まだ、あなたが抜けない
こちらはAIによる加筆修正をしております。
メモ帳に残っていたものの、私の力では続きが書けそうになかった為に使用しました。
また、主人公と自分を重ねて書いた所がありますので、
人によっては気持ちよく読めないかもしれません。
それでも良ければ、読んでいただけると幸いです。
別れてから三週間、美月は一度も彼の連絡先を消せずにいた。
ブロックもしていないし、トーク履歴もそのままだった。
ただ通知だけ切って、見ていないふりをしていた。
実際には、ほとんど毎晩見ていた。
ベッドに入って電気を消したあと、
スマホだけつける。
眠る前に少しだけ、のつもりで開いて、
気づけば何ヶ月も前まで遡っている。
「今から出る」
「なんかいる?」
「駅着いた」
「今日の服すき」
そんな、どうでもいいやり取りばかりだった。
別れ話そのものより、そっちの方がきつかった。
最後に何を言われたかより、
何でもない日に普通に続いていた会話の方が、ずっと頭に残っていた。
彼、蓮は、別れ話のとき怒らなかった。
「嫌いになったわけじゃない」 「でも、このままだとたぶんよくないと思う」
そう言っていた。
今思えば、その通りだったのだと思う。
美月は、蓮の返信が少し遅いだけで勝手に不安になって、「忙しい?」の一言が送れないくせに、勝手に機嫌を悪くすることがあった。
蓮は蓮で、何かあってもあまり言わないまま、いつも通りに接して、限界まで溜めるタイプだった。
ちゃんと話し合えないまま、やさしさだけで続けていた。
だから終わった。
頭では分かっていた。
どちらかがひどく悪かったわけじゃないことも、
もしもう一度やり直しても、たぶん同じところで駄目になることも。
だからこそ、変に引きずっている自分が余計に情けなかった。
浮気とか、裏切りとか、そういう分かりやすい理由ならまだよかったのにと思う。
そうしたらもっと綺麗に怒れたし、
「最低」と言い切って終われたかもしれない。
でも実際は違った。
好きだったし、向こうもたぶんそれなりに好きで、
それでもうまくいかなかっただけだった。
そういう終わり方は、変に残る。
夜中の二時すぎ、美月は喉が渇いて目が覚めた。
部屋の中は暗くて、エアコンの風の音だけがしていた。
キッチンに行って水を飲んで、そのまま戻る気になれず、冷蔵庫の前にしゃがみ込む。
ワンルームは、こういう時間になると妙に広く感じた。
ふと、前に彼がこの床に座ってカップ焼きそばを食べていたのを思い出した。
テーブルあるのに、なんでそこ、と笑ったら、
「おまえんち来ると、なんか全部どうでもよくなる」
と言っていた。
その言い方が好きだった。
気を抜いている感じがして、
自分の前ではちゃんとしてなくてもいいと思ってくれている気がして、少しうれしかった。
今思えば、そういう小さいことで、勝手に安心しすぎていたのかもしれない。
この人は離れないんだと思っていた。
美月は立ち上がって、シンクの横に置いてあった白いカップを手に取った。
コンビニのシールを集めてもらったやつで、柄もなくて、少し厚みのある、よくある形のカップだった。
彼が来ると、なぜかいつもそれを使っていた。
別に高いものでもないし、特別かわいいわけでもない。
でも、何度も使っていたものには、変な重さが出る。
洗ってあるはずなのに、美月はまたスポンジに洗剤をつけて、そのカップの内側をこすった。
ゆっくり、何度も。
そうしていると、まだ何かが終わっていない気がした。
ちゃんと終わったはずなのに、
こうしていれば、完全には終わらない気がした。
何をしているんだろう、と思う。
自分でも分かっていた。
こんなの意味がない。
洗ったところで何も戻らないし、
ここに彼が来ることも、たぶんもうない。
それでも手が止まらなかった。
美月はシンクの縁に置いていたスマホを取った。
開くつもりはなかったのに、気づけばトーク画面を開いていた。
一番下には、「今までありがとう」のあとに、
自分が送った「こちらこそありがとう」があって、それが最後だった。
