第6話
パパはどうしてあの城を襲ったのか
その真実に辿り着くには魔王の城に行く必要がある
ただ今のままだと一方的に殺される事になるだろう
魔王の城の人達とは皆顔見知りだ
どうにかして落ち着かせて話を聞けるほど
戦いの実力も必要だと思う
……私に出来るとは思えないけど…やらなきゃいけないんだ
陥落してしまったヒシンス城の状況
リアが生きてるかどうかも知りたいので
私達は逃げた道を戻ることにした
「そういえば君は、あのリーダー格と知り合いっぽかったな。あれは魔王軍じゃないのか?」
一緒に旅をするのだから、説明しておいた方がいいと思った私は
今までの経緯を全て説明した
「信じられない。君が魔王の娘だというのか?それにしては見た目が余りにも人間ではないか」
「それはパパも教えてくれないんだ、ママも私が産まれてすぐに死んじゃったらしくて…」
「しかし、そうなると妙だな、見たら君だとすぐに分かるはずだが」
「それを暴かないといけない、だから魔物は襲ってきても殺さないで欲しいの、元は皆私の家族のようなものだから」
「…………我が城を潰しておきながら、みすみす生かすか……」
「恨みたい気持ちは分かる、でもあの子達も悪意があるとは思えないの!お願い!」
「…………分かった」
納得してくれたみたいで良かった
よし、先を急がないと、リア……無事でいて…
やっと着いたヒシンス城は
とてつもなく崩壊されていた
暫く2人で誰かいないか探すも
倒れた人や魔物は全く見えない
どうしてだろう…?と思ってると「誰かいるの!?」と声がした
それは…………リアの治療をしていたボタンだった
「ボタン……?ボタンなの!?私だよ!カモミだよ!」
「カモミ…?良かった!無事だったんだね!!」
「で、でもどうしてここに?」
「私、カモミを送り出したあと、勇者の剣のこと気になっちゃって、近くにいたの。魔物達は私に気づかなかったみたいだから、急いでリアの手当てしてたけど……ずっと意識が戻らなくて」
リアは凄く傷だらけだ、でも息はしている
私を守るために……頑張ってくれたんだ
「ボタン……と言ったな、君も魔王軍なのだろう?今回の件何か分からないのか?」
「ずっと戦いを見ることしか出来なかったけど…魔物達は兵士達を倒したら、皆魔王城に連れて行っちゃったんだ。リアだけ置いていったのは謎だったけど…」
魔王城に連れていった?
殺さずにそうする理由が分からないけど
「なら父も、兵士たちも、もしかしたら生きてるかもしれないのか…今はそう願うしかない」
「とにかく今はリアをどうにかしないと!ボタン、なんとかならない?」
「私の治療じゃ難しいかも……」
するとシンが思い出したかのように手を叩く
「この近くの村のエーデル村に、薬等に詳しい商人がいると聞いた事がある。そいつに診てもらおう」
「じゃあ、わたしもついていく、デルちゃん達を止めたい」
「ありがとうボタン、じゃあ行こう!!」
【第6話 魔王軍の謎】
ボタンて誰だったっけ、と思ってるそこのあなた!
簡単に言うと幼なじみの子、と覚えててください