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隣の芝はファンタジー

作者: たぬ吉

「はいコレ。誕生日プレゼント」

「マジで? すごく嬉しい」

 友人からファンタジー小説をもらった。この小説は発売してしばらくたつのに、いまだ売り切れ状態が続く人気作だ。

 本好きの私もずっと探していたのだけれど、見つけることが出来ずにいた。そのため、最近ではもうしばらく読むことは出来ないと諦めていた。

 キャッチコピーは『類まれなる斬新なファンタジー』というものだ。

 ただでさえファンタジーは大好きなジャンルだ。その上このような文句までつけられては、気にならないわけがない。

「これ、よく買えたね。探すの大変だったんじゃない?」

「うん。でも、なんとか見つけた~。しかも2冊」

「ホント? なかなか売ってないのに。じゃあ、2冊買ったの?」

「買った~。そんで、もう読んだ~」

 普段本を読まない友人まで買い、既に読み終えている。相当面白いのだろう。話題先行でも面白くなければ途中で投げているはずだ。

「私もすぐ読むから絶対に内容言わないでよ!」

「うぃ~。でも早く読んでよ~」


 数日後、友人と一緒に学校から帰ることになった。

「あの本、読んだかい?」

「読んだ読んだ。面白かった~」

 私は小説について話したくてウズウズしていたが、なかなか友人と会う機会がなかった。

「離れた人と会話が出来る箱とか。すごいよね~。『ケータイ』って言うんでしょ? あと、紙に羽根ペンで書くんじゃなくて『キーボード』だっけ? それで書いたり」

 友人も余程我慢していたのだろう。私に話す暇を与えることなく、興奮気味に続けた。

「それで書いた手紙は『Eメール』って呼んだり。ああ、もう。言ってて分けわかんなくなってきたよ~」

 そこでようやく一呼吸おいた。だが、気持ちはよくわかる。それほどまでに、斬新だった。

「そうそう。普通、飛竜便を使うよね」

「渡すにしても島が浮いてるから、同じ地区でもなければ会うのも難しいもんね」

 私たちの国は宙に浮いた島を連結して成り立っている。島同士を結ぶ定期便も出ているが、離れた島の住人への伝言は数日かかってしまう。

「こんなのあったら便利だろうね」

「ね~。キャッチコピーに偽りはなかったよ~」

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