ノーナとマイカ
マイカ…絵描きを生業とする少女。彼女には不思議な力があり絵を具現化させ、命を吹き返らせる事が出来る。しかし効果は約1時間で過ぎるとドロドロに溶ける。
刹那…マイカの恋人。弓矢の名手。のぞのぞと付き合っていたが依存性質ののぞのぞに辟易し距離を取るようになった。それでマイカと知り合い今に至る。
ノーナの訓練の成果を見るシュカシュカ。
シュカシュカはノーナの作った料理を味見している。
「どうですかシュカシュカ先輩?」
「うーんちょっと薄味ですぅもうちょっと塩を足したほうが良いと思うですぅ」
とシュカシュカは評価を下す。
「そうですかはぁ…」
ノーナは落ち込む。
「まだ入ったばかりだしそんな落ち込まなくても良いですぅまだこれからですぅまだ若いんだし」
シュカシュカはノーナを励ます。
「しかししかし、ノーナはシュカシュカ先輩に並んで一緒に人助けがしたいんです。まだまだ半人前で一人前の仕事をした事もありませんし」
「気持ちは嬉しいですぅ。でもでも気張り過ぎるのも良くないとポーネ先輩も言ってたですぅ、息抜きに行きましょうぅ」
とシュカシュカは苦笑いして過剰に意気込むノーナを外に連れ出す。
「うわぁい♪」
(喜んでくれて良かったですぅ)
無邪気に喜ぶノーナの反応にシュカシュカは安心する。
するとするとどこかで挙動不審な男性を見かける。
「シュカシュカ先輩あの男の人何かしてるよ?」
「指を差しちゃ駄目ですよぉノーナ」
シュカシュカはノーナを叱る。
なんと男性は首を吊ろうとしていた。
「ねえねえシュカシュカ先輩あの人輪っかに首をかけようとしてる」
それを見たシュカシュカは流石に止めなきゃと言う思いが強くなる。
「ちょっと何してるんですか自殺はやめてくださぁい!」
「止めてくれないでくださいっ!私は娘の所に行きたいんです!」
シュカシュカは抵抗する男性を力づくで抑える。
「ロザリオアタックでなんとか止められたですぅ…」
とシュカシュカ。
「シュカシュカ先輩凄いなぁ…」ノーナはシュカシュカの活躍に目をキラキラさせていた。
「どうしたんですかぁ?困った事があるなら話を聞いてあげるですぅ」
シュカシュカはうずくまり子供のように泣く男を慰める。
(ほっとけば良いのに…)とノーナは内心思う。
「何してるの?」
そこでポーネとカマンが通りかかりがてらシュカシュカ達に聞く。
「この人泣いてるですぅポーカマ先輩も何か声かけて欲しいですぅ」
とシュカシュカ。
「可哀想だけど泣いてる大人はみっともないわ。頼りにならない男は駄目よ駄目」
「カマン姉様言い過ぎですわ、まあ私もそう思うけど…」
とポーカマは塩対応。
「駄目ですぅポーカマ先輩!そんな事言ってはこの人にもきっと事情があるですぅ!」
シュカシュカは立ち上がって怒鳴る。
「まあ好きにしなさいポーネ行くわよ」
「そう言う事ねシュカシュカさんの決めた事なら止めないわ精一杯やりなさい」
とポーカマは言って去って行った。
「ありがとうございますぅポーカマ先輩」
シュカシュカは感謝を述べた。
「シュカシュカ先輩凄いな。先輩達を諌めるなんて」
「そんな事は無いですよぉおじさんを励ましましょう先ずは事情を聞かなければ」
そしてそしてシュカシュカ達は男性から事情を聞く。
「娘がいたんだが死んでしまった。私が死なせたのだ。たった一人の娘だったのに…」
男性は罪悪感に打ちひしがれていた。
「話せばスッキリするですぅシュカシュカ達に話すですぅ」とシュカシュカは言う。
その男性の娘が失踪したのは約5年前…。
丁度、ノーナと同じ年齢の頃だった。
その男性は娘とデパートに行っていた。
「うわぁ凄いな凄いな!」
「喜んでくれて嬉しいよリカリカ」
そんな時男性が便意を覚えてしまう。
「ちょっとトイレ行ってくる行ってくる」
