第4曲目 部活後はユーレイがいっぱい
土曜日。
オレと七星は部活が終わったにも関わらず、音楽室と同じ階にある2年2組(七星のクラス)で練習することになった。
今日も午前部活で12時に部活が終わったが、勝手に居残って練習する生徒又は休みなのに勝手に来て練習する生徒、部活に参加しない生徒など(通称・幽霊部員)がたくさんいる。
隣の2年3組ではクラリネットパート、2年4組ではフルートパート、2年5組ではトロンボーンパートとホルンパート、音楽室の隣にある音楽科準備室ではパーカッション。
あ、結構いる。
まあ他の人帰っちゃったし、早くも5月には(1年生は強制参加じゃない)演奏会がある。出れる人は出れるけど、4月に入部・入学した人たちは・・・。
でも今は3年生もいるから大丈夫。
普段、平日の部活の時は、1年生はいろいろ副顧問の先生から教わってる。
休日は主に合奏。
「あー、そうそう。真斗、弁当持ってきた?」
オレはトランペットパート3年の雪原先輩に言われて気づいた。
「あっ。忘れた」
「何やってんの・・・」
「まな、おにぎり2個とからあげあげようか?」
「あー、サンキュー七星」
「じゃあ、今からご飯タイムということで」
みんなが弁当を持って来て、席についた。
「いただきます」
「七星、おにぎりは?」
「あ、ごめん。はいコレ」
「ありがと」
オレは七星からおにぎりをもらった。
「じゃあこの後は曲練しようか」
トランペットパート2年で福部長の山谷晴菜先輩が言った。
「おーい、真斗!」
「あれ、虹香」
バスクラリネットパート(バスパート)の1年生でオレのクラスメイトの羽川虹香が教室に入ってきた。
「クラのみんな今さっき帰っちゃったから、後で曲練参加させてもらえない?」
「いいけど」
「やったぁ!じゃあ弁当持ってくる!」
そう言って虹香は走って弁当を取りに行った。