紋様装備の迷宮都市
とあるゲームの装備システムに理由をつけるとこうなりました。
世界観を変えているのでオマージュとしてみていただけるとありがたいです。
問題があるようでしたら消します。
「みなさん、先輩方に見守られつつではありますが、よく素材を集めきりました。この話が終わり次第、みなさんは仮登録の冒険者から本登録の冒険者になります」
ここは、魔物が発生する迷宮から世界に脅威を与えないようにするため監視し、討伐し、探索する迷宮都市の一つ。
ここの特色を持って『紋様装備の迷宮都市』と呼ばれている。
私はここの冒険者組合の受付兼新人への説明担当だ。
「最後のお話が講義室ではなく、訓練場である理由についてはすぐにわかります。みなさんの後ろには、冒険者組合が作り上げた訓練魔法『カカシクン』で作成した的があります。このカカシクンは一人につき3体、どれも先ほど鑑定したみなさんのステータスではぎりぎり一撃で倒しきれない条件で設定してあります。ではみなさんに供与しているショートソードで一番手前の的を攻撃してください。あ、技とかスキルとか、強化魔法とかは使用してはだめですよ」
ここにいる新人の冒険者は10人。よかった。今回はちゃんと指示に従ってくれた。誰一人、一撃で的と倒しきれていない。
「次に我が冒険者組合からの本登録祝いである装備、ガウルト装備一式に身を包んでください」
新人さんたちは、待ってましたとばかりに装備を着込む。
自分で狩ったモンスターで作った初めての装備だ。今までお預けを喰らっていたので相当待ち遠しかっただろう。
全員がしっかりと着込んだことを確認する。私はおおきく頷いた。
「どうですか?わずかにですが力が増したようなきがしませんか。その状態で2番目の的を一番目と同じように攻撃してください」
新人さんたちは、不思議そうに首を傾げたが、指示に従った。
そして一撃で倒して消滅する的に驚く。
「はい。2つめの的はガウルトシリーズ一式を装備したことで倒せました。次に兜だけ取って、3番目を攻撃してください」
指示通り、兜を取って攻撃してくれた。今度は消滅しない。
「みなさん、おわかりいただけたでしょうか。これはガウルトシリーズを一式着込んだことで発動した装備の活性化です。この都市の職人は装備にある魔方陣を書き込みます。それは装備の活性化というものです。迷宮の素材で作成した装備はこの魔方陣を仕込むことで、素材に備わっている特定要素が活性化します。活性したポイントが一定数以上になると、今回のように攻撃力が上がったりするのです。そして、兜を外すと、ポイントが水準以下になり攻撃力は上らなくなりました。これが『紋様装備の迷宮都市』の所以、活性化の紋様とよばれる魔方陣です。この魔方陣は、この都市の職人の統一規格として仕込むことが絶対となっております。なにも同じ素材で統一する必要はありません。ポイントを一定数上げればいいのですから、同じ活性ポイントを持つ別の素材のものと組み合わせてあげるのもありです。ただし、活性ポイントだけではなく、下降するポイントもあるので気をつけてください。活性ポイントについて知りたければ資料室に行けば最前線近く以外の情報は入手できます。調べてから狙って仮に行くのもいいかもしれませんね」
新人さんたちが理解したと言う表情になる。この顔を見るのが私は好きだ。どう組み合わせて何を活性化させどのような戦術をくみ上げようか。
新人がそう悩み考える知性的な眼差し。この瞬間が一番輝いていると思う。
「これで本登録になるための説明は終了いたします。改めまして、ようこそ、『紋様装備の迷宮都市』へ」