第1話
かつて、この世界は魔王によって制圧されていた
しかし、どこからともなく現れた勇者によって
この世界は平和になった…はずだった
魔王は闇の中で生きており
その後も、復活のために力を蓄えていた
もう復活しても良い頃合いだが…
何故か魔王は姿を現さなかった
その原因は…
「ついに来たぞ皆の者……待ちに待った…………娘が誕生した!!!!!!」
凄く娘に溺愛していたからである
……数十年後魔王城……
小鳥がさえずる音が聞こえる
カーテンの隙間から漏れる朝日が
私の瞼をくすぐる
もう朝か……と思ってると、コンコンとノックの音が聞こえ
外から声が聞こえる
「お嬢様。おはようございます、お食事の用意が整いました」
「おはよ〜リア!今ドア開けるね!」
すぐにドアを開けると
私の専属メイド、リアが顔を出す
メイド服の似合う銀髪の人間だ
相変わらず、綺麗だなぁ〜〜〜
「本日は、人間界で仕入れたサンドウィッチ、ハーブティーです」
「わぁー美味しそう!!ありがとう!」
「本日はどのようなご予定で?」
「今からデルちゃんとボタンと庭で遊ぶんだ!動きやすいドレス用意してて欲しいな♪」
「かしこまりました」
リアに頼み事をして朝食を取り
用意してくれた服に着替えて、部屋の外に出る
すると、ばったり2人の女の子が通りかかる
パパが選んだ、選りすぐり七軍王の人だ
シャクヤクさんとチュリちゃん、いつも一緒にいて仲良しらしい
チュリちゃんの方から挨拶してくれた
「あら、おはようございますカモミ様」
「おはようチュリちゃん!シャクヤクさんも!」
「…おはよう、相変わらず元気だなお前は、もう出かけるのか?」
「うん!待ち合わせしてて!2人も?」
「えぇ、今から少し遠い『マール城』に遠征なのです」
「俺は違う場所だけど、途中までチュリの付き添いだよ。めんどくせぇ」
「あらー?私は無理に頼んでないですが?」
遠征かー!いいなぁ、私も人間の住む場所、色々行きたいなぁ
と思ってると、シャクヤクさんが
チュリちゃんの後ろ首を掴みながら
「うぅっせぇ、さっさと行くぞ」と行ってしまったので
次はパパの部屋に行く
ハーブティーを飲みながら、七軍王の1人、ジャスミンさんと一緒にいる
「あ、やっほーカー君。パパ借りてるよん〜」
「おおカモミ。おはよう」
「おはよう!何してるの?」
「あぁ、気にしないでおくれ、いつものお小言だよ」
「うっわ、昨日の魔王軍会議をサボった人がよく言うよね〜」
「えぇーまた〜?もうパパダメでしょ〜」
「い、いやぁ、違うんだ。ここのところ腰が痛くてねぇ、いてててて」
「腰が痛い魔王とか名称聞きたくないんだけど。てか、抑えてるとこ足ね」
パパは魔王で、私も大好きだけど
どこか不抜けている、それをシャクヤクさんとかによく怒られてるんだけど
相変わらずのようだ
「デルとボタンとこれから遊ぶのだろう?暗くなる前に帰っておいで」
「分かってる〜もう子供じゃないよ〜行ってきまーす♫」
パパ達にも挨拶を済ませ、魔王城の外を出て
すぐ近くにある広い広い庭
そこには既に2人ともボールを蹴って遊んでいた
「デルちゃん!ボタン!おまたせー!」
産まれてからずっと一緒に遊んできた幼なじみ
長身ですらっとしたデルフィニウム、
通称デルちゃんと
着物を着た女の子のボタンだ
これで魔族だというから凄い
「お、やっと来たなぁ、もう始めてるで」
「あ、カモミ、聞いてよデルちゃん意地悪なんだよ」
「ハッハッハ!悪いなぁ!身長には自信あるんよ」
「何してたの?ボール蹴り?」
「人間界で流行ってるサッカーって言うやつよ、足だけで蹴る競技なんだって」
「おもしろそー!」
私はすぐにそのボールを蹴ってみると
遠くに飛んじゃって、ボールが見えなくなってしまう
しかし、すぐにデルちゃんが手に紫の光を灯すと
ボールがひとりでに帰ってくる
サイコキネシス?というやつらしい
「ちょいちょい、野球じゃないんだからあんま飛ばすなよ」
「あぁごめん!力加減難しいねぇ」
「フフっ、まずはやり方を色々教えなくっちゃね」
その後、庭で数時間、ボールをずっと追いかけたり
かけっこ?というものをしたり、野球?というものをしたり
人間がよくする遊びをひたすらした
3人して汗だくで寝転がっていると
リアがタオルを3人の顔に投げてくる
「もう少し女性らしい遊びは出来ないのですか?」
「体動かすのはいい事だろ〜なっ?」
「楽しかったよ〜」
「はぁ……シャワーの用意をしておきますね。まずは泥だらけすぎるデル様からです」
「おぉ〜ひっぱるなよ〜」
リアとデルちゃんがいなくなり、汗を拭いていると
寝転がっていたボタンが、思い出したかのように起き上がる
「そういえば、ここの近くに『ヒシンス城』あるじゃん。そこにね、勇者の剣が眠ってるらしいよ」
勇者の剣!?何そのかっこよさそうな剣!
「君が産まれる前に、魔王を封印した勇者は、同時に眠りにつき、魔王が目覚めた時、勇者もまた目覚める。という伝説が出来てね。その時の剣は、魔王城の近くで見つけて、勇者が現れるのを王様が待ってるんだって」
な、なんかかっこいいなぁ……
その剣、見に行ってみたい……!
「カモミの見た目が人間っぽいし、見に行くだけだったら大丈夫じゃないかな?リアさんでも連れて行けばいいと思う」
「そうだね!ありがとう!汗流したら行ってみる!!!」
「行ってらっしゃ〜い」
この時の私はまだ知らなかった
これが、私の、そして皆の運命を左右する出来事だったことを
【第1話 序章】
どうも!六道傑です!
朝で投稿する予定がいつの間にかこんな時間に……
それはさておき、自信作が作れたので今日から日曜以外は毎日投稿します!
この時間帯だとは思うのですが報告は随時Xのほうでしますので何卒よろしくお願いします!!