「うん待ってるねお父さん」
リカリカはこう言って待ってくれる。
しかししかし男性が出た後リカリカがいなかった。
「リカリカ………?」
ずっと探したが見つからず、捜索隊やメイド隊を呼んでまで探す事に。
彼女がいなくなって数年後、山奥で遺体がありそれがリカリカのものであるとわかった。
男性は強いショックを受けた。
それから今に至る。
「おじさん奥さんはどうしたの?」
「ちょっとノーナこんな事聞いちゃいけないですぅ!」
突如空気の読めない言葉を口走ったノーナをシュカシュカが叱る。
「駄目ですか?」
「駄目ですぅそれは聞いちゃ駄目だと思うですよぉ」
首を傾げるノーナをシュカシュカは叱った。
「奥さんは病気で亡くなってしまったよ…」
「まあなんて事…ノーナちゃんがすみません」
シュカシュカは尚の事、メイド隊員として男性を助けなければと思うようになった。
「あぁ俺は疫病神なんだだからだから、俺が死んだ方が世は救われる」
「そんな事は無いですぅ待っててくださぁいシュカシュカ達が貴方を助けてあげますぅ!」
とシュカシュカは力強く答えた。
「さあノーナちゃん行きますよぉ!」
「は、はい!」
ノーナは意気込むシュカシュカについて行く。
シュカシュカ達は見せてもらった娘の写真を。
大変可愛らしい女の子だった。
そんな子を大変手塩をかけて育てたのだろう。
そしてそして成長を見守り、結婚して孫の顔を見せてくれるだろうと期待を込めて育てた娘が突然変わり果てた姿で無言の帰宅。
父親としてはそうなるのも無理は無い。
「おじさんその写真をお借りして良いですか?」
「良いけど何に使うんだい?」
と男性が聞いてくると
「大丈夫ですぅおじさんを幸せにするですぅ!困ってる人を助けるのがメイド隊員なのですぅ!」とシュカシュカは答えた。
そしてノーナもそうなのかと思った。
「ノーナちゃん、先輩を見て育つですぅそしてそして良い子になるですぅ!」
「わかりました!ノーナ、シュカシュカ先輩について行きます!」
とやり取りして奔走した。
「確かに私の親戚で絵を具現化出来る子がいます。しかししかし、だからってその男の人が幸せになれる訳では無いと思いますが…」
シュカシュカ達が尋ねたのはのぞのぞ。
のぞのぞの親戚にはマイカと言う少女がいて、彼女は自身の描いた絵に魂を宿らせる事が出来る。
その絵は感情を持って動いたり、話したり出来る。
だがその命は一瞬。
りおりおの時もそうだったが、生きているように考えを持ち、動いていても数時間後には溶けてドロドロになる。
しかししかし、生きてて魂を持つ存在。本人の救いとなる存在がいるのといないのとでは大きく違うのだ。
一瞬だけでも良い、本当なら男性が先に逝って娘は生き続けないといけないのに逆があってたまるものですか。
だが現実は無情だ。
スイーツ城からある程度離れた町にマイカのいるパステリカ町がある。
バスを伝って通わないといけない。
「シュカシュカと手を繋ぐですぅ迷子になってはいけませんよノーナ!」
「はい先輩」
そして本当の姉妹のようにバスに乗る。
お婆さんが尋ねてきた。
「お嬢さん達が二人で旅なんて偉いねえ姉妹かい?」
と尋ねられたシュカシュカは。
「違いますぅシュカシュカはノーナちゃんの先輩ですぅシュカシュカはノーナちゃんにメイド隊員の仕事を教えているですぅ!」
と元気よく答えた。
「おやまお嬢さん達はメイド隊員かい?人を助けると言う!偉いねえ頑張ってね!」
「はいですぅ♪」
そしてそしてシュカシュカ達とばあさんは別れを交わす際。
「ノーナちゃん、人と別れる時はこうやって手を振るんですよぉ!」
「こ、こうですね?」
「よく出来ました偉いですぅ!」
とシュカシュカがノーナに基礎マナーを教えまくった。
(シュカシュカ先輩に褒められた!ノーナは偉いんだ!)
