限定食
自分で言うのも何ですが、Lv.落ちたのかなぁ……と。
人の肉は食べてはいけない。
犬の肉も食べてはいけない。
猫の肉も食べてはいけない。
牛の肉も食べてはいけない。
豚の肉も食べてはいけない。
鳥の肉も食べてはいけない。
魚の肉も食べてはいけない。
猪の肉も食べてはいけない。
虎の肉も食べてはいけない。
象の肉も食べてはいけない。
そもそも、動物全般の肉を食べてはいけない。
そう決められた。決めたのは僕の母。
理由はわからない。けれども、一つ例外がある。食べてもいい肉がある。それは、食べたくても、かなり勇気が必要だけど。
人参は食べてはいけない。
大根も食べてはいけない。
牛蒡も食べてはいけない。
林檎も食べてはいけない。
胡瓜も食べてはいけない。
蜜柑も食べてはいけない。
若布も食べてはいけない。
金柑も食べてはいけない。
西瓜も食べてはいけない。
冬瓜も食べてはいけない。
そもそも、植物全般を食べてはいけない。
そう決められた。決めたのは僕の父。
理由はわからない。けれども、一つ例外がある。食べてもいい植物がある。それは、食べたくても、手に入る可能性なんて無いんだけど。
蟻は食べてはいけない。
蜂も食べてはいけない。
蚊も食べてはいけない。
カメムシも食べてはいけない。
蝿も食べてはいけない。
虻も食べてはいけない。
カマキリも食べてはいけない。
蝶も食べてはいけない。
蝉も食べてはいけない。
蛆も食べてはいけない。
そもそも、昆虫全般を食べてはいけない。
そう決められた。決めたのは僕の祖父。
理由はわからない。けれども、一つ例外がある。食べてもいい昆虫がいる。それは、食べたくても、食べる気にならないんだけど。
椀を食べてはいけない。
皿も食べてはいけない。
水筒も食べてはいけない。
鍋も食べてはいけない。
靴も食べてはいけない。
杓も食べてはいけない。
椅子も食べてはいけない。
机も食べてはいけない。
暖簾も食べてはいけない。
車も食べてはいけない。
そもそも、家具やら物を食べてはいけない。
そう決められた。決めたのは僕の祖母。
理由はわからない。けれども、一つ例外がある。食べてもいい物がある。けれども、家具や物を食べる人がいるのだろうか……。
そして僕は家を出た。
あんな決まりの中では生きられないから。そうして僕は普通の生活を手に入れた。食べてもいい物が限られた生活から抜け出して。
食べてもいいもの……。
それは、肉なら自分の肉で、植物だったら肥溜め周りの雑草で、虫は天下のチャバネ様。物なら使った後の紙オムツ。
自分の肉は食べられないし、肥溜めなんて何処にある? しかも、かなりの不衛生。チャバネ様には出会うけど、カサカサいってて気持ちが悪い。こいつもかなりの不衛生。衛生上で最もヤバイ紙オムツ。使用後なんてとんでもない。なによりこれって、産廃なんじゃないですか?
そういう家族は普通に暮らし、肉も魚も野菜も食べて、普通の食卓囲んでる。
『ねぇ。これって僕、家族に追い出されたってこと? どう思う? 酷くない? ねぇ誰か答えて……。ねぇ答えてよ!!』
そう思ってしまうけど、僕は現在一人暮らし。友達・恋人募集中……。
想像的には面白そうそうですが、文章への立ち上げ、そして起承転結となると無理がありますね。
お粗末様でした。