045 旅立ち
ボクはお店にcloseの看板に休業しますって張り紙をしてから家に戻った。
決意が鈍らないうちに行こう。
ミラさんたちが心配するといけないから、置手紙だけ残しておこうかな。
『ちょっと他の街に行ってきます』って書いておけばいいよね。
「アイテム……お菓子ばっかりだけど良いよね」
回復薬には困らないし、いざって時の為に調理道具とかも持っていこう。
こういうのを持ち運ばなくてもいいからゲームって凄い。
メニュー画面を開いて、ポチッと収納出来ちゃう。
シグさんみたいに旅商人みたいなこととか出来ちゃうかな。
『出張版グラーティア』みたいな。
そうやって、色んな人から情報集めたりできればマナさんも直ぐに見つかるよね。
マナさん、結構目立つし。
「そういえばボク、お店用の衣装と最初から着てた服しかないや」
……物凄く軽装備だよね。
でも、今から何か買いに行くのもなぁ。
それに武器もない。
魔法だって、畑の水撒き用に買った初級の水魔法しかない。
いくらミヤがいるからってこれはマズイかな。
もっとちゃんと準備してから行くべきだと思うけど、こうしてる間にマナさんのみに何かあったらと思うとモタモタしていられない。
……仕方ない。
いざとなったら道中で買えばいい。
マナさんだって直ぐに見つかるかもしれないもんね。
そうなったら、またボクの作ったご飯を食べてもらおう。
それで、大きなケーキも作って一緒に食べるんだ。
マナさんがいくら強くても、女の人なんだ。
ボクが、守らなきゃ――。
「……よし」
ボクはミヤを抱きかかえ、家を出た。
――行こう。
待ってて、マナさん……!
USER NAME/片岡春臣
LOGIN NAME/ハル
SEX/女?
PARTNER/ミヤ
LOGIN TIME/0110:34:54




