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出会い

日本語が変になっていると思いますが、温かい目で見守って下さい。


俺はずっと昔に星を創造した。

星の名はゴダム。

世に忘れ去られた竜が居座れるよう、俺なりに工夫を凝らした。

だが、俺は神に等しき力を持つ龍だった。だからだろう。星に居着いた竜達は恐れ戦き、俺に近づくことすらなかった。

それでも最初は一人でもなんともなかった。だが、竜達を見ると一人でいることが虚しく思えた。一人でいることに耐えられなかった。だから、俺の力を糧とする七つの分身を造った。

俺自身、その時は一人ではないことを喜んだ。

が、分身は分身。俺の恐怖に分身は耐えれなかった。

そして、分身は俺を封じた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ピチャン…


水の落ちる音が壁に反響しながら耳に響き、目を覚ました。


……ここは…いったい…


目が覚めたばかりではっきりしない脳を使いながら、今まで起きたことを思い出す。


ああ、確か…封印されたんだったな…


そう思いながら、深呼吸した。

少し湿った生温かい空気が口の中に充満し、その匂いを楽しむ。


…さっきの反響…狭い場所か…少しだけだが湿ってる…洞窟か……ん?


ふと、鉄と薬草が混じった匂いが微かにした。


…どういうことだ…ここが洞窟なら草の匂いは…


「耳が尖ってるってことは、エルフかな?」

突然、聞いたことのない声質の高い声が聞こえた。


…誰だ?


「エルフな訳無いだろ。エルフは湿った空気が嫌いで、洞窟とかのじめじめした所には住まないって言ってたじゃん。」


今度は若干低めの声が聞こえた。

こいつら…此処が俺がいる場所だと知ってるのか?


目をゆっくりと開け、その声の主を見た。

刹那、俺はこの世界ではあり得ない存在を見た。

髪は少し短い黒色に質素な革の鎧を着た少女と髪が茶髪で金属製の鎧を着た少年。

そう、人間だった。

唖然としながら、その人間を見ていると、彼らの顔が引きつった。そして、

「うぎゃあああああ!!」

後ろ歩きで逃げようとして、二人とも腰を抜かした。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


まさか冒険者になった日にこんな事になるなんて、夢にも思わなかった。


私達が今いる世界は大昔、ドラゴンしかいませんでした。

しかし、何故か今はドラゴンはこれっぽっちも見当たりません。

歴史を研究している人達も未だに謎だと言われています。

けど、中には子供なら誰でも最初に読む絵本、『竜の王』が実話なのでは、とも言っている人も。

さて、この私達が今いる世界、ゴダムでは、13歳になると冒険者になるか、ならないかを選択する儀式が行われる。

私とアリドは小さい頃から冒険者に憧れていたので、迷わず冒険者になった。

そして、一番最初に簡単な仕事であるフジリカの洞窟付近の薬草十種の採取を受けた。

このフジリカの洞窟付近は魔物が寄り付かない安全な場所で、幼級位(カラフ)の冒険者の仕事場にちょうどいい所だけど、何故か洞窟には入る事は禁じられてる。

まあ、薬草十種集めてしまえば終わりだから大丈夫と思っていた私が馬鹿だった。


フジリカの洞窟付近で薬草十種採取し終えたアリドは私に洞窟の中に行かないかと誘った。

最初は私もダメだと言ってたけど、魔物がいないからいいかなと思って洞窟の中に。


「うわ…結構じめじめしてる。気持ち悪っ!」

洞窟の中は普通の洞窟とほぼ変わらず、空気が湿っていた。

「けど、魔物がいないだけまだましじゃん。」

「確かに。」

そう言いながら、奥へと進んだ。

「そういやさ~、リン。」

「ん~何?」

奥になっていくにつれて狭くなる道を歩きながら、アリドは後ろを向いた。

「ここってなんで魔物がいないんだ?」

「へ?なんでって……考えたこともないかも…」

確かにこのゴダムでは魔物はどこにでも生息してる。けど、魔物がいない場所はエルフが管理する聖域ともしくは神級位(テラト)の魔物がいた場合のみ。

「……ねえ。アリド…」

「…言うな。俺も今後悔してる。」

魔物や私達には階級があり、強い方から神級位(テラト)竜級位(リフラ)獣級位(ガラト)仁級位(ピユア)幼級位(カラフ)になってる。

そして、私達は幼級位(カラフ)神級位(テラト)に会えば一目瞭然。

「「……」」

無言のまま、奥へ奥へと進む。すると、広々とした場所に出た。

「うわぁっ…!綺麗…」

まるで、神の住処のような場所に感激の言葉しか出なかった。

洞窟の中とは思えない程の緑の豊かさに、その主のように聳え立ち、露に濡れた巨木。

「洞窟の中にこんな場所があったなんて…」

辺りを見回しながら、巨木に近づいていくと誰かが巨木の根元で寝ていた。

「アリド!ここに人がいるよ!」

「え!?……って…人じゃねえよ…」

確かによく見ると、耳が尖っていて人じゃない。

「耳が尖ってるってことは、エルフかな?」

首を傾げながら、熟睡してるエルフらしき子供を見た。

「エルフな訳無いだろ。エルフは湿った空気が嫌いで、洞窟とかのじめじめした所には住まないって言ってたじゃん。」

じゃあ、エルフじゃないとしたら、この子何なんなのよ。

確かにエルフのほとんどはこの子のような漆黒の黒ではなく、綺麗な金髪。そして、見たことのない衣服。これだけじゃどの種族かわからない。


ピクッ


刹那、その子供の手が動き、目と口を開けた。

口は牙がしっかりと見え、目は金色でまるで、『竜の王』に出てくるドラゴンの目そのものだった。


…ドラ…ゴン…


「「うぎゃあああああ…!」」

後ろ歩きで逃げようとしたものの、二人して腰を抜かした。



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