タメ口
1日さぼってしまいました!すみません
家にかえって早速調理器具の使い方を教える。
「これは、こうして…しばらくしてから離します。」
「…これは、どういう仕組みで?」
疑問ばっかりで、少し面倒くさかったがそこは根気よく教える。
教えて教えて教えて教えて、終わったのが12時だった。
そして、それから実践。そこで、一つわかったのが『包丁』が異世界にでもほとんど同じ物があることだ。まぁ、包丁がなかったら野菜とか切れないけど。……って、問題はそこではない。
タタタタタタ
リズムよく聞こえる音。これは、私の音ではない。隣のアルクさんから聞こえる音だ。
「…本当に料理できるんですね。」
出来る、出来ないの問題じゃない。というか、私より断然上手いじゃないか!!
「いえ、このぐらい大したことありませんよ。」
「………。」
なんというか、ね。うん。大したことじゃありませんよ、これ。
少し泣きそうになりながら、自分の担当であるフライパンで炒める。
恐ろしいことにアルクさんはたった一晩でこの世界のキッチンを駆使してしまった。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
ドアを開けて家に入ってみると早速おいしそうな香りが漂っていた。その香りをクンクンと嗅いで匂いのほうに釣られるように歩いていく。
「なんだかポトフのような匂いがする…」
「…ポトフ、とはどういうものか分かりませんが、アンクサという食べ物ですよ。」
アンクサ、というのか。
机の上におかれた食べ物は湯気を出して美味しそうだ。
私は手を洗って早速座った。そして、少ししてからアルクさんも座る。
「「いただきます。」」
私はまずアンクサに手をつけた。
……こ、これは!!トロトロに煮込まれた白菜、それにこの黄金のスープ!一口飲んだだけで味が広がってくるのだ。
本当にポトフににている。
「美味しい!!これどうやって作るの!?」
アンクサの美味しさに興奮して思わず敬語を忘れてしまった。
「……あ、ごめんなさい。」
「いいですよ、何者かわからないのに置いていただいているのです。むしろ敬語を外していただいても大丈夫ですよ。」
と言われても、私より年上のアルクさん。気にしてしまうのは仕方がないと思う。
「…では、こうしません?」
私やアルクさんがお互い敬語を止める、というものだった。それを聞いたアルクさんは眉をひそめたものの、すぐに伸ばした。
「いえ、そういう訳にもいきません。」
お箸をお茶碗におき、お互い目を見つめあった。
「アルクさん、年上の方なんですよね?私が少し気がひけます。」
同じようにお箸を置いた。
それから、少しの沈黙の後アルクさんが口を開いた。
「では…本当にいいのか?」
「え、うん。」
「じゃあ、改めてよろしく。」
ニコッとアルクさんは右手を差し出した。それに少し戸惑いながら私も右手を出し握り返した。
アルクさんってタメ口似合わなさ、そして切り替えが早いことにも驚く。
「…………よろしく」




