鬱病になりそう
「鬱病みたいですね。お薬出しますから療養なさってください」
「ありがとうございました…」
覇気のない男性がくるみんからお薬を受け取り立ち上がる。
(そもそも俺がこうなったのはあいつのせいだ!)
覇気のない男性は一見人形のように無反応だが心の中では恨みをある相手にぶつけていた。
「おじさんどうかしました?」
「これノーナ!なんでもありません失礼しました!」
ノーナが男性に近づくとシュカシュカが引き寄せてお辞儀した。
「…………」
子供相手には愛想良く振る舞えば良いものの気持ち的に追い詰められていた男性はリアクションの取り所に困り静かに立ち去って行った。
「全くもうノーナちゃんたら……」
「すみません元気無さそうだったから…」
と呆れるシュカシュカにノーナは謝る。
しかししかしシュカシュカはそんなノーナに注意をした。
「だったら尚更、放っておいた方が良いです。無理に構うと互いのためにならない事だってあるのですよ?」
「そうなのですか?」
ノーナはきょとんとしていた。
「ノーシュカ!牛小屋掃除してきなさい!」
そこでカマンがイライラをぶつけるように大声で指示をする。
「うるさいですねカマン先輩は…」
「彼女は仕事に一生懸命なだけですよ。さてさて行きましょうノーナちゃんお仕事ですよ!」
「は、はい!」
ノーシュカは牛小屋を掃除しに行った。
ーーー
『あははコイツの反応おもしれー!』
『どうだどうだ!?悔しかったらかかってこいよ!』
「あぁ………うああぁ……」
オンボロアパートの部屋を借りていた男性は布団の中でひたすらうなされていた。
男性の名前はノンレム、高校時代は激しくいじめられて嫌な思い出を残したまま社会人になる。
しばらくニートとして過ごし働きに出るがいじめの後遺症か何なのかわからないが人と顔を合わせるだけでもパニックになる。
それで次第に変人扱いされて居場所を失ったノンレムは転職する。
そしてそこでも同じような事になる。
家族はそんなノンレムを家に置いておくのは恥ずかしいとし、今住んでいるアパートに一人暮らしをさせる。
だが彼はまた症状が悪化。
病院に足を運ぶが病院側は「気持ちの問題」と言い薬を出されて終わり。
診断書も書いてもらえなかった。
おかしいと自分でも思い伝えても「貴方は甘えている」「その気になれば人間なんでもできる」と言って突き放す。
そしてノンレムはしっかり診断書を書いてくれなければ別の紹介状を書いてくださいと依頼する。
白黒つけられなかった医師は呆れた対応で紹介状を半ば乱暴に叩きつける。
それが今ノンレムの通っていたスイーツ城だ。
スイーツ城は何でも屋だが病院の役割も果たしている。
そしてくるみんがその専門に選抜されている。
「くるみんやるなぁ」
「えへへ♪」
とまあ、そこで鬱病と診断され休職する事になったノンレムは仕事を休み休養を取る事になった。
ーーー
ノーシュカは牛に囲まれながら牛小屋の掃除をこなしていた。
「ゴシゴシ……嫌ですねえ牛小屋のお掃除は、臭いし大変だし。鬱病になっちゃいそうですよ…」
「ノーナちゃん頑張るのですよ。その働きで牛さんも元気になるです。そしてそして美味しい乳が出て美味しいミルクが出るんですよ!」
牛のようにモーモー言うノーナに発破をかけるシュカシュカ。
牛達も頑張れと言うようにモーモー言っていた。
そしてそして乳搾りをし大きな壺にいっぱい貯めてノーシュカはそれを運ぶ。
「重いですね華の乙女がこんな事しなきゃならないなんてしかししかし、男の人は良いですね家事は殆どしないそうじゃないですか」
「そんな事は無いですよ男の人だってキツい仕事して頑張っていますよほら」
シュカシュカが指を指す対象にはスクラップ山にある冷蔵庫を雪兎とケタルが2人がかりで運んでいた。
「うわっ!」
「なにやってんのちゃんと待ってよ!」
バランスを崩す雪兎にケタルはそう言う。
「だってここ足場が悪いんだって「雪兎君にケタル君お疲れ様です!」
下からシュカシュカが声をかけてきた。
「シュカシュカにノーナ、ミルク運んでいるのかい?」
「はい、貴方がたもお疲れ様です」
「ところで何やってるのですか?泥棒?」
とノーナが聞く。
「人聞きの悪い事言うなよ。処分しやすいように降ろしているだけだ」
と雪兎。
「大変ですね、鬱病にならないように気をつけてください」
とノーナが言う。
「気にしないでくださいノーナちゃん鬱病と言う言葉を覚えてから馬鹿の物覚えのようによく言ってるのです」
呆れながらシュカシュカ。
「あはは可愛らしいな。ノーシュカちゃん足元に気をつけて運んでね!」
「「はーい」」
そして別れる二組。




