073 一緒にトレーニング
「よし。開店準備は問題なさそうですね!」
「うん。珍しいお菓子とかいっぱいだね」
「各地で集めた素材が役に立って良かったです」
一応、掲示板みたいなやつに宣伝はしておいたから、開店初日でもお客さんは入ってくれるとは思う。
僕のお店、みんなから忘れられてたりしないよね。
「とりあえず、お店の準備はこれくらいにして……ちょっと訓練します?」
「訓練?」
「クロアさんのお屋敷の訓練場をお借りして、今のマナさんのレベルを確かめましょう」
ゲームにおけるレベルが低くても、マナさんは元々センスがある。ゲーム慣れしてるし、あとは自分の特性を生かした戦い方を覚えられればいい。
だったら、僕は相手として申し分ないはず。
「ミヤ、協力してね」
「みゅうっ」
肩に乗ってるミヤが元気よく返事をしてくれた。
僕だって経験は積んだ。少しくらいは訓練の相手になれる。
■ □ ■
訓練場に入り、九尾さんに頼んで結界を張ってもらう。
僕の召喚魔法は周りに被害が出る可能性もあるから、一応ね。
「それじゃあ、いきますよ」
「お、お願いします!」
「僕もミスマッチのことはうぃっちさんから聞いてます。魔法攻撃は完全に無効化する。でも、どんなに魔法が効かないとはいえ、物理は入る」
僕はノームを召喚し、マナさんの足元を崩していく。
マナさん本人に魔法が効かなくても、その周りのものを活用すればいいだけの話。
「うわ、っわ!」
マナさんがバランスを崩した隙にミヤが飛び掛かる。
ミヤがマナさんと交戦してる間にノームを戻し、シルフを呼ぶ。
「シルフ。風の刃」
ミヤの攻撃に合わせ、マナさんのバランスをどんどん崩していく。
無効化される魔法を直接当てる必要はない。確かに真奈さんのミスマッチはこの世界では無敵になれるかもしれないけど、欠点はある。
うぃっちさんと戦ったときに装備を壊されたって聞いたし。
「うまく攻撃を避けて、相手に近づけるかが重要です。マナさんは魔法使い相手に強いかもしれないけど、その逆に弱点にもなる」
「な、る、ほど……!」
「ただ魔法をぶつけるだけが魔法使いの戦いじゃありません。まぁ、僕の場合は精霊魔法なので、ちょっと特殊ではありますけど」
「それにしても、ハル君は本当に強くなったね……! 攻撃避けるだけで精一杯だったよ」
「いえ、こっちは二人掛かりでしたから。マナさんは十分凄いですよ」
やっぱり、マナさんの戦闘センスは凄いや。
ミヤだって全力ではないとはいえ、僕の邪魔を避けながらミヤの攻撃を交わしていくなんて。
「あとは、ミヤとの連携を取れるようにすれば」
「そう、だね。でもちょっと、休ませてっ!」
「あ、ごめんなさい!」
「ゴメンね、これくらいでバテちゃって」
「いえ。今日はこれくらいにしましょうか」
僕は店で用意していた紅茶とお菓子をマナさんに出した。
冷たいハーブ茶は僕の特製。旅をしてるときに見つけたハーブを色々ブレンドして作ってみたんだ。
「あー、すっごく美味しい。体力回復するー」
「良かったです。明日はお店もあるので僕は訓練を手伝えませんけど、もう少しすればクロアさんも帰ってきますし」
「ク、クロア……一度手合せはしたけど……」
「強かったですか?」
「強かった、とは思うけど……他のことでインパクトが……」
何のことか分からないけど、とにかく対魔王に向けてやれることをしよう。
「あ、ねぇハル君」
「はい?」
「私も……お店手伝うなら制服っぽいの着た方がいいのかな?」
「制服……って、あのエプロンドレスのことですか?」
「う、うん!!」
「着たいんですか?」
そっか、今は男の姿だけどマナさんは女の人だもんね。
衣装、用意した方がいいかな。
USER NAME/片岡春臣
LOGIN NAME/ハル
SEX/女?
PARTNER/ミヤ
LOGIN TIME/35113:07:45




