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1-4

そう言うヤチョウを先頭に受付を始めた、無愛想な受付嬢がチケットを手際よく用意している、笑顔1つでもしたら可愛らしい顔をしている

「来園の目的はなんですか?」

「私達は魔法学を学びに」

「私達は護衛です」

「僧侶を探しに」

それぞれが目的を告げると、受付嬢は眉間を顰めた

「獣人の方も一緒ですか」

「あ!獣人の証明書持ってます!」

「いえ証明書は必要無いです、獣人の方は審査が必要なのであちらでお待ちください」

そう言うと繋駕場の様な場所を指された、馬糞で溢れていそうな悪臭漂う場所に5時間待ったが、受付嬢からはなんの連絡も無い。悟空が痺れを切らせ受付に文句を言いに行くと、あっさりと入れる事になった、どうやら審査と言うのは数時間前に終わっていた様だ、既にクタクタの面々はただ黙って受付を睨みながら中に入った。そこは楽園かのように緑や花に覆い尽くされていた

「わー広そうですね」

「案内地図貰ってて良かった、ここからは別行動ですね」

キッカが冊子を広げ、もう1枚を悟空達に渡した

「では私達は目的通りキッカ達の護衛をしよう」

「はい、許可が降りたらそこでお別れですね」

「良い観光になります」

アルテナが飛び跳ねると悟空が頭を叩いてきた

「なにする!」

アルテナが悟空の耳を掴むと悟空もアルテナの髪を引っ張った

「こんな所で喧嘩しないで下さい」

ジャンヌが2人を引き離すと悟空は俯いた

「今までありがとう」

「え!?」

「じゃーなブース!」

そう叫ぶと悟空は反対方向に走り出した

「照れ隠しでしたね」

そう言うと猪八戒と沙悟浄も礼を言って悟空の後を追った、なんやかんやあったが気のいい連中だったとしみじみとした。アルテナ達は宝玉のある所に向かった、魔力判定が出来るのだとか、そこに魔女や魔法使いが集まるのでそれが目的だった

「貴方達は魔法使いですか?」

すれ違いざまにエルフが声を掛けてきた、エルフは貴重種でこの西の果てにしか生息していない

「え!エルフ!恐れ多い事に声を掛けて頂き、その通り魔女をやらせて頂いてます」

エルフはしげしげとキッカとヤチョウを見た、上から下までじろーといやらしい

「本当に魔女なの?魔力が少ないね」

その言葉に一同驚愕した、見ただけで分かるのも凄いがキッカ達が魔力が少ないとは思えない

「君たち魔法学を極めるなら道案内してあげよう」

そう言うやエルフは後ろ手にけもの道を歩き出した、あまりの事にぼーっと眺めているとエルフが振り返った

「どうしたの?来ないの?」

キッカとヤチョウは互いを見ると駆け足でエルフの元に行った、アルテナ達も慌ててそれを追う。人間なら疑う所だがこの西の果ての長であるエルフの言う事だ、疑いの余地が無い。しばらく歩くと開けた中庭に出た、小さな池があり年老いたエルフ達がバンキングチェアに乗り寛いでいた

「なんだまた有精卵を連れて来たのか」

「いくら開花の兆しがあるからと言ってそんなひょいひょいと連れてくるものじゃないよ」

老人達は口々に文句を言っている、どうやらキッカ達が初めてでは無いらしい。若いエルフが水面に手を付けた

「君たちも同じように手を付けなさい」

「はい」

キッカとヤチョウもエルフに習い水面に手を付けた、水の中で手の周りに光が輪になり輝きだした、キッカは青色でヤチョウは金色に輝いている

「なるほどなるほど、君はFランクで君はAランクだね」

「え!水晶玉じゃなくとも分かるんですか!」

ヤチョウが驚くとエルフは面白そうな顔をした

「あの水晶はこの泉の水を固めたものだよ、つまり同じかそれ以上だ、願い事をしてごらん、ものによっては叶うかもよ」

ヤチョウとキッカは目を閉じ池に念じた、キッカは青い光に包まれ、ヤチョウは赤い光に包まれた

「何か変わったんですか?」

アルテナの問いかけにキッカはにこりと笑った、そこにエルフが手をキッカの額に当てた

「うん、君は水の精霊に気に入られたね」

「はい、なんだか体が涼しいです」

「それは知らなかった」

キッカの一言にエルフは微笑んだ、次にヤチョウの額に手を当てた

「君は更に魔力が上がったね、今はもうAAかな」

「あれ、私は加護を願ったのに」

「泉も気まぐれだからね」

エルフはまたニコリと笑った、老人達も笑っている

「この泉には精霊が集まる、何を授けるかは精霊次第だ」

老人達の言葉にそんな物なのかと変に納得した、キッカ達はこのままエルフの弟子になる事になった

「それではここでお別れですね、お代を払います」

「なんだか寂しいです」

アルテナがしっぽを丸め、耳も垂れ下がっている、その頭をヤチョウが撫でた。その時地響きが鳴った、揺れも大きくなる

「なんですかこれ?」

「あーなんか遠い昔似たような事あった様な」

慌てるアルテナ達とは裏腹にエルフは落ち着いていた、その時上空に黒い影が通り過ぎた、あの影には見覚えがある、龍だ

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