第9話 前
「あ"〜。」
エレナが机に突っ伏しながらエレンが喘ぐ。
「はっはっはー。僕に勝とうなんて十年は早いぞ‼」
「うぅ〜。最悪だ〜。」
「ふふふ。まあ、記憶力さえあれば大丈夫だけどな。」
エレンが顔を上げながらこちらを見ながら言ってくる。そこに僕はこんなことを言う。
「ほんとにそれだけなんですか〜?」
「はっはっは〜。多分だけどな。でもこれでお互いの距離は近づいた気がしない?」
「はっ‼言われてみればそうですね‼」
机から体を上げて手を口に当てながらエレナが驚く。実際にこれが目的だったし、これはエアが提案してくれたから確実だしね‼
「これが目的だったんですか?」
「もちろんだ‼僕の相棒が言ってくれたからな‼」
「相棒ですか?そんな人がいるんですか。どんな人なんですか?」
エレンがすごく”疑わしい”という感じで目を向けてくる。ま、また上目遣いだ。僕は無性だけど、前世が男だからな〜。これは少しきついものがある。
[なにかんがえているんですか。はぁ〜。]
[大丈夫‼手は出さない‼]
[出してもいいことないですしね〜。]
[ははは。]
「どんな人なんですかっ‼?」
「えっと〜、その〜、あ〜、誰でもいいんじゃない?」
とりあえず曖昧に答えてみるがこれが悪かった。
「誰でもよくありません‼だれですかっ?」
「うおっ‼」
な、なにか怒らせるようなこと言ったか?
[言いましたよ。思いっきり。]
[え?マジで?何がいけなかったの?]
[ご自分で気がついてください。]
[えぇ〜そんなぁ。]
「カイン様。国王様がおまちです。」
僕が考えている間に誰かの執事が来たようだ。これは正直助かった。
「あ、はい。」
ふと、エレンを見てみると、さっきまでの見幕はなかったようにすぐに切り替えていた。この切り替えの速さは目をみはるものがあると個人的には思う。
「それでは誘導いたします。」
そして執事(?)についていった結果、とてつもなく大きい門のような扉の前に立たされた。
「すぐに呼ばれますので、こちらで待機していてくださ。」
「わかりました。」
いつ呼ばれるかわからない今、けっこう地獄の時間だよな。みんなもそう思うだろ?
[誰に言っているんですか?]
[ん〜、僕達をみている人ら?]
[いますかね?そんな人。]
[知らん‼]
[はぁ。]
[あ、後十秒で呼ばれますよ。]
[ああ、わかった。]
そして僕は呼ばれるのを待った。この待つ時間がかなり苦になる人もいるらしいが、僕の場合エアとずっと喋っていたからさほど苦にはならなかった。




