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異能が現実のものとなったこの街の片隅で。  作者: 松葉天佑


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戦闘後のランチはいかが

「おっ、空いてるじゃん」


「それはアンタ達がさっきまで馬鹿騒ぎやってたからでしょうが」


 公園内のカフェに足を運んだ本宮、峯、神栖の3人だったが、営業中にも関わらず店内はガラ空き。

というより公園全体を見渡しても人数はごく僅か。まあ公園内で異能を使ってのバトルが繰り広げられればそれも当然か。決して喜んではいけないのだろうが、図らずして人払いが出来たという訳だ。

 峯は本宮に耳打ちをする。


「せめて今日は私たちがお金落とさないとですよ」


「それ峯ちゃんが人の金でたらふく食べたいだけじゃねーか。ねえ、困っちゃうよね神栖君?」


「僕に振られても困るんスけど」


「お腹減りましたしいっぱい頼んじゃいましょ。フィッシュアンドチップス2つとドーナツ1人10個で」


「ドーナツは5個もあれば腹一杯になるぞ……?」



――――――――――――――――



 さてさて、結局峯の注文がおおよそ通ってしまった御一行、お会計はなんと6千円オーバー。財布の中の樋口さん野口さんがいっぺんにいなくなり、随分と中身が寂しいことになってしまった財布を手に本宮は、


「奢りとは言ったけどよぉ……お前ら絶対残さず食えよ!?お残しは許さんからなマジで」


「まあ残ったら残ったで、持ち帰り頼めば店員さんも対応してくれるでしょ、多分。神栖君一人暮らしでしょ、余ったらお家で食べな?」


「あ、ありがとうございます…」


「はあ……。もう良いから食おうぜ?財布がすっからかんになって俺ァ腹くらい満たせねえとやってられねえよ……」


「じゃあパイセンに代わって今日は私が、はい!」




――――?




 神栖少年は何が何だかわからないご様子だが、本宮と峯は綺麗に手を合わせている。



 ……つまりやれってことだよな?



「何してんの、おててのしわを合わせていただきますでしょ」


「いや本当にそれなのかちょっとわからなかったんで」


「それでもパイセンのクラスの生徒かよー?ももちゃん先生、これやらないと人一倍うるさいんだぜー?」


「そうそう、どっちかっていうと食事提供する側の俺にもうるさいから今じゃすっかり染みついちまった」


「そうなんスか」


「ソーナンス」


「じゃ!改めまして、おててのしわを合わせて、」


 いただきます。



――――――――――――――――



 そして、ランチに一通り手をつけひと段落した頃……


「でさ、お前なんで学校行かねえの?さっきの神栖君の話聞いておおよそ察しはつくけどさ」


「お察しの通りっス。2年に上がって間もない頃他の生徒と揉めたんスよね」


「揉めてその後どうしたの」


「喧嘩ふっかけられたんで返り討ちにしたっス。でもその後学校に居づらくなって」


「はあ〜〜、青春だねえ」


「え、青春要素無いでしょ今の流れに」


「何言ってんだ、昨日の敵は今日の友って古い言葉があるだろ。俺と神栖君は、もうダチだもんな。それとも峯ちゃんは今日から敵になるか?」


「うわぁ、面倒くさ」


「今日の友は明日も友達とも言うだろ?」


「まあそういう歌詞もあったっスね」


「人ってのは何だかんだ喧嘩し合える仲の方が長続きするからな。神栖君も俺に文句ある時はどんどん言うてな?喜んで喧嘩買うたる」


「下手な訛りは関西人に嫌われますよ」


「うるせー、とまあ今の峯ちゃんみたいにな」


「わかったっス……」


「でもさあ、どんだけ周りの人間が嫌になったって、やっぱり学校や企業、どこかしらに所属している限り、筋は通さないといけないよね。

 人間生きてりゃそんな時もある、逃げたい時は逃げれば良い。でも逃げるだけじゃ物事が解決しないどころか状況が悪化する事だって大いにある。君の問題は正しくそれじゃないかな」


「まあ確かに学校休みっぱなしはマズイわな。進学や就職にもモロに影響出るだろうし。

 何か悩みがあるんならそれこそ那須ちゃん?ももちゃん先生に相談してみるのも一つじゃねえか?

あの人ならちゃんと聞いてくれるだろうし、大人の力はうまく利用するのが一番だぞ」


「それと最後に一応、最悪の場合を考えてお話しするけど、もし退学しようって考えているのなら尚更それは直接出向いて伝えるべきだよ。それが社会人にも必要とされるケジメの取り方にもなるわけだから。」


「まあなんにせよだ。とりあえず学校に顔出すだけでも良いからさ、一度行ってみねえか?お前の先生にも頼まれちゃってるから、行ってくれないと正直困るんだわ」


「まあそういうことならわかりました。行くだけ行ってみるっス」


「よっしゃ!お前ならそう言ってくれると信じてたぜ兄弟」


「兄弟…?」


「わかんねえか?任侠モノとかでよく言うだろ」


「あー、バンちゃんって最近見たものに影響されがちだから深くは気にしなくて大丈夫だよー」


「何だよ峯ちゃんだって真島メロいとか言ってたじゃんか」


「私の話はいいんですー」


「全く。それじゃ学校行くってことで話まとまったし、そろそろ出るか。店員さん持ち帰り対応してくれっかな」


「多分だいじょーぶでーす。店員さんにお願いしに行きましょ」



 よいこの皆は、注文した品はしっかりその店で食べきろうね。

 何はともあれ神栖が学校へ行くと決断してくれたことで、ランチタイムは無事終わりを迎えたとさ。

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