VSマドゥト
そしてそしてマドゥトはついにアスーラ親子の所に入り込んで来た。
「うおおおおぉういアスーラとシュートじゃねえええぇくあああぁい!!会いたかったずいいいいいいぃぅえ!!!」
マドゥトは高らかに笑う。
「くっ来たかマドゥトめ、貴女がたは下がってて!マドゥトは僕が倒して見せましょう!」
ノフィンは親子を下がらせた。
「ふん貴様のようなやさ男にこの俺が倒せるのか!?」
「やってみないとわからないだろう!」
ノフィンは剣を抜いた。
「このマドゥトの恨みのパワーをとくと見せてやる!!」
マドゥトはダークブレードを召喚した。
「いくぞそりゃーー!!」
マドゥトが鋭い突きをノフィンに放つ。
ノフィンはマントを翻し姿を眩ませた。
マドゥトの周りには無数の薔薇が宙を舞っている。
「見たかこれが僕の技!喰らうが良い薔薇の舞を!!」
ノフィンはその薔薇をマドゥトへと飛ばした。
「お母さん怖いよう…」
「大丈夫よこのお兄さんがマドゥトを何とかしてくれるから…」
怖がる息子をアスーラは慰める。
しかしマドゥトは余裕の表情を崩さない。
「ふんハンサムなだけに技も美に特化しているのかしかししかし、美は力には勝てぬ闇の瘴気!」
マドゥトは全身から瘴気を放出した。
するとすると薔薇は次々と枯れてしまう。
そして虚しくも薔薇は力なく崩れ落ちた。
「ぐあぁっ!!」
ノフィンもまたマドゥトにぶっ飛ばされる。
「あぁ強い…やはり私はこの人には敵わない…」
アスーラはマドゥトの強さに惚れ直してしまう。
「お母さんどうしちゃったの?」目の色が変わるアスーラにシュートは戸惑う。
「どうだアスーラ俺は強いだろう?」
「はい貴方、私は一生貴方についていきます」
アスーラはポワンとした表情になって従順になる。
アスーラも女、強い男にはとことん弱いのだ。
「良い女だ、ならばその証拠にシュートにおしおきしろ、そいつは俺を侮辱したんだからな!」
とマドゥトは恨みをぶつけるようにシュートを睨み言った。
そうそう、シュートは「前の父親の方が良かった」と言ったのだ。
アスーラはシュートを強く睨んで叩きまくった。
「このこの!いけない子だね!」
「どうしちゃったのお母さんやめてやめて!痛いよ痛いよ!」
アスーラは人が変わったように泣きじゃくるシュートを殴りまくる。
「ハッハッハ!誰も俺には逆らえぬのだ!!」
マドゥトは笑いまくった。
そんな時そんな時、小さくて可愛らしいボブカットの美少女がマドゥトに飛び蹴りを入れてきた。
「うわっと!誰だ誰だ!」
マドゥトは彼女を見る。
「ウチのおらん間によくもスイーツ城を荒らして可愛い執事隊員とメイド隊員をボコッてくれたなぁ?」
「ち…チイチイ君…」
「ウチの愛するノフィンが…マドゥト許さへんでぇノフィンまで傷つけるなんて!」
チイチイは傷ついたノフィンを見た途端一層激しい浪速の闘気を放出してマドゥトを睨んだ。
「なんだおチビちゃん俺に刃向かうのか?俺は強いぜそしてそしてお前は強い俺に惚れてしまうのだ!」
「そんな訳ないやろ寝言は寝て言うもんや行くでー!!」
チイチイは高く跳躍してマドゥトに挑んだ。
「その度胸だけは誉めてやるしかししかしお前は俺には勝てぬダークウェーブ!!」
マドゥトはダークウェーブを放つ。
「551バズーカ!!」
チイチイは自らバズーカとなってマドゥトに激突する。
「くそぅ!!」
マドゥトはチイチイを弾く。
チイチイは空中で回転し身軽に着地した。
「俺をここまで手こずらせたのはお前が初めてだ…」
「ウチの隊員とノフィンを傷つけたあんさんの罪は重いで…」
マドゥトとチイチイが火花を散らし睨み合う。
「どっちも強い…僕すら間合いに踏み込む事が出来そうもない…」
とノフィン。
「マドゥト様!こんな女などやっつけてしまってください!」
事もあろうかアスーラはマドゥトを応援する。
「チイチイお姉ちゃん負けないで!」
「マドゥトを応援しなさいわからないの!?」
シュートがチイチイを応援するがアスーラはシュートの頭を叩く。
「可哀想に洗脳されとるやないかウチはなんでも暴力で訴える男は大嫌いや」
「ふん大嫌い大嫌い言ってる奴ほどやられ続けてたら媚びるものよ」
チイチイとマドゥトは言い合う。
「あんさんと喋るんも疲れるわ本気でやらせてもらうで!」
「かかってきなよその可愛らしい鼻へし折ってやるぜ」
そしてそして二人はぶつかり合った。