ノーナは思わず綻んだ。
「えーとえーとマイカさんのいる住所はっとここですねぇ?」
と玄関の門の前に「辛辣」と言う二文字のある看板がありわかった。
ピンポンとインターホンを鳴らす。
すると眼鏡の男性が現れた。
「君達は誰だい誰だい?」
「シュカシュカはシュカシュカと言いますぅそしてそしてその子はシュカシュカの後輩のノーナちゃんですぅ!」
「ノーナと言います初めまして」
シュカシュカ達は自己紹介する。
「実は実は、マイカさんと言う人にご依頼があって来ましたぁ」
「ごめんねマイカはうちの彼女だけど最近思うように絵が描けなくて荒れてるんだ「うああああぅあ!!!」
刹那が困り顔で事情を話してると奥からけたたましい悲鳴が轟いた。
思わず飛び跳ねるノーシュカ。
「くぉらああぁ!!!刹那うるさいいいぃ静かにしてえええぇ!!!」
ドカドカドカドカと刹那に暴言を上げながら暴れるマイカ。
「マイカちゃん落ち着いて落ち着いて……うわぁっ!!」
刹那はマイカを慰めに行ったが逆にぶっ飛ばされた。
刹那はボロボロになって戻って来た。
「……この通り今のマイカは手がつけられないんだだからだから、次回に来てもらえるかな?」
「大丈夫ですぅチイチイママも時々そうなるですぅその時は明日香先輩とまりりん先輩が二人がかりでようやく止めますが普通の女の子相手ならシュカシュカでもやれますぅ!」
とシュカシュカは言った。
シュカシュカはチイチイママの荒れた姿は度々目にしていて明日香やまりりん、下手したらトーマも動く事態になる。
城内はその時はボロボロになるがマイカは一般女性なので部屋か身内で済むだけなんとか止められる。
シュカシュカは護身術とかある程度チイチイ父から教わったのでなんとかなるはず。
「大丈夫?怪我するよ?」
「大丈夫ですぅノーナちゃん上がりますよ人助けするですぅ!」
「はいシュカシュカ先輩!」
ノーシュカは家へ上がる。
「何かあったら僕も助けるけど本当に大丈夫?」
とにかく刹那は気が気でない。
相手は若い女性だがノーシュカはそれよりも幼い子供だからだ。
ノーシュカはマイカのいる部屋へと乗り込む。
「うあああぁ!!何もかもぶっ壊してやるううぅ!!!」
マイカは部屋を滅茶苦茶にして暴れていた。
「マイカさん落ち着いてくださぁい!シュカシュカ達にはマイカさんの力が必要ですううぅ!!」
「貴女達はそうね!敵の回し者ね容赦しなぃわあぁ!!」
マイカはパステルを広げて素早い速さで何かを描いた。
絵の中から騎士が飛び出しシュカシュカ達に襲いかかる。
「ロザリオアターーーーック…きゃぁ!!」
シュカシュカは逆にぶっ飛ばされる。
「シュカシュカ先輩大丈夫ですか!?」
ノーナがシュカシュカに駆け寄る。
騎士が斬りかかってくる。
「真剣白羽取り!!マイカ落ち着くんだ!」
刹那が騎士の剣を受け止めてマイカを宥める。
「うるさいいぃ!!」
マイカは禿鷲を描いた。
禿鷲は刹那に急降下で迫って来た。
「くっライトエッジ!!」
シュカシュカはライトエッジで禿鷲を牽制する。
(ノーナも動かなきゃ動かなきゃ…)とノーナは思ったが思うだけで体は思うように動かない。
恐怖ですくんで立ち上がる事も難しかった。
「はっはっは私の描く絵は無敵よ誰にも敗れないわ!!」
マイカは人が変わったように嘲笑う。
「ロザリオアタック!!刹那さんから離れなさぁい!」
シュカシュカのロザリオアタックでようやく騎士は崩れる。
「君達は下がってて!」
「何言ってんですぅ!シュカシュカ達はメイド隊員ですぅそしてそして二人でマイカさんを止めるですぅ!」
(シュカシュカ先輩達頑張って!!)ノーナは物陰に隠れてひたすら二人を応援した。
「出でよ十字剣!!ですぅ」
シュカシュカはロザリオを巨大化させてあるものを具現化させる。
それはそれは十字の形をした剣だった。
「そんな代物で私を倒そうなんて私も見くびられたものね!どんどん描いてやる出でよアークデーモン!!」
マイカはアークデーモンを描き襲わせる。
