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Trans Sexual Online~のんびりほのぼのTS生活~  作者: an℟anju
第一章 ログイン開始
3/79

001 仮想空間へ

「暑い……」


 まだ5月だというのにこの暑さ。

 ゴールデンウイーク真っ只中の東京はまるで灼熱の砂漠のようだ。


「暑い……死ぬ……」


 燦々と降り注ぐ太陽のなか、アイスを頬張る。

 5月でこんなに暑ければ、今年の夏はどうなってしまうのか。

 考えただけでも恐ろしい。


 時刻は正午。

 大学の講義も今日は午前中で終わりだ。

 というかゴールデンウイークに補習授業とは……。


「さて、と……」


 残りのアイスを一気に食べ終え、私はベンチから立ち上がる。

 こんな暑い所にはいられない。

 さっさと帰ってあそこ・・・に行かなくちゃ。


 ようやく手に入れた人気VRMMO。

 正式サービスは今日の午後から開始される。

 なんといっても醍醐味はTS(=性転換)だろう。

 いや、別に性転換の手術を受けるとか、そういう生々しい話ではない。

 これはゲーム内での話。


 私こと佐塚真奈美さづかまなみは人生で一度で良いから『男』になってみたかったのだ。

 それがこのゲームでは叶う。

 男の身体を手に入れて、仮想空間で縦横無尽にモンスター共をバッタバッタ――。


「嗚呼……。なんて快感……」


 一人そう呟きながらも足早に帰路につく。

 明日から講義も休みだし、恐らくこのゴールデンウイークは家に篭ってゲーム三昧になるのだろう。

 彼氏もいないし、友人も少ない私にはお似合いの休日の過ごし方だ。

 ホクホク顔でそんな事を考えながらも帰宅する。





 家に着くなりゲームを起動。

 手のひらサイズのCPUにゲームカードを装着。

 イヤホンを付け、記憶情報とデータバンクをリンクさせる。


 軽い眩暈に襲われながらも、意識が徐々に落ちていく。

 仮想空間バーチャルリアリティエリアに入るときはいつもこの感覚だ。

 小さい頃からずっとVRMMOをやって来たのに、未だに慣れない。


 七色の光が瞼の裏に映し出される。

 脳内の情報がCPUにインプットされる。

 左手の指先にチクリと軽い痛みが走る。

 それが頭を通過して右手の指先に。

 そして全身へと広がって行く。


 一瞬強い光が瞼の裏を照らし出し――。


 ――私は《Trans Sexual Online》の世界へと誘われる。



















USER NAME/佐塚真奈美さづかまなみ

LOGIN NAME/マナ

SEX/女

LOGIN TIME/0000:00:15

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