宇宙に生きる者たちにとって地球人はとても弱く、下等生物たちが生きる地球は下等な惑星とみなされている。宇宙犯罪者は星流しの刑、まぁ、島流しみたいなやつとして地球へ送られるのだ。竹取物語で有名なかぐや姫も月の世界で罪人となったため地球へ送られていた。)今まではMIBの働きで地球人に宇宙人の存在を隠してこられた。しかし、最近では宇宙人が各地で多く出没しているため、地球は今、危険な状態となっているらしい。

「と、言う事で、ここはひとまず君の力が必要となるわけだ」とイケメン。

「観察の結果、並外れた体力を持っていることがわかったし」と美少年。

「お願い!!」とルカ。

「んー、まぁいいか。おにーさん達と一緒にいられるみたいだし」

「あのなぁ」

「まあまあNo.0809、同じ仲間として仲良くしようね」とルカ。「じゃあ、自己紹介しないと」

 赤ネクタイのイケメンはNo.0809。これが本名では無いらしい。

「まあ、裏組織だから本名は言えねぇよ。これはあくまでも組織の人員番号だ」

 そこでルカが口を挟む。

「彼らは宇宙人なの」

「え、宇宙人?!地球にいるってことは犯罪者?」

「さっき『ほとんど』って言っただろ!俺は違う」

 さらさら…の美少年はNo.1017。優しそう。

「よろしくね」

「どこの星からやって来たの?」

「それは言えない」

「太陽系の中にあるの?」

「いやぁ、それもちょっと……」

「No.1017とNo.0809は山田星のときの姿はぬいぐるみみたいなの」

 あ、あの時のぬいぐるみかぁ。

「それでいつも1人で話しているように見えるんだ」

「うん」

「あ、ねぇ、今度からNo.1017は山田さん、No.0809は松田さんって呼んでいい?」

「うっわ、適当な名前……」

「まあまあそう言わずにさ、松田さん」

「勝手に使うんじゃねえ!!No.1017!!」

「あ、ボクは山田さんだってば」

「ねぇルカ、あたし、これからどんな事すればいいの?」

「うん、その事なんだけど、私と山田さんは主に宇宙人のデータを分析して松田さんに送るの。生き物にはそれぞれ弱点があるから。そして凛ちゃんは松田さんと一緒に宇宙人のところへ行って交渉して、ダメだったら退治」

「え、退治?」

「うん、この前みたいにでいいよ」

「あれは女にしてはすごかったなぁ」と松田さん。

「悪かったね。どーせ…」

「いや、褒めただけじゃねえか!!まぁ、よろしくな凛」

 いきなり呼び捨てですかいぃ?

「よ…ろしく」

「凛ちゃん、松田さん、頑張っていいペアになってね」と山田さん。

「じゃあ、みんな、もう遅くなるし今日は解散ってことで」とルカが言うのを合図にそれぞれ帰宅した。

 これからは学校が楽しくなりそう!!幸せ!!


「で?」

 暗い帰り道。

「なんでアンタが一緒なの?」

 肩にぬいぐるみ。


――松田さん。



「ねぇ、これは無いんじゃない?」

「……あいつらに言えよ」

 うっわー、かなり怒ってるし。

「っていうか、なんでこんなアンタの荷物まで運ばないといけないの?!」

「ああッ?!なんか言ったか?じゃあ、ここで人間の姿になったろーか?服が無ければ素っ裸だぜ、この野郎!!」

「いやぁ、こんな電車のなかでそんな事やめてぇぇぇぇええええ!!」

「だろ?」

「何が『だろ?』じゃぁぁぁああ!!テメー、この窓から捨ててやろうか?!」(注:一応女子の発言)

 ぬいぐるみと格闘しているその時。

「ママー、あそこにお人形をいじめている人がいるぅー」

「こら、見ちゃダメ!!あの人は頭がおかしいの!!」

 うわー。

「♪」

 くそ!!松田め!!いつか殺すぞ。いや、今日だ!!!

『まもなくぅー桜木ー桜木―』


「ただいまー」

 ……。

「ただいまー」

 ……。

 誰もいない……ってことは

「あんたと二人きり?!!」

「なんだよ、他に誰がいるんだ?いつもは」

「お姉ちゃん」

「ああ、それはアレだな。彼氏んち」

「何で知ってんの?!!」

「おいおい、冗談はよしてくれよ。フツー高校過ぎればこんなもんなんだよ。まあ、おめぇはおこちゃまだしな」

 あ、包丁どこだっけ。

「いやいやいや!!冗談冗談、ハハハ」

「で、あんたはどこに住むの?」

「お前の部屋しか無いだろ。見つかりたくないし……」

 あ、いいところがあるんだった。

 クッキングルーム!!(台所またはキッチン)

「えええ?!!ちょちょちょっと!!まさか、冷凍庫?!!」

「うん♪」

「待った!!これだけは!!」

「冗談だってば」

「いや、お前の冗談はかなり怖いんですけど……」

「言っておくけどあたしの生活の邪魔や嫌がらせは絶ッッ対にしないでよね!!もしやったら今日以上に怖い目にあわせてやるから」

「……ワカリマシタ」

 こうして宇宙人との同居生活が始まった。


「おやすみ」

 例のぬいぐるみはあたしの枕元が定位置となった。

「あぁ、おやすみ」

 明かりを消した。

 あっという間に眠りについた。


 人間、早く眠りについたら翌日にはスッキリと……じゃない!!

 っていうか、まだ夜中!!しかも、自分で起きたのではない。起こされた。正しく言うと『投げ飛ばされた』。

 そして今あたしは窓から投げ捨てられて宙を舞っている。パジャマで。

 あたしって何?

 投げたのはだれなのかわかった。窓のそばにいる人物。

「松田めぇえええ!!」

 いやぁ、宙を舞いながら言えるのはかなりの度胸の持ち主だろう。

「後でわけを話す!!」

 松田はそう言って消えた。文字通り消えた。と思えばあたしの真下にいた。

 そしてキャッチ。念願のお姫様抱っこ。確かにカッコいいけど性格がねぇ……そして何よりも……

「なんであんたパンツ一丁なのッ?!!変態!!」

「お、おいッ。誤解だ」

 いや、変態だよコレ。おまわりさーん!!

 松田は一階の窓(多分リビング、しかもあたしんち)を蹴破ってあたしを抱えたまま中に入った。ソファーの裏に隠れた。

「ちょっと、どうい」

 松田に口を押さえられた。

「静かにしましょうね。はい。……お前、何で言わなかった?」

「何を」

「あのスカートの……」

 緑の液体だ!!

「あの液体に入っていた卵からまた生まれたんだよ。ッたく俺に言っておけば処理したのに。そのせいでお前の部屋から巨大ゴキブリが誕生。そして襲いかかろうとしているところに俺が気づいて、人間になってお前を安全なところへ移動」

「だからって投げる事……」

「しかもお前の気づいたタイミングがよかったな。もっと早かったら俺、パンツはいてねーよ」

 おえええええええッ!!

「他の物はどうして来てこなかったの?!」

「だから、時間が無かったって」

 あのー、体が触れてるんですけど……。

「おい」

「何?」

「もうお出ましだ」


 ――ゴキブリ。でっかいの。


ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

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