あなたへのピアノ曲
あなたの心に響く言葉
朝まで奏でていたピアノ曲
聞けなくなるまで
探し求めた
楽譜の中の新世界
目に見えないあなたの居る場所
「こころ」と呼ばれたあなたの世界
その空から手を伸ばすように
そっと指先をピアノの鍵盤へと
言の葉にのせて
あなたへと届ける協奏曲
夜の星空
何て言えば良いのだろう
この寒い冬の夜空に
ピアノの音ひとつ
雪が舞う
シンシンと降り積もる中
協奏曲が佳境をむかえるほど
見えなくなる
あなたの姿
音符の階段をのぼる
積み重ねられてゆくあなたへの言葉
忘れたくない想い指先にのせ
奏でる
雪の彼方──ソナタ形式で連ねて
白と黒の鍵盤は代わるがわる変化する音
私とあなたみたいに
「こころ」の中の世界が夜になって
眠りの時間
あなた休まる暖かい暖炉の火を灯して
私はあなたの「こころ」の中で
子守唄を指先にあなたを抱いていたい
あなたへの愛のエチュード灯して