プロローグ
子供の頃は沢山希望を持っていた。
……未来はきっと良くなってるだろう。
私の夢は叶ってるだろう…。
お姉様達に気に入られ、共に暗殺稼業を行なっているだろう。
結婚して、家庭を持ってるだろう。
シャンティ王国はスイーツ国を打ち滅ぼし、理想の国になってるだろう。
残念ながらこうはならなかった。
自分は惨めに歳を取って行くだけ。
歳とる毎に何もかもが衰え、性格も歪んでいきそれと共に様々な制約を受ける事になる。
私が今わかった事だが平凡に過ごせるだけの実力すら適っていない。
しかし、子供のころは当然のように言われてきた。
貴女は国を動かせるだけの実力があると。
それが出来ていないのは努力が足りないから。
だからこそだろうか、余計にしんどい。
一体どれだけ努力すれば努力した事になるだろう。
さようなら意味のない人生…。
私は努力をやめました………。
そして、一つの命は何の意味も持たないまま地の藻屑へと朽ちていった。
この世界の地理的状況はこうだ。
まずスイーツ王国。平和でよく発展した国。
資本主義国家を築き勤勉さでは他に並ぶ国は無いくらい。
過去は戦争に明け暮れて文化が衰えた国だったがチイチイ親子がやって来て国に奇跡を起こしたと言われる。
そしてそしてその隣にあるのがシャンティ王国。スイーツ王国より遥かに文明的に遅れている。
軍に固執した暗い国。名前だけは良く着飾っている感じの国。
その昔、スイーツ王国を占領しようと乗り込んだがカヌレ隊の支援によって今の形に収まっている。
そのシャンティ王国にノーナと言う少女がいた。
ノーナはずっとこの国で生きてこの国で死ぬだろうと思っていた。
姉、カースマルツに監視されながら過ごしていたがある事をきっかけにシャンティを出る事になるとは。
彼女自身思いもよらなかった。
ノーナはカースマルツと言う双子の姉から盗みの練習を学んでいる。
「良いか、あの背広を着ている男から鞄を盗め。鞄には大金が入っている」
「わかりました。カースお姉様」
ノーナは様子を見て周りに人がいないか、男が油断しているかコッソリとついていく。
(鞄を盗めばノーナはお姉様から認められる!)
とノーナは思った。
公園で男は居眠りをする。鞄はそこにある。
(盗むなら今だ!)
ノーナは鞄を盗んだ。
「ワンワンワン!!」
犬が吠え出した。その犬はとても小さな犬で男の背広のポケットに収まっていた。
「知らせてくれてありがとうポチや。待て小娘!!」
男はノーナを捕まえる。
男とノーナの前にはマルツがいた。
「マルツお姉様助けて!!」
ノーナは訴える。
「おいどう言う事だアンタ、この小娘の身内か!?」
男はマルツに聞く。
「いいえ私は知りませんわ」とマルツ。
「そんな…」ノーナは裏切られた。
バシンバシン!!
ノーナは何発もムチで打たれた。
「ノーナ、貴女はとんでもなく悪い子ね、そんな子に育てた覚えなんて無いわ」
とマルツはノーナを罵った。
(ノーナは悪い子だ…)
ノーナは双子のネガティブな言葉ばかりを飲み込んでいった。
そしてそして学校では反スイーツ王国教育を施される。
「スイーツ王国は悪い国です。我が国から色々なものを奪いました。ノーナはスイーツ王国を滅ぼして奪われたものを取り戻したいです」
パチパチパチ…♪
生徒達から拍手が送られる。
「良い作文ですねノーナちゃん後で先生からご褒美をあげますから多目的室に来てください♪」
そして先生ににこやかな表情でこう言われる。
(初めて褒められた嬉しい♪ノーナは良い子。そしてそして先生からご褒美貰えるんだ何だろう何だろう?)
ノーナは大変ワクワクした。
そして多目的室に行く。
「よく来ましたねノーナちゃん。僕と良い事しましょう♪」
「先生、そんな格好だと風邪引くよ?」
「引いても良いんです、君も同じ格好になるんだからね、これは儀式なんですから♪」
ノーナは儀式を施された。
それはそれはある程度の歳になった時ノーナの心にトラウマとして残る。
だがまだ幼いノーナはそれは知らなかった。
家に帰るとノーナは学校で初めて褒められた事、儀式を受けた事を姉に話す。
「貴女は失態をしたわ、あの先生はスイーツ王国の出身よ懲罰の対象よ今すぐ清めてから改めてお仕置きするわ」
「そんなお姉様!ノーナを、ノーナを許してくださいぅ!」
ノーナは泣きながらカースマルツに許しを乞うが許しては貰えずノーナの受けた儀式をいっぱい放出されてはカースマルツから罰を受けた。
(いったい何したらお姉様に認められるんだろうきっとノーナが悪い事考えてるから許してくれないんだもっと良い子にならなきゃ…スイーツ王国は悪い国だから将来ノーナは良い子になって軍人さんになってスイーツ王国を滅ぼすんだ)
とノーナは固く誓った。
そしてカースマルツから悪い影響を受けたり大人に振り回されてノーナは12歳になる。
ノーナは首を吊ろうとしていた。
(結局お姉様はノーナを認めてくれなかったしこの世界が酷い国だって事がよくわかった。ノーナは失敗作だったんだ)
そして天に召されようとしたノーナ。
(駄目ーーーーっ!!)
そんな時天使がノーナに訴えてきた。
それはそれは長めのブロンド髪を後ろにお団子に括りメイド服を着ていて、絹のような張りのあるお肌にクリクリとした目の可愛らしい天使だった。
「貴女は……誰?」
『シュカシュカですぅ!ノーナちゃんは知らないけど別時間軸ではシュカシュカはノーナちゃんのお姉様なんですぅだからだからシュカシュカがノーナちゃんを助けるですぅ!』
ノーナの身代わりになったのはシュカシュカ。
景色が変わりふと気がつくとノーナは墓石の前に立っていた。
墓石に刻まれた名前はシュカシュカ。
シュカシュカはノーナを救い、身代わりになって死んだのだ。
「カースマルツじゃなくてシュカシュカがお姉様だと良かった………」
ノーナは咽び泣いた。
そして成長したノーナはシュカシュカを自殺する未来から救う為に奔走した。
その甲斐もあってかシュカシュカもノーナも、自殺しない未来を作るのに成功した。