そのたった二行のやり取りだけが、妙にきれいだった。
きれいすぎて、腹が立つくらいだった。
入力欄に指を置く。
しばらく何も打てないまま、カーソルだけが点滅している。
それから、美月は一言だけ打った。
まだコップあるよ
打ってから、すぐに後悔した。
重い、と思った。
意味が分からないし、困るし、返事もしづらい。
送られた方からしたら、ただ気まずいだけだ。
そんなの自分でも分かっていた。
でもその一文を見ていると、
本当に言いたかったのはそれじゃないことも分かった。
コップの話なんかじゃない。
美月はしばらくその画面を見つめていた。
送信ボタンはすぐそこにあるのに、押せない。
押したところで、何が欲しいのか自分でも分からなかった。
戻りたいのか、
謝ってほしいのか、
会いたいのか、
ただ向こうも同じくらい引きずっていてほしいのか。
どれも少しずつ当たっていて、どれも少し違った。
はっきりしているのは、
このまま自分だけ普通に置いていかれるのが嫌だ、ということだけだった。
それは愛というより、かなり見苦しい気持ちだった。
でもたぶん、別れた直後なんてそんなものだ。
きれいに終われる人の方が少ない。
好きだったことと、終わったことは別なのに、
心はそれをなかなか分けてくれない。
美月はその文字を、一文字ずつ消した。
ま
だ
コ
ッ
プ
あ
る
よ
全部消えるまで見届けてから、スマホを伏せる。
何も送っていないのに、ひどく疲れた。
そのままシンクにもたれて座り込んだ。
床が少し冷たかった。
洗ったばかりの白いカップを、膝の上に置く。
こんなもの、明日にでも捨てればいい。
連絡先だって消せばいいし、写真だって非表示にすればいい。
やることは分かっている。
でも、できない。
まだ早い、と思ってしまう。
窓の外で、どこか遠くの車の音がした。
朝になればまた会社に行って、
普通に仕事をして、
普通に昼を食べて、
普通に帰ってくるのだろう。
そうやって少しずつ、生活の方が先に進んでいく。
気持ちだけが置いていかれるみたいに。
それでも、たぶんいつかは本当に慣れるのだと思う。
このカップを見ても何も思わなくなる日が来るのかもしれないし、
トーク履歴を見返さなくなる夜も、そのうち来るのかもしれない。
でも今夜はまだ無理だった。
美月はカップのふちに親指を添えたまま、目を閉じる。
彼が口をつけていた場所なんて、もう分かるはずもないのに、 そういうことを考えてしまう自分が少し気持ち悪かった。
それでも手放せなかった。
なくなったものって、
急に全部なくなるわけじゃない。
部屋の中とか、癖とか、
どうでもいい会話とか、
そういう細かいところにしばらく残る。
本当につらいのは、そういうのを一つずつ失くしていく方なのかもしれなかった。
大きな別れは、もう終わっている。
でもそのあとに、日常の中から少しずつ相手が抜けていく。
そのたびに、もういないんだと分かる。
部屋は静かで、何も変わらない。
何も起きない。
彼から連絡が来ることもないし、
急にやり直せることもない。
ただ、自分だけがまだここに残っている。
それが、どうしようもなく、情けなくて、恥ずかしくて、寂しかった。
それでも今夜だけは、まだ終わらせたくなかった。
終わったことを認めるのと、
本当に手放すのは、たぶん別のことだから。
だから美月は、その夜もカップを捨てられなかった。
連絡先も消せなかった。
何も送れなかったくせに、
まだ少しだけ、つながっている気でいたかった。
そうやってでしか、今は眠れなかった。
お読みくださり、ありがとうございました。
人力のみの作品が何より尊いものだとは思いますが、完成させる為に投稿いたしました。完全なる趣味のものです。
また、作成者だからなのか、そしてAIによるものだからか、読んでいて違和感がある気がしています。
もし、不自然な所やアドバイス等あれば教えていただけると嬉しいです。
最後に。
まだまだ、抜けそうにないようです。




