第4話
そういえば魔王軍の方々の見た目を公開してなかったと思い
簡単にではありますが置いときますね
魔王軍
魔王 茶髪のロン毛、よく髭の剃り残しがみえる、よくいるオッサンみたいな見た目。人間で言う40歳あたり
シャクヤク 赤髪のボブショート。ボロいTシャツとズボンを着ている18歳
チュリ 紫色のストレートロング。ゴスロリみたいな衣装をしている15歳
ボタン 白髪のおさげ、着物を着ている16歳
ジャスミン ピンクで肩にかかる程度。ノースリーブとスカートで、スカートからはしっぽがチラ見えしている。年齢不明
デル 青色の1つ結び。ワイシャツとズボンでキッチリした格好の29歳
ぜひ覚えてやってくださいな
私の話を聞きたい、と王子のシンは言ってきたので
そのまま私達は城へと案内された
魔王城以外に入ったのは初めてだけど
色合いとか、雰囲気とか、何もかも違くて凄く新鮮だ
「なるほど、観光だったのか、城下町はなかなかいい品ぞろえだろう」
「そうですね、素晴らしいものが沢山ありました」
シンとリアが話してる間にも
私は色んなところに歩き回って高価な物を見て回る
「見て見てリア!これすっごく高そう!」
「壊さない様に気をつけてくださいよ…すみません、王子様の前だというのに」
「元気があることはいいことでは無いか。気にしていないよ。それより、先程お嬢様と言っていたが、何処かの姫なのか?」
「あ、いえ、その…色々諸事情がありまして……詮索はお控えして頂くと助かります。(魔王様の娘なんて口が裂けても言えませんし)」
「そうか……」
ガチャッと私が違う部屋のドアを開けると
1本の大きな剣が床に突き刺さっていた
周りには眩いほどの明るい光で包まれている
「これは……」
「あぁ、君も聞いたことがあるだろう。かつての勇者が魔王を倒した時に、ここに勇者の剣を封印したんだ。また勇者が復活した時に私は直ぐにここに案内するつもりだ」
「そんなものを私達に見せても大丈夫なんですか?」
「あの剣は勇者にしか抜けない、そして勇者は今どこにいるのかも分かっていない。だからこうして観光客にも抜けるか1度試させて貰っているんだ」
「なるほど、じゃあ失礼して……」
私が光に見惚れている間にも
リアは勇者の剣を触って
思いっきり引っこ抜こうとする
しかし、ビクともしない
「まあ、予想通りですね、お嬢様、見たかった剣ですよ。どうぞ」
吸い込まれるように私は勇者の剣の持ち手を握る
すると、どんどん私はその剣を引き抜いていく
やがてその剣は、完全に抜けた
……え……引っこ抜けちゃった……
ぬけ……抜けた……???ンンン???抜けた??????????
「ゆ……勇者の剣が……抜けた!!?君が……勇者だったのか!!?」
「え、いや、あの」
「なんという事だ……急いで皆に報告しなくては!!!」
私が何かを言う前にシンは部屋を出ていってしまう
その瞬間、リアが私の両肩をつかむ
「ど、どういうことですかお嬢様!?これは一体!?」
「わ、分からない、不思議と惹き込まれていっただけなのに……抜けちゃった〜〜!!!」
「貴方は魔王様の娘、勇者では無いはずです!なのにどうして……」
「で、でもその事をシンに言う訳にもいかないし……どうしようリア〜〜!」
「ひ、ひとまずここは勇者ということで乗り切りましょう……魔王様への連絡を急がねば…」
そこまで会話していると
ゾロゾロと兵士達が部屋に入ってくる
その中にはシンもいる、隣はもしかして王様?
「おお!本当に勇者様が現れるとは!盛大な宴を用意します!どうぞご参列ください」
そして私達は流されるまま
この城のメイドさん達にドレスを着させられ
城下町の人たち全員が参加する宴が始まった
私は勇者という存在について詳しくは知らない
けど、それが誕生したというだけでここまで祝われると
申し訳ない気持ちと、嬉しい気持ちもある
するとシンが私の隣にきて片膝をつく
「勇者様がいなくなられて早16年……こうして復活されるとは思わなかったです。今まで無礼を許してください」
「ちょ、頭をあげてください!私はそこまで敬われる存在じゃありません!」
「で、ですが……」
「勇者とか王とか関係なく、私は平等であるべきと思ってるの、今まで通りのシンで大丈夫だよ」
「…そうか、そう言ってくれて感謝する」
それからシンから色んなことを聞いた
勇者が復活したら1番に守る騎士として名乗り出るつもりだったことを
魔王の復活の話は出ていないが、いずれ来るその時に向けて鍛錬をするべき、とか
熱心に話してくれた
勇者の復活を、1番心待ちにしていたのだろう
目の輝きが、そう訴えてくる
「私が勇者という自覚はまだしていませんが……精一杯頑張りますね!(本当は勇者じゃないだろうけど!!!)」
「あぁ、共に頑張ろう!」
シンと握手をかわす
すると、さっきまで連絡手段を取ろうとしていた
リアが私に耳うちをしてくる
「お嬢様、ちょっとよろしいですか?」
「ん?どうしたの?」
「魔王様への連絡がつかないのです」
「え、それってどういう……」
私の言葉は、とてつもない突風に防がれた
上から降ってくる突風に、思わず目をつぶってしまうが
目を開けた先には、広い広場の中心にいた女性を映した
あれは……
「デルちゃん…?デルちゃんだよね!?なんでここに!?」
私が呼びかけようと近づくと
デルちゃんは赤い手袋を両手に着けてこう言った
「…………始めるぞ。皆殺しだ」
【第4話 全ての始まり】