目にも止まらぬ攻撃、互いに譲らない戦いが繰り広げられる。
「は…速いそしてそして一撃が重い目で追うのがやっとだ…」
とノフィン。
「どっか行ったのかしらまあ良いわシュートあの男に反抗するのはやめなさい私達はあの人無しでは生きられないの!」
「目を覚ましてよママ!一体どうしちゃったの!?」
親子が言い合っているその時人影がズドーーーーンと地べたに打ち付けられた。
その場にはクレーターが出来る。
煙が少しずつ収まったその時その姿が顕になった。
なんと落下したのはチイチイだった。
マドゥトは「フッフッフ」と笑いながら着地する。
そしてそしてチイチイの顔を踏んづける。
「どうだチイチイとやら俺に惚れただろう?」
「惚れるもんか…あんさんなんか大嫌いや!」
チイチイは否定する。
「くそっどこまで意地を張るつもりだ!?」
「そうよチイチイ!マドゥトをとやかく言わないで!」
マドゥトとアスーラは二人してチイチイを詰る。
「あんさんなんかよりノフィンの方が100倍かっこ良いわ」とチイチイ。
「こんなハンサムなだけのモヤシノッポがこの俺より魅力的だと言うのか?」
「当たり前やんけ、ノフィンは優しいしかっこいいし確かにちょっと甘い所もあるけどそれでもかっこいいんや!あんさんみたいに野蛮じゃないから大好きなんや!」
チイチイは叫んだ。
「チイチイ…僕も君が好きだ!」
ノフィンもチイチイに答えた。
「そうかそうかじゃあそれを遺言として受け取ってやるそしてそして志ね!」
マドゥトはチイチイの息の根を止めにかかる。
ガシリッ!その時逞しい手がマドゥトの手首を食い込むように握られる。
その主は一体誰か?誰か?
それはそれは道義を着た逞しい体つきの男性だった。
精悍でキリリとした口髭もまた魅力のハンサム。
チイチイ父だった。
「おとん!」とチイチイ。
「ワイの娘に何さらしてくれとんじゃ?」
チイチイ父はマドゥトの手首を思いきり握る。
「痛い痛い離して離して!」
マドゥトが痛がるとチイチイ父は手を離した。
「チイチイの大事なスイーツ城と隊員を傷つけたんや覚悟は出来とるやろな若造?」
チイチイ父は威厳ある佇まいでマドゥトに迫る。
「ここに逃げ込んだコイツらが悪いんだ!」
「そんな!酷いわ酷いわ!」
マドゥトはアスーラ親子のせいにして責任逃れしようとする。
(なんてダサい男や、惚れんで良かったわ)とチイチイ。
「いざと言う時に人のせいにしやがってその曲がった根性叩き直したるわーーー!!」
ドカーーーーン。
マドゥトはぶっ飛ばされた。
「あぁこの人マドゥトより強いわ……そしてそして顔も好み♪もう私にはこの人しかいない……」
アスーラはマドゥトからチイチイ父に乗り換える。
「チイチイ父さんこれからは貴方についていきます♪」
アスーラは目をハート型にしてチイチイ父に近づいた。
バシン!!
チイチイ父はアスーラの頬を引っ叩いた。
アスーラは今ので目が覚める。
「あんさんもや。子供の気持ちをちっとは考えんかい」
チイチイ父はダンディな声でアスーラを諭した。
「うわあああぁん!!」
アスーラはチイチイ父に振られたからか、それとも自分の不甲斐なさに気づいたのか、地面にうずくまって泣き崩れた。
それからそれからーーー
マドゥトとアスーラはチイチイ父の手で無理矢理離婚させられ、マドゥトは行方不明に、アスーラは自分を悔い改めるために寺に出家した。
いっぽう息子のシュートは親戚の家に預けられる事になった。
それまではスイーツ城にしばらくいる。
「父も母ももう僕の親じゃない!」
シュートはそう言い出した。
「気持ちわかるよシュート。ノーナもねカースマルツから沢山いじめられたから…」
シュートとノーナはそう言う意味で話が合った。
「君もか。毒親育ちは辛いね」
とシュート。
そんな所馬車がやって来た。
「迎えが来たようだノーナちゃん、もっとずっと君と話がしたかった…」
「シュート君、これ…」
ノーナがシュートに贈り物を渡した。
「これをノーナだと思って大事にして」
「うんありがとうノーナちゃん!」
それはそれはメイド服の少女の人形だった。
「別れるの嫌だよ…せっかく仲良くなれたのに…」
泣き出すノーナ。
別れを惜しむ事が出来るのは若いから。
大人になるとその気持ちは薄らいてしまう。
そして気の迷いも生じる。
マドゥトやアスーラのように。
だからだから、若いうちの気持ちは大事にしておきたい。




