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第一章

 ビバ、高校生!

 小学生から見れば大人、中学生のときはたった3年後に自分がそうなっているなんてにわかには信じられるはずもなかった高校生。

 義務教育を満了し、初めての受験をし、恋人ができて―それは中学生の頃のような手をつなぐ一緒に帰るなんてものではなくて、それはそのう・・・人によっては人に言えないようなこともきっとあるわけで・・・とにかく…とにかく!今までとは違う、明らかなる大人へと一歩足を踏み入れる高校生なのだーーーーー!!!!!

 

 と思ったのは最初の1ヶ月くらいなもんデシタ。

 なんだよ0時間目って。

 1時間目から5時間目をそんなわけのわかんないもんでサンドウィッチするな。

 だいたい「電車に乗るのは面倒くさいけど、毎日一緒に登校すれば苦じゃないね」って言ったのはどこのどいつだよ。

 落ちてんじゃねーよ!


 私は、無理をした。

 家が近所で幼馴染みだった友達に誘われて、中学時代の最後の半年を勉学に捧げ、土日も返上して、(顔くらいしか知らないが)男の子からの告白も華麗にスルーし、肌が荒れ、目が落ち窪み、肌のツヤが無くなり、平衡感覚が怪しくなり、動機息切れと戦い、この年で痔になりかけ、最終的には×運もあいまって(+では足りない、絶対に)何とか県内1の公立進学校「栄帝高校」に合格した。


 しかし、彼女は無理をしなかった。

 もしかしたら、努力すらしていなかったのではないか?

 今思えば、かの美しき誓いを一緒に図書館に行っても3時間もすれば漫画を読んでいるか寝ているか消しゴムにめり込ませたシャーペンの芯で文字を書くことに熱中していたし、「めっちゃ勉強してるよ~」と言ってるときの目はショウジョウバエのような動きをしていた。クラスの皆が神経質になり始める2学期後半、彼女の髪は明るい茶色になり、永久脱毛の安全性について保険医に相談しに行ってたっけ・・・。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・てゆーか、気付こうよ私。

 結局、彼女は栄帝高校を受験すらしなかった。それを知ったのは当日である。

 今思えば、入試で実力以上の点数をたたき出せたのは、それによる怒りからくるものだったかもしれない。

 試験10分前、いくら待っても待ち合わせ場所に来ない彼女に電話をして知らされたところによると、受験勉強から逃れるように服を買い漁り、買い漁るうちに服飾の面白さに目覚め、自宅近くの高校の被服科を受験することに決めたらしい。


 中学3年の夏休み明けに。




 ・・・・・・・言えよ!!



 合格だって。

 オメデトウ。


 かくして、元々馬鹿グループの筆頭メンバーだった為持ち上がりの友達などいるはずもない、孤高で孤独で孤立無縁な私―1年E組 12番 新場 あまね は、栄帝高校の新1年生です!

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