番外編
ドンガラガッシャーン
まるで漫画のような音を出したのは紛れもなく私の足元からだった。
「優奈!?どうしたの!?」
その音に駆けつけて来たのは私の夫、アルクワス・サルファドだ。一週間前、私達2人は無事にこちら側の世界にやってきた。
この世界は私にとって何もかも初めて見るものですごく新鮮だった。が、不器用な私はここ最近失敗続きで…。
で、今に至る。
「ご、ごめん。落としちゃった。」
アルクは私の足元に視線をうごかす。
「あー、優奈に怪我が無かったなら大丈夫だよ。」
すると、笑いながら私の頭をポンポンとすると片付け始めた。私が落としたのはテーブルの上にあった花瓶。当然ながらその花瓶は割れていて中に入っている水はこぼれていた
カチャカチャとアルクがガラスの破片を回収している時、私も手伝おうとしたがとめられる。そのおかげで、私はアルクを黙って見ているしかなかった。
「ごめんなさい、最近迷惑ばかりかけてるよね。」
我ながら数々の惨事を思い出すたびに泣きそうになる。
「大丈夫だって言ってるだろう?この世界に連れてきてしまったようなものだし……」
すると、アルクがふぅと息を吐いた。
…やだ、もしかして今呆れられた…?
アルクのことだ、私の勘違いかもしれない。けれど、今の私にはそんな考えは無かった。
アルクに捨てられたらどうしよう、とか、捨てられたとしたらどうやって生きていこうか、とか。とにかく自分に自信をなくしていた。
「……な!…優奈!」
アルクの呼び声ではっと我に返る。
気づけば、私の頬に涙か伝っていた。
「………ごめんなさい、ちょっと一人にさせて。」
とっさにその場から離れ、自室に閉じこもった。
最近の私は本当にどうかしてる。向こうの世界、日本にいた時はこんなことなんてなかった。あんなにも不器用でもなかったし、涙もろくもない。
だけど、こんなにも不安になるのはどうしてだろう。
私は、涙を流しながら目を閉じた。