「シュカシュカは負けないですぅスーパーロザリオアターーーーック!!」
アークデーモンは槍でシュカシュカを薙ぎ飛ばす。
「キャア!」壁に打ち付けられるシュカシュカ。
「いい加減にしないかスーパーアロー!!」
刹那が異能の矢を射るが同じく槍で矢をぶち破る。
「どうしようどうしよう……」
ノーナは物陰に隠れているそんな所ノーナの脳裏に声がした。
『ノーナよ目覚めよ!』
「ノーナを呼ぶのは誰!?」
『儂はベルゼブブ、貴殿が生まれし頃より仕えてきた守護霊。6年間眠っていたが今目覚める時が来た!解き放つのだ我の力を!』
そしてベルゼブブはノーナの中に入った。
「凄いこれがノーナの力…!」
『さあ暴れているマイカを止めるのだ!』
「うんっ!」
そしてノーナは勇気を振り絞って前に出た。
「マイカさんやめてくださいっ!私には貴女の力が必要です!!」
「何よ貴女なんか私のパステルマジックで蹴散らしてあげるわ!!」
「ロザリオアターーーーック!!」
横からシュカシュカの会心の一撃がマイカを貫く。
マイカは勢いよく飛ばされ壁に打ち付けられた。
その拍子にマイカの描いて具現化させたものは次々と消えていった。
「マイカ大丈夫か!?」
「マイカさんごめんなさい!ですぅ」
刹那とシュカシュカが駆け寄ってマイカを介抱する。
「あれ?私は……」
マイカは冷静さを取り戻した。
ーーー
「実はこの写真とそっくりの人を描いて具現化させて欲しいですぅ」
シュカシュカは写真の女の子を描いて欲しいとマイカにお願いする。
「ごめんなさい上手く絵が描けなくなってむしゃくしゃしてたの……だからだから今描いてと言われても描けるかどうかわからないわ…」
マイカはそう言う。
「大丈夫だよ下手になっても俺は笑わないむしろ一生懸命に絵を描く君が好きなんだ」
と刹那は力んで放つ。
「ありがとう刹那。でもでも…」
マイカは刹那に礼を言うがそれでも描く事を渋る。
「シュカシュカは困ってる人を助けたいんですぅ。その人は娘を亡くして凄く落ち込んでましたぁ」
「そうなのね可哀想に…」
シュカシュカの必死の訴えにマイカは僅かながら反応を見せる。
「その人はノーナと同じ歳の頃に亡くなったの、おじちゃん凄く泣いてたの、だからノーナ。その人を助けたいの」
ノーナも一緒に声をかけてあげた。
「描いてみなよマイカ」
刹那は薦める。
「うん頑張ってみる」
そしてマイカは写真の女の子を一生懸命、丁寧に描く。
女の子の父親を救う為に。
マイカの絵から出る可憐な少女。
間違いなくリカリカだった。
「おぉ凄いじゃないか!マイカ全然下手になってないよ寧ろ凄く似てるじゃないか!」
刹那はテンションが上がる。
「えへへありがとう刹那、先ずはその子の事ね。リカリカ、この子達に挨拶して?」
マイカが問いかける。
「私はリカリカ。これから何をすれば良いの?」とリカリカがマイカの声に反応し尋ねる。
「シュカシュカはシュカシュカですぅ実は実は、会わせて欲しい人がいるですぅ!」
「そうですかわかりました案内してください」
とリカリカはシュカシュカ達の側に寄る。
「でもでもお嬢ちゃん達。私は確かに絵に魂を宿らせて具現化させられるけど効果はすぐに切れるよ。それでも良いの?」
「大丈夫ですぅ!おじさんを一瞬だけでも幸せにしてあげるのがメイド隊員なのですぅ!さあリカリカちゃんにノーナちゃん行きますよぉ!」
「「はいっ!」」
そしてそしてシュカシュカは二人を先導して先程の男性の所に向かった。
ーーー
「リカリカ!」
「パパ!会いたかった!!」
男性とリカリカが抱きしめ合う。
「奇跡だ!まるで夢のようだありがとうお嬢ちゃん達!」
男性は涙を流して歓喜する。
「お父さん行こっ!」
リカリカが男性の手を握る。
「あぁ、お嬢ちゃん達ありがとう!!」
そしてそしてシュカシュカ達とリカリカ達は手を振り合い別れを交わした。
「良かったですねぇおじさん…」
「はい人を幸せにするって気持ち良いですね」
シュカシュカ達はこれからも人に幸せを届けるのだ。




