ノーナの試練
いっぽういっぽうノーナは寒さに震えながら布にくるまっていた。
「寒いよ助けて…シュカシュカ先輩…」
ノーナは薄着のままで与えられたなけなしの布が唯一の防寒代わり。
なのでなので、冬に近づくこの季節、エアコンもない環境は辛いものがあった。
『ノーナ、ノーナ!』
そんな時、ノーナの脳裏にある声が聞こえた。
「ケンノエ?」
『よかった、テレパシーは届いたようだ。今は辛いけど耐えて。スイーツ隊の皆が今に助けに来るから!』
なんとケンノエは一目につかないとある場所でノーナの所まで近づき、テレパシーを送っていた。
体の大きい白鳥である為建物の中には翼も邪魔して入れないが外でなら主に近づけばテレパシーは送れる。
しかしノーナはケンノエの言う事は半信半疑と言ったところだった。
「そんな事言って…気休めじゃないの?」
(こりゃ重症だな)ケンノエは思った。
『ノーナ良いかい?何もかも上手くいかないとやはりイライラするし、何も無いことでも絶望視してしまい幸福を感じられなくなる。しかししかしそう思う度ますます上手くいかなくなり悪循環だ』
とケンノエ。
「何が言いたいの?」
『君はその程度の人間かもう良い、帰るね』
ノーナはしまったと思った。
「ケンノエ待って!行かないで!」
『行かないよ、脅かしただけだ』
ケンノエは焦燥感を煽る事で教えようとしたのだ。
意地悪なようで理にかなっている。
『とにかくとにかくまた来る。もうじきスイーツ隊も助けにくるから。どんな事があっても希望を失わないで!』
そう言うとケンノエは城から羽ばたきスイーツ国へと戻る。
「わかった…お父さん!」
ノーナは父ケンノエに誓った。
だが翌日ーーー
「相変わらずノーナの飯は不味いわね」
「そうねマルツ」
カースマルツはノーナの作った食事にケチをつける。
(やっぱりノーナの料理はまだまだなのか…)と心の中で思い「すみませんでした」と言う。
「そうそう、お前に会わせてやりたい奴がいる」とカースが邪険な笑みを浮かべて言う。
「え、誰ですか…?」
「ふふふ貴女も一度は会った事がおありじゃなくて?」マルツも同様に。
すると「さあいらっしゃい♪」と言いマルツは呼び鈴を鳴らす。
その時現れる人影。それはまだ完全に大人になりきっていない二人の少年の体躯だった。
「へへへやっとすかー待ちくたびれましたよー♪」
「クリスマスプレゼントってなんですか?」
二人を見てノーナはギョッとする。
「あ…貴方達は…!」
「うひょー!ノーナじゃねええぇくゃああぁわいぃ!!好都合だずいいいいぃええぇい!!」
なんと以前チイチイ父に成敗されたはずの悪ガキ集団ストレンジャーズだった。
ノーナは少なからずストレンジャーズを苦手としていたのでこれまでに無い恐怖心に襲われた。
「ふふふ、固まっちゃってるわ可愛い♪」
「ゾクゾクするなぁお前のその顔は♪」
軽蔑するようにクスクスと笑うカースマルツ姉妹。
「ひひひあの怖いおっさんもここにはいないしてめえは思う存分可愛がれるわけだなぅああぁう!!」
「ひひひ覚悟しろぅよおぉうノーナあぁひひひ!!」
ストレンジャーズも気味悪くノーナに近づき、ヨダレを垂らしながら笑う。
(嫌だ嫌だ嫌だ!お父さん!シュカシュカ先輩!早く助けに来て!!)
ノーナは全身汗びっしょりとなり心の中で助けを求めた。




