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フォークリフトはゆっくり上まで上がる、徐々に山の様な氷の上から宮殿が見えてきた。
「お城ですか?」
「いや女王の別宅だよ、龍だった頃ここに千年くらい居たから離れられなくなっちゃったんだ」
「はーまるでお城です」
到着し下を見ると、山の麓に広い街が見えた。彼女は幾年もの月日をここから人々を見ていたのだろう、別宅を見ると見事な宮殿がそびえ立っている
「挨拶だけして目的地に行こう」
「え?女王様に会うのが目的では?」
「目的地は宮殿の下だよ」
ルクトはそう言って宮殿の扉を開けた、宮殿の中は以外にも全て吹き抜けになっていて、その中央にベッドの様な大きなソファーに横たわる女性が居た
「え!ルクト?トウリ?急にどうしたんだ!来るなら連絡しろ!」
「おーおー女王が自堕落している」
アレースが煽る、それに応じる様に女王は手をかざし吹雪を吹き出した、アレースは何も反応せず見えない壁で吹雪を防いだ
「人間になってから幼くなったんじゃないか?オツムが」
「貴様は人間の身体を捨ててまで罪人でいる事に何とも思わんのか」
2人は睨みあって居たかと思うと、女王はアルテナを見つけた
「その小さいのは?」
「アルテナだ、色々と事情があってな、僕の剣で加護を授けようと思って」
そこにアルテナが前に出た
「アレース様の剣って!あの魔剣ですか?封印されているのでは?」
「建前でそう言っておけば民は安心するだろ?ここは部外者には入れない場所だ、昔侵入されて以来結界魔法を張っている」
そこに女王が遮ってきた
「ダメだダメだ!そうやって気を緩んでほいほい扉を開けて、剣に語りかけたいとか言って扉を閉め忘れて侵入者に魔剣の力を使われ異端者が転生するんだ!トウリのせいだぞ!」
「ぐ、そもそも侵入者に気付かない程だらけている貴殿のせいでもあるんだぞ!しょっちゅうここに居座っているクセになぜ分からない!」
「ぐぬぬ!ともかく!扉を開ける日は決めてある!我々の独断だ、その日まで街でも散策しておれ!」
そういうと女王は龍に変身し、口から吹雪を出しアルテナ達を吹き飛ばした、アルテナ達は崖の外まで飛ばされ、アルテナが怯えて身体を丸めるとアレースが縛られた手でアルテナの腕を掴み、それに気付くとゆっくりと降下している事が分かった。ルクトと天使達は翼を使い同じ様にゆっくり降下している
「ああ言われたら仕方ないね、この街は焼き菓子が美味しいんだ、その店を回ろう」
その時上空からスピーカー音が聞こえた
「トウリ様!ルクト様!女王が申し訳ございません!日は追ってご連絡申し上げます!」
女王の側近達だった
「おっけーい、また教えてねー」
ルクトはそう言って手を振った
「いつもこんな感じだよ」
ルクトは肩をすごめなんてない様に振舞った
「1度女王と勝負して力比べでもするか、負かしてやる」
アレースはキッと上空を睨んだ
「やめなって、女王が彼処から動けなくしたの僕たちのせいでもあるんだよ」
「なにか過去があるんですか?」
アルテナの素朴な質問に、アレースとルクトは見合った
「昔魔剣を封印している場所に冥の龍が居たんだ、静かに死にたくてその場所を選んで、で女王が守って居たのに僕たちのせいで冥の龍は魔族を孕み、何処かに飛んで行って最後に産み落としたのが魔王だった」
「女王は生死を司る冥の龍の死去を見守る事が出来ず今も悔やんでいるんだ」
アルテナは女王が1人宮殿で寝ているのを思い出した
「それでずっと彼処に居るんですね」
「ずーっとって事はないけどね、今は民とも交流してて忙しいみたいだし」
「そうなんですね」
「そうそう、龍だった頃は害虫の様に思われてたけど前の国王が掛け合って交流が生まれたんだ」
「バニラって皇妃が居てね、彼女と親しい友達だったんだ」
「お転婆な皇妃だったよ、最後までね」
アルテナはどんな人なのか想像でしか出来なかった
街に着き辺りを見てみると寒いなか出店が多く出ていた、薪が豊富にある様でどの出店も竈を常備している
「なんだかいい匂いがします」
「ジャッカロープの串焼きの匂いだね」
「ジャッカロープ?」
「うさぎって言う動物の魔物だよ」
「え!魔物って食べれるんですか!」
アルテナの形相にルクトは大笑いした
「ここ500年くらいは食べているね」
「食べれる魔物も居るんですね」
「どれ、1つ買ってみよう」
適当に屋台を選び、ジャッカロープの串焼きを買いアルテナに渡した。アルテナは恐る恐る口にすると、瞬間笑顔になった
「鶏肉よりも柔らかいですね!」
「ちょっと良い部位を選んだからね、部位によってはコリコリした硬い部位もあるんだ」
「そらこれが例の焼き菓子だ」
アレースがぶっきらぼうに渡してきたカップに入った菓子をアルテナは受け取った
「シナモンロールだね」
ルクトがそれを見て言うと、他の店からまた焼き菓子を買ってきた




