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ジャンヌは下から剣を突き上げゴブリンを切り裂き、地面を蹴り上げ後ろから迫ってきていたゴブリンを叩き切り、ヤチョウの魔法で炎の矢が降り注ぎ次々ゴブリン達を制圧した、ジャンヌはドアにもたれかかったゴブリンを一突きし、ドアが壊れて開いた。そこには調理中のオーク達が居て互いに驚いていた、オーク達は咄嗟のことに木のスプーンやナイフを手に襲い掛かってきたがジャンヌは可哀そうな気持ちになった
「待ってくれ、せめてちゃんとした武器で再戦しないか」
オーク達はしばし考え武器を探しに行った
「え?今言葉分かってました?」
「あれ?分かっていたね」
「これはチャンスかもしれません」
「そうだね」
ジャンヌ達はオークの後を追って行った
アルテナ達はリザードマン達が通り過ぎるのを待ち静かに部屋を出た、物音を立てずに静かに歩くが、互いにジェスチャーをしどうやら来た道が分からないようだ
「どうしますか」
ひそひそ声で話しかけるアルテナ
「左手戦法です」
キッカは左手を壁に着き歩き出した
「迷宮に迷った時は左手を壁に着いて歩くと出口に出れるそうです」
アルテナもそれに従って歩いてゆく。すると先ほどのリザードマン達と鉢合わせした
「間違えちゃいました」
キッカはそう言うと杖を構えた、リザードマン達は突然のことに初動が遅れている、その間にアルテナがナックルで次々腹を打ち抜いてゆき、十数体いたリザードマン達が倒れた
「凄いですねアルテナちゃん」
「えへへ、一応長生きしてます」
そこにリザードマン達の倒れた下から子供のリザードマンが這い出てきた、アルテナ達はそれを覗きこんだ
「子供、ですね」
「害は無いのかな」
アルテナ達を見てリザードマンは泣き出した、無理もない親を倒されたのだ。その時奥から援軍のリザードン達が走ってきた、アルテナ達が1歩後ろに下がると突然地面が開き落とし穴に落ちてしまった
穴に落ちたアルテナ達は少しの間気を失っていた、目覚めた2人はポッカリ空いた穴に驚愕した
「なにここ?」
「あれ?なんか壁動いていませんか?」
キッカの言葉に2人は壁の下を目視した、数センチずつ壁が迫っていた
「わ!これ潰されるヤツです!」
キッカは慌てて魔導書を出し脱出出来る魔法を探し、アルテナは壁をコンコン叩き音を聞いた
「アルテナちゃんなにしてるんですか!手伝って下さい!」
「待ってー」
アルテナは1つ1つ丁寧に音を聞くと、1箇所気になった所があるらしくその音を慎重に聞いた
「アルテナちゃん!」
その時アルテナは壁を力いっぱい叩き、壁が崩落した。その様子にキッカは唖然とした
「その壁、分厚くないですか?」
「割れちゃいましたー」
アルテナはニコッとした、これ幸いとキッカはアルテナを掴み穴から脱出した。
「アルテナちゃんの蛮力があって良かったです」
「でも落ちちゃって元の場所分からないね」
「左手戦法またやりますか」
「んーやめとく」
「とりあえずこっち行きましょか」
2人はとりあえず手近な道から歩む事にした、しばらく歩くと洞窟が現れた、中は水晶やクリスタルで埋め尽くされていた
「凄い、これだけあれば億万長者ですね」
「少ししか持ち出せないね」
2人は圧倒されていたが、モンスター達に囲まれている事に気付くのが遅れていた、影の中にモンスター達が控えていたのだ
「な!この数やれるかどうか」
「私の腕力なら何とかいけるかも」
2人が臨戦態勢になると、奥から声が聞こえた
「アルテナ?キッカ?」
2人が奥を見ると、王座にジャンヌが座っていた
「2人とも無事かい」
「え?ジャンヌさん何故そこに」
「いや、話してみたら良いヤツらであれこれ手を貸してやったらこの有様だよ」
「この有様って、元ボスは?」
ジャンヌが横に手を差し出し、元ボスが頭を下げた、もはや長者の面持ちだ
「えーっと」
「とりあえずお宝少し貰って帰ろうか」
ジャンヌの提案に3人はうなづいた